第209話 三者三様、そろい踏み!
籠城戦の構えか……。
まあ、それも納得だ。なにせ相手が相手なんだから。
例のめちゃ強ユニコーン——ライキリンのSTは、私もすでに確認した。
【聖白銀雷光一角獣ライキリン】
格付——「王級」
等級——「6(相当)」
種別——「聖獣種」
属性——「雷/聖」
戦技——「雷光天閃」「雷光天駆」「雷光天衝」「聖光結界」「聖光結晶」「聖光結雷」
特性——「覇者風格」
——ST(推定)——
LP——「330000」
AP——「450000」
攻撃——「41000」
防御——「12500」
速度——「10」
射程——「6」
——FT——
【覇者たる風格をたたえる、美しき聖獣。礼節には礼節を、不敬には極刑を——それは、傲慢ではなく裁定である。己の振る舞いには気をつけよ、まだ死にたくないのならば】
結論から言わせてもらえば——いやふざけんなよ絶対に勝ち目ないじゃんコイツ!! ……というのが、私の感想である。
いや実際無理でしょ、あんなん。
てかもうフツーに、桁が違うもん。マジで桁違いじゃん。STが。
そのままダメージの桁も違うし。——いやいや、なんだよ30万ダメージって……。喰らったら一撃で消し炭になるわ、そんなん。
もはや完全に負けイベじゃんね、これ。
と、私なんかはライキリンを見た時点で、すでに軽く戦意を喪失しかけていたのだけれど……我々の指揮官であるマユリちゃんはしかし、まだまだ諦めてはいなかった。
事実、ライキリンが登場するのに前後して、彼女は次々にライキリンに対抗するための策を打ち出していった。
ライキリンにも驚いたけど……でも、マユリちゃんの能力——地形を変化させる特設カードってのも……マジでこれ、こっちもこっちで、かなりとんでもないんよね……
そう……なんとかの“高台”とかいうカードを使ったら、みるみる私らのいる一帯の地面が盛り上がっていって、マジで、あっちゅうまに高台になってしまったし。
——その規模がまた、とんでもねぇんよ……。
——なんせ、広さにしておよそ三百メートル四方の土地を、一気に五十メートルも隆起させるんだから……もはや、ちょっとした神の御技かよって。
——マジで、モーセが海を割った奇跡を見た人の気持ちが……私、ちょっと分かったもん……。
しかもこれ、ただ地面が隆起しただけじゃなくて、カードの特性として、色々とこちらが有利になる効果が発動するらしいんよね。
これによって、空を飛べない系の敵に関しては、こちらの陣地内に侵入することができなくなるのだという。
とはいえ、それで完全なる守りが完成するのかというと、そういうわけでもないみたいだったけれど。
事実、マユリちゃんは地形カードだけでなく、今度は天候を操るカードも使った。
——さらっと天候も操り始めたけれど……もう私は驚かないからね?
——天変地異を操りまくっている、弱冠11歳の幼女……私が未開の蛮族なら、もうすでに貴女を信仰していますから、これ。
それにより、今の私の視界は、立ちこめる濃い霧により外部の様子を探ることができず、ほとんど完全に遮断された状態になっている。
——これは、星兵が使えるマップ機能にも影響するので……今の私は、マップ上ですら外の様子を確認することができなくなっていた。
なので今、戦場全体を把握できているのは、マユリちゃん——と、彼女と繋がっているシャイニー——だけだった。
外の様子が分からないと、さすがに色々と不安になってくる……
——なにせ、外にはあのライキリンとかいう、とんでもない敵がいるはずなのだ。
しかし、他でもないそのライキリンに対抗するためには、こうする必要があるのだ……
なぜなら、今やそのライキリンからの攻撃が、私たちのいる高台そのものを攻撃してくるようになっていたので。
だがしかし、それらの攻撃は、命中率がかなり低く……十発撃って二、三発当たるという程度。
そして、それくらいの間隔なら、受けたダメージをなんとか回復することが間に合っていた。
まあ、逆に言えば、それくらい命中率が下がってようやく耐えられるということなので……命中率が低下してなければ、ライキリンの攻撃は地形すらも容易く破壊してしまう威力だということなのだけれど……。
ともかく、そうやってなんとか——実際、毎回というほど頻繁にはなかったけれど、それでもちょくちょくは継続して行われているらしき——ライキリンからの攻撃に耐えつつ……私たちはひたすら自分たちを強化していった。
TACはほぼすべて“SS”によりTPに変えて、そのTPを自身の強化に費やす。
とはいえそれは、籠城中で他にやることがないのでやっている感じで……あくまでも、TPのメイン供給源は生産系カードが占めている。
生産系カードについては、現時点でもかなり強化されているようで、すでにかなりの量のTPを供給してくれている。それに加えて、これまでに倒した敵から得たTPの貯蓄もあるので……現状は十分に、敵を倒さなくてもTPは足りていた。
とまあ、そんな感じで。
私たちはひたすらに自分たちを強化していき……これまでにも優先して強化してもらっていた私は、いよいよランクが次の——あるいは、現状では最後の——領域に突入した。
すなわち、私のランクが5に上がり、STがさらに増え、新たな特技が発現した。
【終末を斬り閃く刃カガミン】
種類——「星兵(扱い)」
等級——「5(相当)」
種別——「人型」
特技——「刀闘武技」「炎熱能力」「雷電能力」「鏡性能力」「大物殺死」
特性——「親愛友絆」
——ST——
LP——「9100(+1500)」
AP——「8700(+700)」
攻撃——「9500(+3000)(+1700)」
防御——「8200(+1100)」
速度——「4(+1)(+3)」
射程——「5(+1)(+1)(+1)」
——FT——
【力に目覚めてまだ日の浅い身ながらも、すでにいくつもの修羅場を潜り抜け、相当な経験を詰み相応の実力を身につけた若き俊英。高き素質は七つもの能力基盤を芽生えさせるほどであり、それらを組み合わせて使いこなすことが出来た暁には、きっと目覚ましい活躍を期待できることだろう。友情に篤い彼女は、常に友の想いと共にある。それは彼女の力の源であり、また彼女を助ける守護となるのである。※この戦力には、一部のTCが使用できない】
けっこう上がりはした……装備や鷹ちゃんとの合体によりプラスされた分を加味すれば、すでに一万を超えているSTもある。
しかし、それでも……まだまだライキリンには遠く及ばない。
まあ、まだランク5に上がったばかりなので、これからさらにレベルを上げれば、まだいくらかは伸びるんだろうけれど……それでもやっぱり足りていない。
ST的には、正直言って勝ち目は見えない……なら、新たに増えた技はどうだろうか。
なにせ、「大物殺死」が追加されているのだ。これなんかはまさに、ライキリンに対抗するにはうってつけの能力なのではないの……?
では、具体的に、ランク5になって増えた技についても見てみるとしよう。
【終末を斬り閃く刃カガミン】
〈NAA〉
【障破血風刃】——「威力200」「射程1」「範囲1」「AC1」
【天覇一閃】——「威力500」「射程1」「範囲1」「AC4」
【成石請願】——「射程2」「範囲1」「AC1(継続)」
〈APA〉
【灼熱嵐禍】——「4000AP」「威力350」「射程3」「範囲4(正方形)」「CT1」「AC4」
【雷電磁砲】——「5000AP」「威力600」「射程6」「範囲5(直線)」「CT1」「AC4」
【万華鏡砲】——「3000AP」「AP500」「威力×3(※設置した砲塔を通して放った遠距離攻撃の威力が三倍になる)」「KT1」「AC4」
【鏡映封魔】——「4000AP」「射程1」「範囲1」「KT1」「AC4」
【天地万応】——「6000AP」「CTR」「AC5」
【満天鏡壁】——「7000AP」「CTR」「KT1」「AC5」
【刀輝解放】——「10000AP」「LP+25000」「AP+15000」「攻撃+6000」「防御+10000」「速度+2」「CT1」「KT3」「AC10」「※この能力を発動している間は特殊効果により——その行動に本来必要となるACの値に関係なく——すべての行動を消費AC1で実行できるようになる」
【爆熱炎尽】——「11000AP」「LP+15000」「AP+30000」「攻撃+9000」「防御+5000」「速度+2」「CT1」「KT3」「AC10」「※この能力を発動している間は特殊効果により——本来ならAPを消費する行動を実行する際に——APを消費しなくなる」
【雷神遇参】——「12000AP」「LP+15000」「AP+10000」「攻撃+15000」「防御+15000」「速度+6」「CT1」「KT3」「AC10」「※この能力を発動している間は特殊効果により——強化系の効果によって通常よりも増加している分も含めて——TACの値が2倍になる」
〈TPA〉
【灼 熱 炎 陣——G・F・V/G・F・B】——「15000TP」「威力350——威力680/威力1000」「射程3——射程4/射程5」「範囲25(正方形)——範囲49(正方形)/範囲7(連続)」「CT2」「KT5」「AC10——AC5/AC5」
【豪 雷 電 陣——E・M・V/E・M・B】——「20000TP」「威力430——威力800/威力1500」「射程2——射程3/射程8」「範囲9(正方形)——範囲25(正方形)/範囲8(直線)」「CT2」「KT5」「AC10——AC5/AC5」
【斬騎必滅 白光の太刀】——「30000TP」「威力——(※一撃必殺技)」「射程1」「範囲1」「AC10」「※前提条件——“刀輝解放”を発動している状態であること」
【人格投演】——「35000TP」「CT1」「AC10」
【彼が未来か 視ら在りす】——「40000TP」「AC10」「※前提条件——“人格投演”を使用して呼び出した——“別人格”と“人格融合”していること」
【死中に“勝つ”を 逆転の天秤】——「50000TP」「射程2」「範囲1」「CT1」「KT5」「AC15」「※前提条件——対象へ“成石請願”を10ターン以上継続して使用していること」
【刀輝解放・爆熱炎尽・雷神遇参】——「100000TP」「LP+100000」「AP+100000」「攻撃+50000」「防御+50000」「速度+10」「CT5」「KT5」「AC30」「※この能力を発動している間は特殊効果により——すべての行動をAC1で実行でき——APを消費しなくなり——TACの値が2倍になる」
◆——◆——◆
とまあ……こんな感じで、またかなり色々と技が増えた。——なんだかよく分からんようなやつも、いっぱい……。
星兵としてのランクが上がるということは、私の持つジョブの能力も上がるということなのだけれど——いや、ジョブだけでなく、レベルについても上がっているのだろう——ランクが5になったことで、いよいよ私の内に秘められた能力も真価を発揮しているみたいだった。
体感的に、今の私は——(プレイヤーとしての)レベルの方が(元のLv15から一気に上がり)いまやLv25相当くらいになっており、そして、ジョブのランクとしては、それ以上がない最大のランクにまで到達しているとみえる。
ジョブのランクは五段階あるみたいなので、今の私はその五段階目——最終ランクになっているようなのだ。
ここでいうジョブとは、特技に表示されている『刀使い』『炎使い』『雷使い』『鏡使い』『大物殺し』の五つのジョブのことだ。今の私は、これらすべてを極めた(のに匹敵する)状態になっているみたいなのだった。
改めて実感する。TPを使ってランクを上げれば強くなれるという——“盤上戦術”におけるこの仕様が、いかにとんでもないものなのかを……。
本来なら、ジョブのランクをそこまで上げるのには、膨大な時間と経験を積まなければいけないはずなのだけれど……“盤上戦術”の中に限り、TPを使うことでそれらを省略してしまうことができるのだ……。
まあでも——そうやって、本来なら必要な前提を無理やりに無視している弊害と言うべきか……色々と制限もあるみたいなのだけれど。
いや、これでも使える能力がかなり制限されているのだ。五つものジョブを極めるところまでいったのならば——本来なら、もっとたくさんの能力が芽生えているはずなので。
もちろん、それらの中には“盤上戦術”で使うには向かないような能力もあるのだろう。実際、どうもそういった能力は除外されているようで、技の中には含まれていないみたいだった。
ただ逆に、TPAなどについては、従来の私が単身では使えないくらいに強力な技なので——そういう意味では、一概に制限によって従来よりも弱体化しているとは言えないし——全体としてみれば……やっぱり普通に強化されていると言えると思う。
では、ここまで強化されたところで、改めてライキリンに勝てそうかと言われたら……それでもやはり、厳しいだろうと言わざるをえない。
色々と技は増えたけれど……地力に圧倒的な差があるのは相変わらずだし、技の効果を発揮させる前に瞬殺されてしまえば意味がない。
まあ、中にはその地力自体を一気に強化するような技もあるみたいだったけれど……
これについても——そもそも発動するまでがめっちゃ大変だったり、使った後にデカい反動がきたり、いうて短時間しか効果が続かなかったり……なんて感じに、色々と難点も存在しているみたいだったので……
実際のところは——カタログスペック的には、なんだかいけそうな感じに思えても——よっぽど上手く使ってみせないと、格上相手には通用しないのだろう。
とはいえ、ランクアップによって増えた能力を加味すれば、ライキリンの存在が——それまでの“まるで勝ち目のない相手”から、少なくとも“よっぽど上手くやれば、なんとかなるかもしれない相手”くらいには——どうにか倒せそうな相手になった気がするので……絶望から一転して、私は再び闘志が湧いてくるのを感じていた。
さすがに、現状で最大のランクであるR5は伊達じゃない……
それに、私だけじゃなくて……他のみんなも限界まで強化すれば、なんとかなるかもしれない——
そうだ……全員が最大まで強化して、みんなの力を合わせて連携すれば、あのイカれた強さのライキリンだって、きっと——きっと倒せるはず……!
そう意気込んで、立ち向かう意思を新たにしていた、私の目の前に——
そいつらは現れた。
それは……怪獣たちのボスといって相応しい威容を誇るライキリンに、これまた匹敵するほどの威容をそれぞれ持ち合わせている——機械獣の親玉と、不死者の親玉だった。
【耐雷式空潜型巨鮫種旗艦機メガロッド】
格付——「将級」
等級——「6(相当)」
種別——「機械種」
戦技——「亜空潜航」「穿孔掘削」「電磁制御」「鮫型魚雷」「重機出撃」「轟波動砲」
特性——「親電仕様」
——ST(推定)——
LP——「2250000」
AP——「1560000」
攻撃——「32000」
防御——「27000」
速度——「3」
射程——「5」
——FT——
【亜空ヨリ襲イ駆逐セヨ。鋼鉄ノ顎ニテ粉砕セヨ。雷撃恐ルルニ足リズ。取リ囲ミ、埋メ尽クシ、蹂躙セヨ。生キトシ生ケルモノ、スベテヲ等シク平ラゲヨ。機鉄回路ニテ侵食スベシ】
その……あまりにも巨大な鮫型の機械獣——メガロッドは、マユリちゃんによれば、“盤上戦術”内にいきなり現れたのだという。
どうやらコイツは——ヤツのSTカードにも表示されている——なにやら「亜空潜航」とかいう能力でもって、亜空間に隠れた状態で侵入してきた(?)らしい。
なので、侵入されるまで——“盤上戦術”の外にも常に目を光らせていた——マユリちゃんも、その存在を感知できなかったのだと。
ただ、侵入と同時にその能力は解除されたらしく、おかげで遅ればせながら、その実態を確認することができたという。
相変わらず視界不良の陣地内にいる私は、当初は直接ソイツを確認することが出来ず、マユリちゃんからの報告を聞くだけだった。
しかし——天候カードの効果が途切れてから、再度また使い直すまでの——視界が晴れたわずかな間に、自分の目で確認したソイツの威容には……度肝を抜かれた。
まずデカい。圧倒的にデカい。
なにせコイツ——メガロッドは、その総体が一つのプレートに収まりきれていないのだ。
つまり、その全長が百メートルを優に超えているのである。
いや、百メートルどころか、二百メートルも優に超える。
なぜなら、コイツはその巨大すぎる総体が——一つどころか二つも超えて——三つのプレートにまたがって存在しているので。なのでやはり、二百メートル以上は確実にあることになる。
横幅の方は一応、一つのプレートに収まっているけれど……しかしそれも、けっこうギリギリな感じだ。
正直言って……この巨大さの時点で、挑もうという気持ち自体をへし折られてしまう——
一目で理解してしまう……空中に浮いているソイツは——真下から見上げたとするならば——空を覆い尽くしてしまうほどに巨大な敵なのだから……
勝てるわけがない——そう、本能で理解させられる……。
せっかく再燃しようとしていた闘志が、ヘナヘナと鎮火していく様を幻視する……——。
【ライキリンの “雷光天閃”!!】
【メガロッドに 128814のダメージを与えた!】
そんな私の内心なんてお構いなしに——強者が相見えたならば、それが当然の結果だとばかりに——ボス同士の戦いが勃発していた。
その大迫力の戦闘の様子を直接は窺えなくとも、響く衝撃と大音量と——あとはシステムメッセージによって、どれだけ凄まじい争いが始まったのかは、否が応にも理解させられることになった。
もうぶっちゃけ逃げ出したいくらいだったけれど……逃げようにも逃げ場がないので、私はただその場でなり行きに身を任せていた。
そんな折、ふと——このメガロッドは……あるいは、機械獣側がライキリンに対抗するためによこした最終兵器かなにかなのではないかと——私の呆然とした頭に、そんな考えが思い浮かんだ。
なんせ、コイツが出てくるまでに、ライキリンは機械獣を破竹の勢いで破壊しまくっていたので……いよいよ機械獣側も、本気でライキリンを倒せる戦力を出してきたのではないかと……
“特性”もなんだか、ライキリンの得意とする雷属性に対抗するかのような仕様だし。
【メガロッドの “電磁制御”!!】
【特殊な電磁性界が メガロッドを包み込む!】
事実、雷属性が弱点の機械獣は——それまでは、まるっきりライキリンによって鎧袖一触にやられるだけの存在だったのだけれど……しかし、このメガロッドは、ライキリンの攻撃に耐えることができていた。
とはいえ、機械獣自体がそもそも雷属性が弱点なのは間違いないので——メガロッドも、ライキリンの攻撃を受けて、一撃につき10万を超える大ダメージを叩き出されていたけれど……しかし、それでも、出現から数ターンが経過しても依然として倒されることなく健在である時点で、やはり、これまでの機械獣とは一線を画している。
【ライキリンの “雷光天閃”!!】
【メガロッドに 18431のダメージを与えた!】
【——“電磁制御”の特殊効果が発動!】
【メガロッドは 雷属性のエネルギーを吸収する!】
【——“親電仕様”の特殊効果が発動!】
【メガロッドの LPとAPが回復した!】
姿は見えずとも、行動内容を伝えるシステムメッセージによって、私にもある程度は、両者の戦いの様子を窺い知ることができる。
現状、私たちの方からは、この両者の戦いに対して一切の手出しをしていない。
こちらは引き続き、ユニットの強化を継続中だ。……マユリちゃんとしても、どうやら様子見の構えのようで、今は事態の推移を見守っている。
【メガロッドの “重機出撃”!】
【“眷属機C” が現れた!】
【LK! 眷属機Bの “鮫型魚雷”!】
【ライキリンの“反応”——“聖光結界”!】
激しい両者の戦いは、今のところは拮抗している様子……
しかしそこに、さらなる混乱を巻き起こす、第三の強敵が出現する……。
【死を告げる凶兆デスネル】
格付——「主級」
等級——「6(相当)」
種別——「不死種」
属性——「影/闇」
特技——「死の宣告」「不穏な暗影」「不死の軍勢」「不吉な呪い」「致命の鎌」「死なば諸共」
特性——「不頭不滅」
——ST(推定)——
LP——「444444」
AP——「666666」
攻撃——「37564」
防御——「24243」
速度——「4」
射程——「4」
——FT——
【星々の光も見えぬ、薄靄が揺蕩う不穏な夜……隣人の戸が叩かれる。それは、闇より現れ、不吉なる報せを告げる凶兆——。いくら耳を塞ぎ、目を瞑って、扉を固く閉ざそうとも——決して、その暗澹たる運命からは逃れられない……】
うぇ、ひぇっ、こぁ……
か、勘弁してくれぇ……!!




