どうしよう?
今日の貴族学校が終わって、私の部屋でハンナと二人でお茶をしている。とりあえず、破滅はハリーのおかげで避けることができた私。私はホッと安心している。ハンナは笑顔で私を見ている。私もハンナを笑顔で見ている。でも、ハリーは大丈夫かしら? 私の破滅をなかったことにしてくれる代わりにハリーが保健室で休んでいたから。私はちょっとこのお茶の時間がハリーに対して申し訳ない感じだった。
「ねえ、ヴィクトリア? ハリーってなんだかイヤな感じがしないかしら?」
ハンナの言葉に、私はちょっとドキッとする。そういえば、ハリーとハンナは仲が悪かったような。そもそも、私が悪いのだ。でも、どうしようもなかったこともあるのだが。
「え? そ、そうよね?」
私はハリーを今では信じている。けれども、私はどうしようと考えてみる。メインヒロインのハンナがそんなことを言い出すなんて。私はなんとかしてハリーとハンナが仲がよくならないかと考えている。だが、私は悪役令嬢。しかも、この乙女ゲームの世界の内容を思い出せないのだ。変に私が動けば、またしても私は破滅の入り口に入ってしまうだろう。私は罪悪感を覚える。私はハリーに何もしてあげられない。目の前のハンナはハリーを嫌っているのだろうか。私は自分の無力さを思い知る。私はハリーと破滅を避けてこの乙女ゲームの世界で生きていきたい。でも、ハリーの中身の女性が誰なのかを私はまだ知らない。どうしよう? 私はいったいどうしたら?
続く




