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不安定な日常

 私は貴族学校の教室にひとりいる。どうしよう。私はどうしたらいいの? この乙女ゲームの悪役令嬢に転生して、この世界で破滅するの? そんなの、絶対にイヤだ。でも、どうやって破滅を避けたらいいの? 乙女ゲームの内容を思い出せない。間違いなく、私は破滅の終わりを迎えるの? そんなの絶対に避けてやりたい。私は心がざわざわする。

 あ、ハンナがジョンとアランと話している。楽しそうだわ。どうして、私は悪役令嬢に転生してしまったのだろうか。どうしよう、ハンナはメインヒロイン。ハンナが誰かと恋をしたら、私の破滅が始まるの? いったい、どうやって破滅を避けたらいいの? ハリーは私の破滅のシナリオを予想した。いま思い出してもゾッとなる。イヤだ、破滅をするなんて。イヤだ、衛兵のマイケルが消されるのは。イヤだ、サム王子と結ばれるなんて。イヤだ、絶対にイヤだ。

 そもそも、ハンナが誰かと恋をしなくても、私の破滅が始まるのかもしれない。私はヴィクトリア・ダイヤ、このまま終わらせるつもりなんかさらさらない。私は立ち上がる。私は教室を出て、貴族学校を飛び出した。いま私は草原にポツンとひとりいる。何がなんでも、私は破滅を避けてやるわ。今から家に帰るところ。まずは、メイドのラン。あの人をどうにかして変えないと。ランはきっとマイケルのことが好き。私もマイケルのことを大切に思っている。どうしたら、メイドのランが、私とマイケルの関係を許してくれるのかはわからない。けれども、何もしなければ、メイドのランが暴露するのだろう、そして、サム王子がマイケルを消そうとするのだろう。私は家の中に戻った。あのメイドのランが私に無言で冷たい視線を向けてくる。さて、私ひとりでなんとかしないと。


続く

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