メイドの様子が
最近のメイドのランの様子がおかしい。今までなら失敗もしない人だったのに。それもどうやら私に対してちょっと冷たくものを言うわけで。私はいま自分の部屋でメイドのランと二人である。なんだか気まずい。ランがさっきから無言で私のお茶をいれる。やっぱり、ランは衛兵のマイケルのことを? いやいや、それはわからない。でも、明らかにメイドのランの様子がおかしい。
「ねえ? 最近のランは何かあったの?」
すると、ランは冷たく睨みつけてきた。えっと、怖いんですけど? うーん、私はそんなつもりはなかったんだけど、マイケルが私のこと抱きしめたってわけで。でも、私はマイケルのことが大切な人なわけで。ヤバい。どうにかしてメイドのランと仲良くならないとね? よし!
「わあっ、このお茶、ランがいれると美味しいわ☆」
「それ、安物のお茶ですけどね、ヴィクトリアお嬢様?」
えっと、怖いんですけど? 私はランの機嫌をなんとかよくしようと考えてみる。けれども、いくら考えても、恐らくメイドのランは衛兵のマイケルのことが好きだった? いやいや、私はそんなつもりはなかった。ハッ!? これじゃあ私は悪役令嬢じゃないか!? ヤバい、破滅はしたくない!
「ラン? 私はそんなつもりはなかったの」
「そんなつもりはなかったって、どのようなおつもりでしょうか? ヴィクトリアお嬢様? 私はいつも通りですよ?」
あー、これはいかん。どうにかしてメイドのランと仲良くならないとね? どこで破滅になるのかわからないからね。けれども、いったいどうやって?
続く




