実はそういうこと
私は貴族学校の教室にひとりぼんやりしている。はあ、ジョンとアラン、本当にいい。うーん、でもこの世界は乙女ゲームだよね? 男の子同士が関係を持ったらダメじゃないかしら? あ、ジョンとアランがやって来た。あれ、二人は手をつないでいない?
「あらー、ジョンとアラン? 仲がいいのね」
「え? 自分とアランが? なんのことだよ?」
またまた~。うーん、聞いてみるかな。
「あれ、ジョンとアランは手をつなぐことがあるじゃない?」
「ああ、あれな?」
「あれは、自分とジョンが、ハンナのことでケンカになったんだよ」
んん? どういうわけかしら?
「いいか、ヴィクトリア? 自分とアランはハンナのことが好きだ。それでどっちがハンナにふさわしいか、ケンカになったんだよ。それで自分たちは仲直り。それで手をつなぐことにしていただけだぜ?」
え? は? ちょ? えっと、それで手をつないでいるってことだったの? あれ、おかしいな? 私の中ではジョンとアランは付き合っているって思ったんだけど? あ、ハンナがやって来た。あ、それはそうとハンナにあんなことを話してしまった。あ、ヤバい!
「あら、ヴィクトリア、ジョンとアラン。うふふ、ジョンとアラン? 付き合っているのね?」
おいいいいいいいい!? ハンナ!?
「え? そんなわけないよ? な? アラン?」
「ああ」
ヤバい。私、どうしよう?
「え? えっと、ヴィクトリアが二人は付き合っているらしいって言っていたけど?」
私、終わったわ。
続く




