メイドが慌てて
私とマイケルが楽しく話している。なんだか距離が縮まったみたいな。私はマイケルをかたすぎる人だって思っていた。けれども、こうやって話していると、やっぱりマイケルってかわいいなあ、って。私は本当に嫌なことを忘れられた。私はマイケルが好きなのだ。大切な人なんだ。
すると、私の部屋のドアが勢いよく開いた。あれ、メイドが慌てて入ってきた。なんなのだろう?
「ヴィクトリアお嬢様、マイケル。ちょっといいでしょうか、マイケル?」
「どうしたのですか?」
そう言ったマイケルをメイドが部屋から連れ出す。あれ、メイドの名前、なんだったかな? それにしても、マイケルを連れ出すっていったいなんなのだろうか。私はつい、こそこそと二人のあとを追う。あー、メイドの名前はランだったような? いやいや、そんなことよりも何かあったのかしら? あれ、マイケルとメイドのランが楽しそうに話している? えっと、どういうわけなの? 私は胸がチクリとなった。私はマイケルのことが好き、でも、ひょっとしたらランもマイケルのことが? そう思うと私は自分の部屋に戻って泣きたくなる。私は令嬢、マイケルは衛兵。わかっている。私はマイケルとは結ばれないということを。ひょっとしたらマイケルとメイドのランは出来ているのだろうか? そう思うと私は泣き崩れてしまった。
続く




