引き続きお茶
「ねえねえ、ハンナはサム王子のこと、本当はどう思っているの?」
するとハンナはみるみるうちに顔が真っ赤になった。おやおや? これはイケますな? 私は落ち着いてお茶を飲んでいる。ハンナが無言でいる。ふうん? ハンナって、実はサム王子のことが好きだとは知らなかったわ? さあ、ハンナ、貴女の気持ちを聞かせてちょうだい?
「ヴィクトリア? 私はサム王子のことが気になります。でも、サム王子は貴女のことを思っているのでは?」
「あらー? 私はサム王子のことをなんとも思っていない。というより、サム王子はハンナとお似合いですよ? ねえねえ、ハンナはサム王子のこと、本当はどう思っているの?」
ふっふっふ、ハンナの顔が真っ赤になったままね? よっしゃ! これでサム王子の気持ちが変わるかもしれない。はあ、私って本当に頭がいいよね? あれ、でも、この乙女ゲームでもしもメインヒロインのハンナとサム王子がくっついたら、悪役令嬢の私はいったいどうなるのだろうか? ん、まあ、あとでハリーに聞けばいいかな?
「ヴィクトリア、私はサム王子のことが好きなの」
「まあ! ハンナ、私は貴女のこと、応援するわ!」
よっしゃ! あらまあ、ハンナはサム王子のことが好きだったのね? ふう、とりあえずは破滅を避けることが出来たかしらね? うーん、だが、このハンナの気持ちはハリーに教えて、悪役令嬢である私のこれからがどうなるかを知っておかないとね? けれども、なんだか嫌な予感がするのは、いったいなんなのかしら?
続く




