サム王子の復讐?
今は貴族学校の教室にいる。私はマイケルのことをぼんやりと考えている。夢を見ているような気分がする。私は自分の両手を見つめる。こんな私でも、あの人を守れるならば、と思う。マイケル、私はあなたから言ってもらえた言葉を思い出している。マイケル、私はマイケルのことが好きなの。
「ヴィクトリア? ちょっといいか?」
私は声の方を見た。ジョンとアランだ。なんなのかしら、私は特になんとも思っていない。
「この間は悪かった、ごめん」
「ちょっと言い過ぎた」
え? ジョンとアランが謝りに来たのかしら? まあ、別になんとも思っていないけどね。
「えっと、私は別にいいよ? あんまり気にしていないし」
私はニコニコしてジョンとアランにそう言った。二人も笑顔になって、私たち三人で笑い話をする。なんだろう、友だちっていいなあ。私は楽しいと感じている。前のように三人で楽しい時間が過ごせるって嬉しい。ジョンとアラン、ありがとう。
けれども、私の視界に、サム王子がちょっと離れたところに立っている。あれ、なんでサム王子が貴族学校にいるのだろう? なんだか、ちょっと怖い表情をしているサム王子。私は嫌な予感がした。
続く




