いつまでも手をつないで
マイケルと、いつまでも手をつないでいたい。私は衛兵のマイケルと手をつないで歩いている間、ドキドキが止まらない。私は大切な人と手をつないでいる。この乙女ゲームの内容を思い出せないまま、私はマイケルと手をつないで、人気のない場所まで着いた。私はマイケルと向き合う。手はつないだまま。
「ヴィクトリア様、大丈夫ですか?」
「はい!」
本当は私は大丈夫ではない、ドキドキが止まらないから。どうしてマイケルは私の手をつないでここまで歩いてきたのだろう。マイケル、今はあなたは何を考えているの? この私のドキドキを止めてちょうだい。
「ヴィクトリア様、どうしてサム王子のお誘いを断ったのですか?」
それは、言えない。目の前にいるマイケルが大切な人だからって言えない。わかっている。私とマイケルは結ばれない。でも、私は目の前にいるマイケルのことが、本当は、本当は。わかって。マイケル。私はマイケルのことが好きなの。
「ヴィクトリア様、今日は帰りましょう。ヴィクトリア様、貴女だけを守ります」
え? 今のマイケルの言葉って。
「さあ、行きましょう。ヴィクトリア様?」
続く




