ハンナとの約束
今は貴族学校の裏庭にひとりいる。私はハリーと手を組むことで、他の生徒たちから悪口をこそこそと言われた。私はなんとも思っていない。でも、ちょっと悲しいけどね。私はなんでハンナとの約束を破ってハリーとお茶会をしてしまったのだろうか。あーもー。どうしよう? 私は悪役令嬢とウワサをされている。私は貴族学校で居場所がなくなった。全部、私が悪いのだ。
「ヴィクトリア、ここにいたのね?」
あ、メインヒロインのハンナだ。私は目を合わせることが出来ない。ハンナはたぶん怒っているだろう。私はハンナとの約束を破ってしまったから。
「ヴィクトリア、どうしてハリーとお茶会をしたのか私に正直に話して?」
ハンナはそう言ってくれるも、私の言うことはきっと信じてくれない。だって、私は悪役令嬢だから。でも、私はハンナを信じてみたい。だから、言うことにした。
「ハンナ。信じてくれないかもしれないけど、この世界は乙女ゲームっていう世界なの。私は実は前世からこの世界に転生してきたの。もうひとり、この乙女ゲームに転生してきた女性がいるの。それはハリー。中身が女性なの。私のことを悪役令嬢とウワサを流したのはそのハリー。ハンナ、私はハリーという敵の正体を知りたいの。いったい、誰なのかを知りたい。ハンナとの約束を破ってしまったのはそういうわけなの」
言ってしまった。ハンナはちょっと考えている。ああ、私はこのまま破滅をしてしまうのだろう。私はハンナの顔をあまり見れない。罪悪感があるから。私はもう破滅するのだろう。
「わかりました、ヴィクトリア。私はその話を信じます。だって、私たちは友だちですもの」
私は安心のあまりに腰が抜けてしまう。それから、私は泣いてしまった。ごめんなさい、ハンナ。私、ハンナのことを裏切ってしまった。ハンナは私のそばで一緒に泣いてくれた。本当にごめんなさい、ハンナ。本当にありがとう、ハンナ。
続く




