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Page 06:「憤怒」



目路人めろと 虹空にあの策略(いや、策略というよりかは純粋な好奇心の持ち主であるが故に起きた必然的事象と表現する方が正しいだろう。)により、死神はうっかり”生前は「ほもたろう」という名前だった。”というf**kin'ダサい事実を洩らしてしまった。






「いや、ウ、ウソだッ!!!オレは『ほもたろう』だなんて名前じゃねェ!!!!」




死神は必死の代弁をかます。





「インや〜、さっきのは心を揺さぶられまくった故につい言い洩らしてしまったボロだとか本音だとかそういった類だMOん!だからお前はリ・ユークだなんて二番煎じじみた名前なんかではなくて本当は”ほもたろう”って名前なんでshow???」





虹空は猶予を与える暇もなく死神を突き詰める。彼の好奇心は、快楽殺人者が振り回すナイフよりも、テロリストがぶっ放す銃弾よりも容赦なく相手を傷つける危険物である。







「わ・・・・罠だ!!これは罠だ!!誰かがオレを陥れるために仕組んだ罠だ!!!」





もはや、虚しく惨めな反論でしか対処する余地がない死神である。しかし、それでも虹空は休む間もなく突っ込んでいく。





「罠というより、あなたが勝手に自爆しただけなんですがそれは」





「ち、違う。あり得ない・・・・。」





「ヌイユがあドペヅヌイユがあドペヅヌイユがあドペヅヌイユがあドペヅヌイユがあドペヅヌイユがあドペヅ......」






ああ、虹空が古代東南アジア及びアフリカ大陸の中部、或いはアイスランドにて古くから伝承されている”がぬぱムッチャの舞”を繰り出した。これをやられたらもう何を言おうが泣こうが喚こうが、相手側の絶対的な敗北が決まったも同然である。これは虹空が言葉争いで圧倒的勝利を収めた際に発動されるモノで、過去に剣も「ニワトリが先か卵か先か」という哲学的論争にて大完敗を喫し、虹空にあの変な踊りを目の前で見せつけられたことがある。ちなみにその後、なんとなくムカついたので剣は虹空の顔面に右ストレートパンチをお見舞いしてやった。虹空は泣いてた。あの時はごめんNE。




余談だが、東南アジアにもアフリカにもアイスランドにも、”がぬぱムッチャの舞”なんてヘンテコな伝承など存在はしないと、学校の先生、友人、親戚、部活の先輩、歴史研究家、文部科学大臣、たわし、自宅警備員、近所の酒場のおっちゃんから言われているが、それでも虹空は「いいや!絶対あるんだ!ウソじゃないもん!インターネットやたくさんの本を読んで勉強したから間違いないんじゃああああああ!」と言って聞く耳を持とうとしない。なのでそこに関してはそっとしておいてほしい。別で言い換えるならば、お察しください。




それはさておき、いくら反論しても論破されるわ矛盾点突き付けられるわ、挙句の果てには変な踊りで煽ってくるわで、死神の中では悔しさと怒りと憎しみと愛しさと切なさと心強さと部屋とYシャツと私と・・・・もう色々な物が列挙されていて何が何だか分からなくなっているが、とりあえず我慢の限界に達していた。




そして、謎のダンスがしばらく経った時(正確には、2時間32分53秒経過した頃である。)、ついに怒りの感情を抑えていたリミッターがぶっちぎれてしまった。






「ンンンモォォォォォァァァァァアアアアアアアアアアアーーーーーー!!!!!!!!」





死神は大きな咆哮を轟かせ、西の方向で芳香剤を焚いた後、その場で放置されていたペ●スノートを奪い取り、口に近づけた。




「え、何?それ食べる気なの?別にいいけど。ずいぶんと上品で奇怪な食事生活を送ってるのね。あ、それともSEKAI N● OWARIのマネかな?でもあれボイスレコーダーじゃなくてトランシーバーみたいな奴でっせ?」





まだまだ煽り続ける虹空。いい加減止めてやれ。そしてその箇所を伏字にしても、さほど意味がない。





「オレをバカにするだぁッーーーーーーーー!!!!!!!!!」






死神は、怒っていた。迫りくる煽りと精神面に対しての波状攻撃に、いままで人生の中でも滅多にない、並々ならぬ、本当に大きな怒りに死神の頭は支配されていた。殺気に満ちた死神に、剣だけでなく、虹空にも緊張が走った。






「そのペ●スノートで、どうする気なんですか・・・・?」





剣は恐る恐る死神に聞いた。






「これにおめェらの名前を吹き込んで・・・・おめェらのペ●スをでっかくしてやる!!!!!!」






剣と虹空の間に、大きな衝撃が走った。プライドや精神をズタズタにされた今、もはや死神は失う物など何もない、狂気に満ちた遂行者サイコ・キラーと化していた。




「馬鹿なっ・・・・!無駄なマネはよせ!そんなことすると、お前、死ぬぞ!」




虹空もこればかりは焦っているみたいだ。でも、死神がペ●スノート使っても、何も問題なくね?別に寿命に差し掛かろうとした相手を救うために原因となる相手を殺すって訳でもあるまいし。・・・・あ、これはあくまでも喩えだよ。喩え話。決して実例があったからとかそういう訳ではないからね。ていうか、ペ●スノートはそもそも人を殺すことはできないからね。






「うるせェ!!!ペ●スノートでおめェらに呪いをかけてッ、んでっ、オレも死ぬッ!!!!!」




ん、やっぱり死神がペ●スノート使うと死ぬのかな?まぁその話はおいておくとして、さすがに剣も自分のペ●スが大きくなることは避けたかった。




「いや、あの、やめましょうよ・・・・。たぶん良いこと起きないですよ・・・・。」




とりあえず優しく諭してみたが、死神には何の効果もなかった。






「うるせェ!!!オレは生前も死神になった後も良いことなんか何一つ起こりやしなかった!!!!!生まれたばかりの赤ん坊だったってのに桃に入れられて川に流されてよォ!!!でオレのこと拾ったゲイカップルから空手チョップくらって脳挫傷ていうクッッソだっせぇ原因で死んでよォ!!!そのあとに『ほもたろう』って墓に書かれたせいで死神に転生した後のオレの名前しばらく『ほもたろう』だったんだぞ??!?!?!ふっざっけんなよォ!!!!!どんだけ色んな神たちにバカにされたと思ってんだよォ!!!!!!!!オレだってリ●ークとかレ●とかかっけぇ名前で転生したかったぞクソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」




冷静さを失ったついでに、さりげなく色々なことをカミングアウトしている死神。勿論、虹空は聞き逃さなかった。






「こんだけ『ほもたろう』のお話とリンクしてるってことは・・・・やっぱあなた"ほもたろう"本人じゃん!ヤベェ!ものまね歌合戦でよもやの御本人登場で感激な気分みたいだよ!!」





こんな切羽詰まった(?)状況でも煽り続けるスタンスを貫く虹空。お前ちょっとだまれ。






「ぬっせぇ!!!!!!もうおめェらの煽りを受けるのはまっぴらなんだよォォォォ!!!!!!」





いや、あの僕は決して貴方のことを煽ってなんかいないんですが・・・・と剣は言おうとしたが、怒り狂っている相手に何を言っても、焼き石に水を灌ぐのと同じ。いや、最悪の場合は火に油を注ぐことになるかもしれないので、そっと心の内に留めておくことにした。






「今からおめェらの名前をこのペ●スノートに・・・・!!!」






と、死神が行動を移そうとしたその時である。






「こらーっ!」




何か小さな物体が死神の頭まで跳ね上がり、おもちゃのハンマーらしきモノで頭をPON☆したのである。






「オゥアィエェェ!?!?!?!?!?」




死神は膝をつき、おもちゃのハンマーでたたかれた頭を抱え、疼き声を上げた。あのおもちゃで叩かれてもそこまで痛いとは思えないのだが。






そして、死神が床をゴロゴロしながら痛みに絶句しているときに、ついに死神の頭の叩いた小さい物体の正体が露わになった。何だろう、なんか体中、というか全身がモジャモジャに覆われている。なんかモフモフしてそう。冬場にモフモフしたら何とも良さげな体をしておる。しかもサイズも程よく小さいし。身長に換算するとだいたい40cmくらいだろうか。ともあれ、寒い時にはアレを抱いてぬくぬくとしてたいなぁ。




おもちゃのハンマーを片手に持った全身モフモフな小さな物体は、こう言った。






「死神が勝手に疫病神の道具を使っちゃいけないんだぞー!」




死神は頭を抱えながら、その小さなモフモフBOYに視線を移した。




「ぅぅ・・・・ご、ごめんよぅ。ヌーク・・・・・。」




どうやらこのチビもふもふちゃんは"ヌーク"という名前であるみたいだ。はたして、この"ヌーク"と呼ばれるもふもふっ子ちゃんは何者なのか?そして、死神と"ヌーク"に一体何の関係があるのか!?






#






一方同じ頃、三日月の夜空の下で、既に入口を閉めた郵便局の壁に、一人の奇妙な女性が項垂れていた。






「める・・・・める・・・・・めるめるめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」




謎の鳴き声を上げながら、この異常女は壁にへばりついたままでいた。



今宵はどこか、CrazySadisticMoonlightFakeShow????

















……意味わかんないすよね。



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