ロリータ
ロリータ
ロリコンという語源を生み出した小説。ロリータ。作者はウラジーミル・ナボコフ。名前からロシア人であることが分かるが、この人がかなり頭のいい人の用で、色んな言語を習得している。そして、ロリータは英語で書かれた。
なるべくこの小説に際してはネタバレを含みたくはないので簡潔に書くが、これは単なる幼児性愛者の物語ではない。こういうのはワイルドの仕事であるような気がする。最後まで読んだ人にはこの小説が何のジャンルであるのかよく分かったり分からなかったりだろう。かく言う私もこの小説を読むにはまだ早すぎたという実感がある。きっと死ぬ間際くらいに読むと面白いのだろう。死ぬ間際なんかに死ぬ間際の人間の心情の書かれた小説など読みたくはないだろう。それよりは若かりし頃の幻影を追いかける方が面白いに違いない。結局私が感じた感想はというと、消化不良という気がする。なんだか、別の国の伝統料理を食べさせられて、これはとっても歴史があってね、とか、この素材はどこどこ湾で捕れたなになにでね、とか、そんな説明を散々されて、意外と普通な料理を食べさせられた感じがする。これが現地の人や味の分かる人にはとっても凄かったりするのだろうな、とは思うけど、まだ私には早かったのだろう。また、よい勉強をしたのだと思った。