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どうやら一軒家(笑)を出発するらしい

 食事を終えたドグマとアリスは家の外に出た。やはりどこから見てもただの一軒家だ。家の名前はなんだったか。確かドランザムという名前だったはずだ。ただの一軒家過ぎて忘れていた。家具は特殊過ぎるが。小鳥はどこにも見当たらない。


「待たせたな、カタトロフ」


「ヴォルッフォ」


 鳴き声をここまでリアルにする必要はあるのだろうか。一晩中主を待ち続けていたカタトロフがドグマにすり寄る。外見は猛獣と言って差し支えない巨馬が外見は魔王の風貌である男にすり寄る光景。言ってみたものの全く違和感が無かった。


「むー、カタトロフばっかりずるいー!」


 そこに天使が舞い降りる。カタトロフからドグマを奪い取るように、いつの間にかカタトロフの名前を覚えたアリスがドグマに抱きつく。途端に生まれる違和感。この場合、カタトロフが違和感として真っ先に排除されるべきである。

 ドグマ、二人に好かれて幸せ者である。一人はドグマが作り出した命で、もう一人は子供だが。そもそも紳士(ロリコン)に年齢の下限は関係なかったが。


「ヴォルル……」


 カタトロフが悲しそうな目でドグマを見つめる。ドグマが作ったのだから人並みの知性と知能はきっとあるのだろう。天使(アリス)がいる手前、ドグマを奪うわけにはいかない。動物ではあるが、懸命な判断である。天使(アリス)の邪魔をしてはならない。盟約である。


「……アリス、カタトロフに乗るぞ」


「うん!」


 二方向から求められて戸惑っていたドグマ。素早く出発してしまうことにしたようだ。面倒事は避けて早くカタトロフの上でアリスをガン見することにしたとも言う。

 カタトロフが(かが)み、ドグマがマントを翻して颯爽と跨がる。ドグマが腕を伸ばし、その腕を掴んでアリスがカタトロフによじ登る。相変わらず鉄壁のスカートである。今日は上下一体のワンピースだが。


「休め、ドランザム」


 ズズズズと音を立てて一軒家(ドランザム)が地面に沈み始める。ズズズではない。ズズズズである。どうでもよい。


「お家、無くなっちゃうの?」


 アリスが不安そうに尋ねる。上目遣いだ。目が潤んでいる。破壊力抜群である。紳士(ロリコン)でなくとも動揺してしまうだろう。犯罪者(ロリコン)なら襲う。


「否。ドランザムは一時(ひととき)の休息をするだけだ。功労者は労うのが平世の常であろう」


 ドランザムもカタトロフと同じく生命体なのだろうか。休息の必要性を感じない。あとドグマがホワイト思考である。服装はブラックなのに。平世が平和な世の中の略ならあまり労われないのが常だろうに。日本に限るだろうが。


「うーん、よくわかんない」


 当然だ。アリスは一軒家を一軒家(ドランザム)と認識していない。返答になっていない。アリスにとってドランザムは豪華な一軒家でしかないのだ。


「何度でもあの家で安らぎを得られるということだ」


「そうなんだ!よかったぁ」


 ドグマがアリスにも解るように説明し終えた頃には、ドランザムは完全に地面に沈んで跡形も無くなった。いや、強いて言うなら草原のど真ん中なのに草が生えていない。綺麗な土が広がっている。


「では行こう。カタトロフ!」


「ヴォルッフ!」


 ドグマに応え、カタトロフが走り出す。アリスは風が気持ち良さそうに目を細め、ドグマはアリスをガン見する。

 ドグマの異世界生活二日目。何が待ち受けているのだろうか。何があってもことごとく打ち砕きそうなものだが。

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