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どうやら食事をするだけらしい

「わあ、まぶしー!」


 アリスが、くるくる回りながら天井の電球を見上げた。足踏みするように動かしている素足が、フローリングの床と擦れキュッキュと音を立てている。裸足だ。特別な意味は無い。


「あまり騒ぐな。転んでも知らぬぞ」


「はーい」


 ドグマは突き当たりのドアを開けながら、トテトテと動き回るアリスに言った。アリスは無邪気に答える。笑顔が眩しい。アリスの笑顔がドグマの脳内メモリーに記録された。


「さて、食事にしようか」


 咳払いをし、ドアの先へ足を進める。そこはキッチンのあるリビングだった。ドグマは、当たり前のようにキッチンにある冷蔵庫を開けた。後ろからアリスが興味深々といった様子で覗き込んでいる。


「それなあに?」


「冷蔵庫だ」


 アリスの質問に答えながら、ドグマは冷蔵庫から皿に盛られたハンバーグとサラダと米と味噌汁を取り出した。味噌汁からは湯気が立っている。ホカホカである。謎の冷蔵庫だ。冷やしていない。


「そこに座れ」


 ドグマがリビングにある丸テーブルに備え付けられたイスを見ながら言うと、アリスがタタタッと歩いてイスに座り、ドグマをニコニコと見つめる。従順な子犬のようだ。有無を言わさずにかわいい。ドグマの脳内メモリーにムービーで保存された。


 ドグマは冷蔵庫から取り出した食事を、そのまま丸テーブルに2セット置いた。レンジ要らずの便利な冷蔵庫だ。なぜか箸とフォークもついている。この冷蔵庫が兵器を出したとしても誰も驚かない。

 ドグマはそのままアリスの対面のイスに座った。


「命に感謝を捧ぐ」


 ドグマ流の頂きますだろう。意味は同じだ。


「いただきます!」


 アリスが命に感謝を捧いだ。この世界では頂きますが食事の挨拶らしい。日本と同じだ。ドグマだけ違う。


「このハンバーグすっごくおいしい!」


 この世界にもハンバーグはあるらしい。冷蔵庫の生み出したハンバーグはこの世界のハンバーグを越えたようだ。アリスの評価では。


「このやさいもシャキシャキでおいしー!」


 どうやらサラダは温かくはないらしい。冷蔵庫は物によって温度を変えられるようだ。溶岩と液体窒素が同時に出てきたとしても驚かない。


 そうして、アリスとドグマの穏やかな食事風景が過ぎていった。ドグマは仰々しい鎧のままだが。

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