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異世界転移!世界を救う伝説の大魔法〜 SEIDENKI 〜  作者: EVE
第一章 異世界の勇者と伝説の大魔法
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異世界転移! 俺は伝説の勇者!

シリアスな話以外も書いてみたくて初めてみました!

軽く読めるモノになるはずです!

 やぁ! 俺の名前は山本和磨(やまもとかずま)! しがない男性看護師26歳さ!

 男なのに何で看護師になったんだって?其れはこの不景気な時代に安定したお給金を頂くためさ! 決まってるじゃないか!

 しかし世は無情!看護師の3k《きつい・汚い・危険》とはよく言ったもんだ、いやいや、最近は9kらしいぞ! 上手くいかない世知辛い世の中みたいだ! さて、何故こんなアメコミが実写化したみたいな冒頭自己紹介をしてるかっていうと……


「意味不明な穴に吸い込まれそうになってるからだよよょょよう!!!」


 はっ!思わず声に出してしまったぜ!でも……


「これはヤバイ! ヤバイ! ヤバイ!!! なんでこんな某アミノ酸飲料水飲んだみたいな格好で耐えなあかんねん!」


 落ち着け! 俺! つい関西弁なってしもたやないか。なんでこんな目に遭うてしもたんや。涙ちょちょぎれるでホンマ。





 〜時は遡り2時間前〜



「さて、今日も働いたぜ〜」


 今日の疲れを吹き飛ばすように俺は精一杯大きく伸びをした。今日は新患もOPも無かったし、比較的暇だったなぁ。


「お、そこにいるのは和磨くん。今日も暇そうだったね!」


 俺の名前を呼ぶ方へと視線を向けると、其処には見慣れた同期の姿があった。


「あぁ、彩花(あやか)か」


「あぁ、彩花か。じゃないでしょ! もうちょいシャキっとしなさい!」


 彩花は俺に向けて鋭く指をさして言う。風に揺れる長い髪から、女の子特有の甘い匂いがして、少しドキりとする。


「彩花、また髪伸びただろ? やっぱ身長の分全部持ってかれてんじゃね?」


 思わずそうカラかってしまう。女の子にドキドキしてからかうとか、俺は中坊かよ……。そう自分自身に突っ込みをいれていると、彩花が頬を膨らませて抗議してくる。


「むぅ。煩いなぁ! 髪に成長は影響されません!和磨くんはどうしてそう考えたの!? 根拠は?ほら、エ!ビ!デ!ン!ス!」


「うぉ! 悪かった! 悪かったって! 謝るから突くのは止めっ」


 相変わらず身長の事をいうと怖ぇえ……


 心のなかでそう考えながら、自分よりも20cm

 は小さい身体を見下ろす。


「ごめん、ごめん。身長14さ「ま、だ、い、う?」


「す、すいませんでした!」



 生涯この事を語り継ぐとしたら言えることは唯ひとつ……




 ……そこには“鬼”がいた!!!



「っと其れは置いといて」


「どれよ!」


 俺の言葉に間一髪突っ込みを入れる彩花を華麗にスルーする。律儀な奴め。



「はぁ、もういいわ。和磨くん、この後は空いてる?」


 な!この後の予定だと……! つまりこれは


「つまりこれはデートのお誘いよ!」


「心を読むな! エスパーかよ!!」


 俺の心を寸分違わず言い当てた彩花は、右目に人差し指を当てて、悪戯に舌を出した。


「そんな顔してたら誰でも分かるわよ」


 そんな分かりやすいかな俺。なんか意味もなく自信無くすわ。


「それで?」


「モチ! 空いてます!」


 彩花の問いに、心でお暇なアフター5とはお別れ告げて、敬礼を交え即答する。


「それじゃあ決まりね。1時間後、駅の前で待ち合わせね!」


 彩花は俺の答えに満足げに言う。1時間後……今からじゃねぇのか。


「女の子には、色々と準備があるのよ!」


「だから、心を読むんじゃねぇ!」


 腕をクロスさせて、彩花との間に壁を作る。


「あははは、読まれる和磨くんが悪いのよ!」


 それじゃあね、と言う言葉とともに彩花は家へと向かっていった。





「そんでほんで、俺も家に戻って、今から駅に行く途中だったよなぁぁあああ!!!! 考えてみたけど、なんでこんな事になってんのおぉぉお!!」


 漫画の主人公とか、映画の主人公とか、こんな回想でなんか糸口掴んだりするじゃん! いいじゃんそれで! なんも無いって無情だぜ! 人生!


「俺のデートぉぉおおおぉぉぉ!!!!!」



 嫌すぎる最後の言葉を残して、俺は穴へと吸い込まれていった。





 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼




「うわっと!!!」


 布団を払いのけて俺は飛び起きた。はぁ、嫌な夢見たぜ、なんだよ最後のあの言葉。俺のデートぉぉおおおぉぉぉ!!!!!ってそんな断末魔嫌すぎるぜ。


「っと。そんなことしてる場合じゃねぇ! 今何時だ! 彩花との待ち合わせに遅れる!!」


 時計、時計は何処だっと……?


「……ここ、何処だ?」


 えっと。今俺はいつの間にか寝落ちして、起きたところだよな。んー、はて、何故見覚えの無い場所にいる?よく辺りを見渡すと、見覚えのない程の広い部屋に、高そうな家具が気品を漂わせて配置されている。


「すげぇ……、こんなの海外ドラマでしか見たことないぜ」


 そんな言葉が口から零れるくらい、お高そうな家具や装飾品で飾られた部屋だった。まるで何処かのお城に迷い込んだようだ。自分が今まで寝ていたベッドも途轍もなく大きい。これ、キングサイズ?いや、下手すりゃもっと大きいかも。


 余りに豪勢な部屋に見とれていると、部屋にノックの音が飛び込んできた。


「失礼致します。お声が聞こえて来ましたので、起きられたかと思い、様子を見に参りました」


 か、可愛いーーー!!!


 ノックとともに部屋に入ってきたのはそれこそ人形と見間違うかの様な女の子だった。


 うおぉ!テンション上がるなー!女優さんかな?


「初めまして勇者さま。私はグランドキングダム第13代目王妃、セシリア・S・キングダムです。どうかこの世界をお救いくださいませ」



 ん?まだ寝ぼけてるみたいだな。


「っ痛!」


 思わず力一杯頬を摘み、余りの痛さに涙がほろり。


「うふふ。面白い勇者さまですね。これは夢ではありません、この世界に危機が訪れているのです」


 あ、笑う姿も可愛いな。


 俺は暫く現実から逃げ出した!しかし回り込まれた!



「なるほど、つまりこの世界を滅ぼそうとしている魔王を斃せるのは異世界の勇者だけ、と云うことですか」


 セシリア姫から教えられた情報を掻い摘んで言葉にする。


「はい、その通りです。魔王、エンド オブ ザ ワールドは今も魔の手を伸ばしております。それに対抗出来るのは異世界の勇者、カズマ様だけです。どうかこの世界をお救いください」


 うーん、話は分かった。アレだ、RPGで良くある話だ。魔王セ○オワを斃せと。


 無理だな。よし、家に「魔王を斃すまでは帰れません」


 でも、アレだ、この世界の賢者とやらに頼めば家に「魔王を斃すまでは帰還の魔法は封じられています」


 よ、よし、それじゃあ誰かが代わりにセカ○ワを斃してくれるのを「セカオ○とは存じあげませんが、魔王を斃せるのは異世界の勇者の伝説の大魔法だけと、伝えられてます」


「こ、心を読むのを止めてください」


 な、なんだ、エスパーって常備が普通なのか? そうなのか? そうなんだきっと!


「うふふ、読まれる和磨様が悪いんですわ」


 何処かで聞いたことあるぜ、そのセリフ。

 心に軽いダメージを負いながら、逃げ場が無いことを悟る。


「よっしゃ! やってやろうじゃないか! ○カオワを斃してコンプリートミッション! 漢和磨、俺は殺る!」


 そう宣言した途端、セシリア姫の表情が明るい笑顔の華が咲いた。くぅぅ〜美人は罪だ! 大罪だ! それだけで赦される気がする!



「っと、感動してる場合じゃない。聞きたいことがあるんだけど」


「はい、なんでも仰ってください」


 俺の問いかけに、セシリア姫はニコニコという表現がぴったりの表情で応える。


 ほら、その笑顔も素敵だけど、RPGの醍醐味と云えばあれでしょ! 現実の数々の若者を厨二病という病に陥れた……


「異世界の勇者だけが使える伝説の大魔法! この世界では魔法が使えるって事だよな!」


 それだけでワクワクが止まらなくて胸がパチパチするぜ!


「はい。魔王を斃す事が出来るのは、異世界の勇者だけが使える伝説の大魔法、雷電を操る聖電氣(せいでんき)だけと云われています」


 うおー! 来ました、勇者と言えば電撃魔法だよね! 穴の底の魔王だってサクッとやっちゃうぜ!


 よし決めた! ささっと魔王を斃して、元の世界に帰る!


 そして俺は彩花とデートする!!!


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