夏色*.・第6章・.*
数日が過ぎ、和也のお葬式も終わり、
いつのまにか9月になっていた。
夏休みも終わったが、まだ暑い日が続いていた。
周りはもう和也が亡くなったことに対して落ち着いたようであったが
私の心はまだ落ち着かなかった。
和也の母親も同じようだ。
あれから和也の家の近所では和也の母親が見られなくなってしまったらしい。
大丈夫か・・・・?と思い、私は和也の家に電話をした。
<ぷるるるるるるる・・・・>
<ぷるるるるるるる・・・・>
<現在、留守にしております。御用のかたは・・・>
出ない・・・・
どうして・・・・?
でかけたとは考えられない・・・
もしかして・・・・・・
私の頭には恐ろしい考えが広がっていた。
『でも・・・・電話を取らなかっただけかもしれないし・・・・・』
とにかく私は和也の家に行ってみた。
インターフォンをならしてもなにもなかった。
私は和也の家にはいることにした。
しかし私は和也の家の前でドアにてをかけ、いったんとまった。
いつもならここに手をかけて、少しドアから顔をのぞかせると
ばたばたと上の階から和也がやってくる・・・・・でも・・・・和也は・・・・
また涙が出てくる。
でも、今は・・・・
私はぎゅっと目をつむり、ドアをひいた。
この家が変だということはすぐに気付いた。
やっぱり私が思ったとおりなんだ・・・・
和也の家全体を包む臭い・・・・ガス・・・・?
ガスだ。むせるようなガスの臭いが立ち込めている。
すぐに台所に向かうと和也の母親が倒れていた。
『ちょ・・・!おばさん!!!』
私が近寄るとぐったりした様子でかすかに目をあけた。
まだ生きてる・・・
とりあえず窓を開け、ガスの元栓をしめた。
よかった・・・・と、
床に座り込んだ瞬間だった。
目の前が急に真黒になり、あとはなにもわからない。
気づくと病院のベットで寝かされていた。