夏色*.・第5章・.*
私はふらふらと廊下に出ると椅子に座っている和也の母親の隣に腰かけた。
『成美ちゃん・・・・ごめんね・・・』
和也の母親はやつれた顔で私に声をかけた。
『どうして・・・・謝るんですか・・・・』
私はうつむきながら静かに答えた。
『あの子ね、私が実家に戻るから旅行に行かないって言ったら
<俺に行くの変わってよ、成美と連絡もとりたいし>って・・・・・』
『・・・・・・・・』
『でもね、お父さんと二人で旅行なんて恥ずかしいし、
和也が心配だからって・・・・旅行に行かせた・・・・・・・・・』
和也のお母さんは再び涙をながした。
『和也に任せておけば・・・和也は死なずにすんだのに・・・・
私はお父さんと離れずにいれたのにぃ・・・・』
・・・・・・・ダメだ・・・・・
なにも考えられない・・・・
だって・・・2週間前までそばにいて・・・・
私は首元のネックレスを見た。
『・・・・これくれたの・・・つい最近じゃん・・・
なんで・・・・私のことおいて逝くの・・・・』
<んなしょんぼりするなって、ただの旅行だぜー?しかも2週間!>
和也の声がこびりついている。
2週間じゃないじゃん・・・・一生会えないじゃん・・・・
なんで・・・なんで和也が・・・・
許さない・・・・・
私は再び和也のいる病室に行った。
『和也・・・和也は何も悪くないのにね。』
私は和也の手をとった。
『こんなに冷たくなっちゃって・・・』
また、涙が出てくる。
『な・・・んで・・・あたしの和也・・・返して・・・』
私は犯人をこの手で殺してやりたいと思った。
『でも・・・犯人まで死んじゃったんだよ・・・・・
ごめんね和也・・・・あたし、何にもしてあげれないよ・・・・・』
ごめんね和也・・・
ごめんね・・・・