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夏色  作者: 砂沙
4/9

夏色*.・第4章・.*

*.・第4章・.*

嘘だ・・・よね?

でも・・・・和也の母親が泣いてる・・・

うそじゃない・・・

うそじゃないんだ・・・

[グスッ・・・じゃあ・・・また、葬儀の連絡とかするわね。]

『和也の遺体は・・・』

[見つかったみたい・・・今から病院に行って会ってくるわ・・・]

『私も・・・私も行っていいですか?』

[・・・・]

和也の母親は少し黙っていた。

[そうね・・・成美ちゃんには来て欲しいわ・・・]

『はい。』

[じゃあ、T病院にいるから、成美ちゃん来て頂戴・・・]

『はい。』

私はすぐに家をとび出した。



病院に着くと、和也の母親がいた。

涙の後が、くっきりとみえる。

『和也は・・・』

『この部屋よ・・・』

それだけ言うと和也の母親は廊下の椅子に座り込み、また泣いた。


薄暗い部屋に入ると、手前のベットに和也がいた。あまり外傷はないが目を閉じて動かない。

『・・・か・・・ずや・・・?』

私は言葉を失うと同時に涙がこみ上げてきた。

手を触っても、冷たい。

『なんで・・・・いっつも温かかった・・・じゃん・・・』

『目、開けてよ・・・』

『なんで・・・ハイジャックなんかに巻き込まれるの・・・』

何を言っても返事がない。


“嘘だよ”って・・・起きてくれないの・・・?

“何成美、騙されてんの?”って、起きて笑ってよ・・・・

『ねぇ・・・・!』


私は和也を揺さぶった。

『なんで・・・・っ   なんで笑ってくれないのよぉ!!!』

私はその場で泣き崩れ、しゃがみこんだ。



なんで・・・・一人の馬鹿な人間のために・・・

和也が犠牲にならなきゃいけないの・・・・・


いつもの事故のニュースが、こんなに悲しいものだとは知らなかった。

これから秋になって、冬になって・・・


私の手はどんどん冷たくなる。




これから誰に温かさをもとめればいいの・・・・

私はこれからどうすればいいのよ・・・・


『目ぇ開けてよぉ!!!!!和也!!!!!』

私はまた泣き叫んだ。

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