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夏色  作者: 砂沙
3/9

夏色*.・第3章・.*

*.・第3章・.*

和也が旅行に行って私は暇な日々を送っていた。

友達とのショッピングやプールなども楽しいが、なにより和也に側にいてほしかった。

和也が帰る予定の3日前。

『暇だ・・・』

アイスクリーム店で私がこぼした言葉。

友達*.町田(マチダ)杏奈(アンナ).*はアイスをなめながらクスクスと笑った。

『私と遊んでるのに、暇とはずいぶん失礼ねー!』

『すいませーん』

私はやる気の無い返事をしながらアイスクリームをなめる。

『でも和也君、あと3日で帰ってくるじゃん』

『そうだけどー・・・』

ちらっとアイスクリーム店の窓を見ると飛行機が飛んでいる。

『2週間って長いねー』

私はのったりとした声で言う。



待ちに待った和也が帰ってくる日。

私は興奮で早くに目が覚め、携帯をにぎりしめた。

帰ってきたらメールをくれるにちがいない。

早く帰ってこないかなー・・・

しかし、和也からのメールは届くことのないまま朝が過ぎ、昼が過ぎ、

夜になる・・・・

『・・・・・あれ?』

私は和也の携帯に電話をした。

[プルルルルルル・・・]

[プルルルルルル・・・]

[ガチャッ]

『あ!和也!』

[おかけになった電話は、現在電波の届かないところにあるか・・・]

『・・・・帰ってないのか・・・・』

まだ飛行機かな?

その時は思っていた。




次の日。

やっぱり和也から連絡が来ない。

夜になっても・・・・そして電話は



繋がらない―・・・・



家の電話にかけても、誰も出ないのだった・・・


と、その時。

<プルルルルルルル・・・・>

家の電話がなった。

私はどきっとし、受話器を耳につけた。

『もしもし・・・』

[あっ!もしもし?]

杏奈からだった。

『杏奈・・・?どうしたの?』

[テレビ・・・見て。ニュース・・・]

『え・・・?』

[じゃぁね・・・]

『え?!ちょっ・・・杏奈ッ!』

[プッ・・・ツー・・ツー・・・]


私は不思議に思い、テレビのリモコンに手を伸ばした。

テレビで私が見たものは、信じられない光景―・・・


<昨夜、オーストラリア行きの飛行機でハイジャックが―・・・>

・・・ハイジャック・・・?


<ハイジャックの起きた飛行機は犯人が操縦したまま墜落。

犯人を含め乗客全員が死亡したもようです―・・・>


・・・・違う・・・よね・・・

<プルルルルルルルルル・・・>

また電話がなった。

『はい・・・』

[成美ちゃん?!]

和也のお母さんだ・・・お母さんがいるなら和也も無事だ・・・よかった・・・


『どうしたんですか?』

[飛行機のニュース見た?!]

『はい。今見てました。』

[・・・・・・グスッ・・・]

泣いている様子だった。

『あの・・・?和也は・・・?』

[和也はね・・・あの飛行機の中に・・・]

『え?!』

[さっき警察の方から連絡があったの・・・

私、母親が病気で実家に帰ってたから旅行には行かなかったんだけど・・・]

『え・・・』


[ごめんね・・・成美ちゃん・・・ごめんね・・・]

私は何が起きているのかがわからなかった。

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