夏色*.・第2章・.*
*.・第2章・.*
終業式。
明日から夏休みだ。
『夏だねー』
『そうだなー』
相変わらず私と和也はほのぼのライフを満喫している。
『和也ー』
『んー?』
『今度プールいこっか』
『俺明日から旅行だぜー』
『え?!』
私はくるっと和也の方を向いた。
『何処に??』
『海外。2週間』
『うっそぉ・・・』
少しがっかりだった。2週間も同じ空気すらすえない・・・
寂しそうにしている私に気づいた和也は私の肩を抱いた。
『旅行終わったら毎日会おうぜ。成美とも旅行行きたいなぁ・・・』
『・・・じゃぁ何処行きたいか考えとく。。。』
『そうしてっ』
和也は私の頭をくしゃくしゃとなでた。
『んじゃ、帰るか。』
和也は私の手をにぎり歩きだした。
分かれ道。
『・・・・・』
『どぉしたんだよ?』
『明日だよね・・・』
『まーだ言ってんのかよ!ただの旅行だぜー!しかも2週間だけ!』
『でも寂しいもん。』
駄々をこねだす私の頬に和也が突然キスをした。
『!!!!!』
『ただの旅行だって!土産買ってくるからよ!』
『―っ!びっくりするじゃんか!』
『ははっ!まぁまた出発する時電話する!』
『早く帰ってきてねー!!』
『おう!!何処行きたいか考えとけよー!』
和也は大きく手をふって去って行った。
和也が見えなくなったので私も家に入った。
次の日。
朝早くから和也から電話があった。
『ふぁーい。。。。』
[あっ!成美!おはよ!]
『和也ぁ・・・?今何処?』
[空港!]
『空港?!』
その言葉に一瞬で目が覚めた。
『まだかけてて大丈夫なの・・?』
[すぐ切らないといけないけど、成美の声聞きたくて。]
『・・・・うれしい。』
[そりゃよかった!っと・・・]
『?』
[もう切るわ!]
『早っ・・・・うん・・・』
[んなしょんぼりするなって!!]
『うん・・・』
[じゃぁな]
『ばいばい・・・』
[プッ・・・ツー・・・ツー・・]
『2週間かー・・・』
私はため息まじりにそういうとカーテンを開けた。
飛行機雲が見える。
『まだ出発してないだろーなー』
私はぼんやりとそんなことを考えた。
今思えば、もっと、真剣に和也の声を聞くんだった。
なにかあるかもって、感じるんだった。
和也の旅行の前日、ずっと抱きしめておけばよかった・・・