表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/101

七十五皿目、 ――『    』 4



取り戻しに来たはいいが、直接行っても埒が明かないから、赤の他人に盗ませようとしたと。

ついでに子竜の餌にすれば一石二鳥で万々歳と。


ふざけやがって。

随分な手の懲りようじゃあないか。


「警察にでも行きやがれ、そういうのは」

「無駄でス。竜、この世界にイナイ。いないもの盗めなイ」


確かに、俺が警官でも竜の卵を盗まれたなんて言われたら、笑い飛ばすかからかうなと怒ることだろう。


「で、それを証明するものは?」

「証明?」

「当たり前だろ!

 お前の話なんか、『はい、そうですか』と信じられるか!」

「酷イ!こんなに真摯に話しテいるのに!」

「どの口が言うか、詐欺野郎!」


第一、信じたところで、そもそも何故こいつが竜の卵を持っていたのかの説明にはならない。

大方こいつもどこかから盗んできたんじゃないのか、という俺の疑念は責められるものじゃないと思う。


「どうせ取り返すって話も嘘なんだろ。

 お前の方が盗人じゃないって根拠は無いじゃないか」

「この子達は、私ノです!!」


狐目が、急に強い口調で叫んだ。

顔色が青ざめて、握り締めた手が震えている。


「あの卵は、この子達は、私の子デス!

 私の大事ナ!ずっト心配して!本当に大切ナ!!」

「分かった!分かったからちょっと落ち着け!」


頭に血を上らせて怒鳴る狐目に、慌てて水を飲ませる。

コップの中身を一息で飲み干し、二度深呼吸して、ようやく狐目は人心地ついた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ