五十九皿目、 ――そして再会 6
鹿島の関節技から開放された俺は、すかさず奥の部屋へと飛び込んだ。
ベランダに繋がるガラス戸を開け、外へと転がり出る。
スリッパしか履いてないけど、この際仕方がない。
柵を乗り越え、生垣の上に飛び降りた。
ばきばきと枝を折りながら着地。大家さん、ごめん!
あちこち痛いけど、怪我はないだろう、多分。
同時に二匹も、窓から飛び出て屋根の上へと逃げる。
「あ、コラ!」
鹿島が追いかけて来た。
だが、ベランダから身を乗り出した頃には、俺はもう起き上がって走り出すところだった。
「表に回れ!」
白衣の連中に怒鳴りながら、鹿島自身もうちのベランダから飛び降りる。
おいおい!いくら土の上だからって、受身とって着地とかどんだけ?!
アパートの表へ出れば、白衣達が階段を駆け下りてくるところだった。
飛び掛られる。上着を掴まれる。まともに転ぶ。
痛え。
「キィッ!」
鋭い声を上げて、クロウが滑空する。
もう一人の白衣が、馬鹿デカい盾を構えた。
ギャリッ!と耳障りな音がする。
なんかドラマとかで見るような、警察の機動隊が持つようなごつい盾に、
三本の大きな亀裂が走っていた。
クロウの爪が引き裂いたのだ。
「うわわ!」
こんなものを生身で食らっては堪ったものではない。
逃げようとした白衣の斜め後ろから、急旋回してきたクロウが体当たり。
バキン!と盾が割れる音がした。
竜は、割と容赦ないです(笑




