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三十四皿目、 ――舞台袖或いは物語のB面 7


“木漏れ日の小道”と名付けられた石敷きの歩道の先に、小さな広場がある。

辺りを木々で囲まれた中に、ベンチと花壇があるだけの円形の空間だ。

そこに誰かが座っていた。

それは、鹿島に気付くと首を傾げるようにこちらを窺った。


細面の顔の中で、切れ長の吊り目が訝しげに鹿島を見る。

スーツ姿で、背は高かった。

黒髪をオールバックに撫でつけ、きちっとネクタイを締めているが、サボりの会社員という雰囲気ではない。


狐という表現が脳裏に浮かんで、すぐに卵泥棒の語った盗みの依頼人の話を思い出した。


「何か用ですカ?」


あちらの方から問うて来た。

“日本語が片言”、完璧だ。

鹿島は確信した。こいつが卵泥棒の主犯だと。

それはつまり、鹿島と同じく竜を捕まえに来たのだということだ。


(……いや、それなら卵を盗んだ彼から直接引き取ればいい。

 そうできない理由があるのか?例えば、依頼のことで揉めたとか?)


そんなことは考えたところで分かりようもない話だ。

鹿島は狐目に尋ねる。


「お前は何者だ?“信奉者”か?」


フッと狐目は薄い唇を吊り上げて笑った。


「教えル義理は無イ」


すっ、と音も無く立ち上がる。鹿島に向かって数歩近付く。


「寄るな。こっちには奥の手があるぞ」

「面白イ、見せてみるガイイ」




見慣れない単語には、後ほど解説が入ります。

ここではとりあえず流しておいて頂ければ結構です。

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