二十八皿目、 ――舞台袖或いは物語のB面 1
――例えば竜がいるとして、どうやってそれを探すんです?
――簡単なことだよ。竜の存在する場所は因果律が歪んでいる。
時間や空間が、僕達のよく知っている法則を取れなくなっているのさ。
――つまり?
――つまり、竜とはこの世界の法則に従わない巨大なエネルギー。
コレを使えば見つけ出すことができる。
――それは何です?
――針だよ。見て分かるだろう?但し純金製。
――金?
――どうやら、“こちら側”の物質では金が一番“あちら側”と相性が良いみたいでね。
――“あちら側”……竜の世界?
――ご名答。その針は、一度行って戻ってきたんだ。
だからほんの少し、向こうの世界の影響を受けている。
――送ったんですか!どうやって?!
――融合炉の真ん中で……まぁそんなことは重要じゃない。
とにかくその針は、あちら側のものに反応して方向を指し示す。
感度はそれ程高くないけど、竜程の大物なら見つけ出せる筈だよ。
――それは凄い。
――ただね。
――何です?
――問題は、孵らないと使えないことなんだよねー。
卵の状態だと反応しないんだ。
――駄目じゃないですか!!




