表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/101

二十七皿目、 ――男子三日会わざれば 6



二匹にはお気に入りの場所がある。

クロウは座布団の上とテレビの上。それから俺の肩の上。

シロウは掛け布団の上と卓袱台の下。それから胡座をかいた俺の膝の上。


もう結構な大きさになった二匹は、膝や肩に乗せるにはそれなりに重い。

眠る時も、以前は二匹揃って布団越しに俺の腹の上に乗っかっていたが、

今それをやられると息苦しいを通り越して俺が窒息する。

じりじりと降りてくる石の天井に押し潰される夢を見て、飛び起きたこともある。


だから最近では、俺の両脇に二匹が丸まって寝ている。

俺の腕だったり腹だったりに、好き勝手頭を乗せて枕代わりにしながら。

寝相は……良いんだか悪いんだか。

幸い、寝ぼけて噛みつかれたことはまだないが、お行儀良く丸まってるかと思えば、だらしなく腹を見せて転がってる時もある。


夢でも見ているのか、しきりに羽を動かして尻尾を揺らしていたこともある。

竜でも夢を見るんだろうか?

見るんだろうな。

どんな夢かは、皆目見当もつかないが。


鳥ならばいずれ巣立ちの日が来る。

自分の翼で飛んで、独り立ちする日がやって来る。

竜はどうなのだろう?

いつ巣立つものなのだろう?

そもそも明確に巣立ちという習慣があるんだろうか?


どれくらい大きくなったら成人(成竜?)なのかも分からない。

というか、どれくらいまで大きくなるんだ?

キンダイチに聞いておけばよかった、とちょっとだけ思った。


多分いつまでもこいつらをここに置いておくことはできない。

隠し続けられるならともかく、見つかってニュースにでもなれば大事だ。

かといって捨てるなんて選択肢はない。

キンダイチに渡すつもりも無い。



その時が来たら、俺はどうするんだろう?

どうすべきなんだろう?

全然思いつかない。

きっと考えても仕方ない。

なるようにしかならない。



俺は、俺の枕を占領して寝入っているクロウとシロウの間に、無理矢理頭を割り込ませて横になった。

一人と二匹で、仲良く頭を並べて眠りにつく。



――そして、美味しいカレーの夢を見る。


 



次話からはやや視点を変えてお送りします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ