アーさん たんじょう!(ドラドラシリーズ14)
カタカタカタ……カタカタカタ……
ハナコさんが もうれつな いきおいで
クジラさんの からだを ぬいぬいしてる
ぼく しってるよ
ハナコさんが ふみ! ふみ! してるの
あくせるって いうんだよね
おばあちゃんと ブッブーに のったとき
うんてんしゅさんが ふみふみ していたよ
ちょっとちがうのは
ハナコさんが ふみふみすると
ぬのと ぬのが どんどんくっついて くじらさんに なっていくこと
「さあ、終盤戦よ」
ハナコさんは うでまくりして
ぺしゃんこの くじらさんのおなかに
おそらの くもみたいな しろい ふわふわ せっせと おしこんでいく
ぎゅうぎゅう ぎゅうぎゅう……
「ここはしっぽ、ここはひれね。お次は、お顔もしっかり詰めなきゃね」
ハナコさんは まるで マリちゃんのごほんにでてくる まほうつかいみたい
ううん
きっと
ハナコさんは まほうつかいなんだ!
「ほうら、出来上がり!」
ハナコさんは ぱんぱんになった くじらさんを ぬいぬいして
ぷつんと いとを きった
「ドラドラ。おともだち、誕生よ!」
おおー!
おおきな おおきな くじらさん たんじょう!
おおきくて びっくりだけど
なんだか とっても やさしい おかおだね
ふんわり ふわふわ きもちいい
おそらの くもみたいな くじらさん
ぼく すきに なっちゃったよ
それから ハナコさんは ぼくの つばさの おなおししてくれた
ハナコさんは まほうつかいだもの
どらごんの つばさなんて おてのもの
ちょちょいの ちょいさ
「うん、完成」
ハナコさんは しんちょうに ぼくを しんさつしてくれたよ
あたらしい つばさはね
くじらさんのからだと おなじくらい
がんじょうな ぬのなんだって
「よし、もう大丈夫」
うわああい
ハナコさん ありがとう!
ぼく おそら とべるかも!
ハナコさんは さっそく
ぼくと くじらさんを ブッブーにつめこんで
いざ とつげき!
いざ おにいちゃんのもとへ!
「うわあああ~! すごいすごい、ほんとうにクジラだーっ! ハナコさん、ありがとう!」
おにいちゃん おおよろこび
おにいちゃん くじらさん だっこしたまま
ごろん ごろん!
ちくわさんが ごきげんなときみたいだね
「ケンちゃん、くじらさんのお名前、何にする?」
ハナコさんの しつもんに
おにいちゃんは こたえた
「アレキサンダー! くじらの王さまだから!」
くじらさんのめが きらって ひかったよ
くふんって うれしそう
「おれ、今日からアレキサンダーとねる!」
くじらさんは ますます ふかふか ほかほかして
おにいちゃんも ごきげん
ママも ハナコさんも にこにこ
マリちゃんは くじらさんのおおきさに あんぐりと くちをあけてた
「すごい……」
ぼくと ちくわさんは
くじらさんに これから なかよくしてねって
ごあいさつしたら
【わたしのこと アーさんってよんでね】
って おへんじ もらったの
アーさん たんじょう
おともだち ふえたよ
たのしいな




