【第9項】奇跡の再会と深淵の玉座:森の主「マリモ」との感動的な再会はできるのか、魔物たちの敵意の中ストーリーは進む。
場面を、再び『霧の樹海』の続きに戻そう。
アルスは、完全武装の自警団のような武装はしていない。しかもたった一人。手ぶらで、まるで近所の公園に散歩に行くような軽装だ。
本当の解決――森の王への挨拶はこれからだ。
しかも、霧の樹海の深淵部に達している。カストンが襲われた地点よりすでに樹海の奥である。
森の奥へ進むにつれ、霧が濃くなっていく。だが、その霧は瘴気を含んだものではなく、清浄な魔力の靄に変化している。肌に触れるとひんやりとして心地よい。
ふと、霧の中から人影が現れた。
音もなく、気配もなく。それは、透き通るような白い肌と、長い耳を持つ女性だった。
エルフだ。森の管理者にして、精霊の声を聴く種族。彼女は緑色のドレスを纏い、背中には 白木 の弓を背負っている。
「……お待ちいしておりました、錬金術師殿」
エルフの女性は、鈴を転がすような美しい声で言った。
「私は『霧の守り手』の一族、シルフィと申します。……我が主より、あなた様をご案内するようにと仰せつかりました」
「主……」
アルスは胸が高鳴った。やはり、会ってくれるのか。この森を統べる王。全ての魔物を束ねる、絶対的な存在。
「案内してくれるかい?」
「はい。こちらへ」
シルフィは背を向け、霧の中へと歩き出した。アルスはその後に続く。
道なき道を進むこと 数十分。
巨大な切り株が目の前に広がっている。
シルフィが、「私が案内できるのは、ここまでです。」
そういって、幻でも見ていたかのように、消えていった。
マリモともうすぐ会える。ここは、目的の切り株が目の前に広がっている。無事ここまで辿り着いた。
アルスは、すでに目には見えないシルフィーへ「ここまで道案内をありがとう。無事ここまで魔物に襲撃されずに辿りつけた。」
改めて、周囲に無数の敵意がある意思と無数の眼を感じる。やはりここは人の立ち入りを拒んできた霧の樹海の深淵部であるのだ。
数え切れないほどの魔物たちの悍ましくこちらを伺う敵意。『アイアン・ボア』、『アシッド・ウルフ』、『ポイズン・バット』……。
果たして、目的の切り株までは辿り着けた、アルスは無事マリモに会えるのだろうか。それは次のストーリーでお話しすることにして、今回はここまで




