天使と王様
むかし むかし
とても とても 遠い 時のこと。
名前のないクニには
赤いカミと
小さなツノをもつ 人々が
すんでいました。
みんなは オウサマを
とても
とても
愛していました。
オウサマは
みんなから たくさんのココロを
あずかっていました。
オウサマは それを
タカラモノ とよびました。
タカラモノが たくさんあれば
オウサマは つよいマホウがつかえました。
オウサマは クニを守り
ひとびとを しあわせにできました。
だから ひとびとは
じぶんのココロを
すこしずつ すこしずつ
オウサマに あずけていったのです。
ある日
ソラから テンシが おりてきました。
テンシは
とても
とても つよく
オウサマを バラバラにしてしまいました。
そして オウサマのタカラモノを
ひとつぶ
ひとつぶ
みんなに くばっていきました。
あるひとには アイを。
あるひとには カゾクを。
あるひとには ユメを。
そして あるひとには――
憎悪を。
テンシは
なにも 言いませんでした。
ただ タカラモノを
セカイのすみずみまで
まきちらして
どこかへ 消えていきました。
それから
クニは かわりました。
タカラモノを もらったひとびとは
それぞれのココロに
それぞれのイロを やどして
おたがいを 見つめあいました。
やさしいイロを もつひともいれば
こわいイロを もつひともいました。
そして
そのイロたちはいつか
ばん
ばん
どかん
おおきな
おおきな
オトをたてて ぶつかって
みんなを バラバラに してしまうのです




