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第14話 「仲間を守る戦い」

森の中は薄暗く、雨で湿った地面が滑りやすい。

葉に落ちる雫の音だけが響き、敵の足音は微かに混ざる。

列は狭い道を進む。新兵は半歩後ろに下がりながらも、視線は周囲のわずかな動きに集中していた。

突然、藪が大きく揺れ、二手に分かれた盗賊が現れた。

隊列の中央にいる仲間の一人が、隙間に押し込まれそうになる。

新兵は反射的に足を止めた。前に出ることはできない。突けば列が乱れ、逆に危険が増す。

一瞬、判断が頭をよぎる――角度を変える、距離を保つ、列を守る。

「ここだ……」

心の中で決めた。投げず、突かず、半歩で列全体のバランスを保つ。

新兵は角度を変え、体をずらし、仲間が盗賊の攻撃範囲に踏み込まないよう誘導した。

投擲槍で仲間の周囲を牽制する仲間の動きと、自分の半歩が重なり、列は安全を保つ。

盗賊の一人が滑り、地面に手をついた瞬間、隊列はさらに角度を変える。

新兵は決して突かず、仲間を守るために距離を優先した。

短い戦いの間、誰も傷つかず、盗賊は森の奥へと消えていった。

戦闘後、隊長が静かに歩み寄る。

「その判断で正解だ」

新兵は胸が熱くなる。初めて、自分の判断で仲間を守れた。

夜、焚き火の前で教本を開く。

「判断は命を守る力。学びと体を重ね、さらに研げ」

教本の文字が、今日の体験と一体になった。

列を守るために選んだ半歩の判断が、風走りとしての成長をまた一歩押し進めた夜だった。

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