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第11話 「初陣」

任務は、街道沿いの偵察だった。

盗賊が出る。

そう聞いていた。

新兵は隊列の後ろにつく。

視線は、前ではなく周囲。

草の揺れ。

地面の音。

――近い。

気づいた瞬間、

藪の向こうから矢が飛んできた。

新兵は、反射的に足を引いた。

距離は、まだある。

隊長の合図はない。

敵が動く。

数は三。

新兵は横にずれ、角度を変える。

囲まれない。

合図。

「今だ」

投げる。

避けさせる。

仲間が詰める。

新兵は突かない。

距離を保つ。

一人が倒れる。

残りは、退いた。

短い戦いだった。

戦闘後、隊長は言った。

「数を数えろ。

 装備を回収しろ」

新兵は、震える手で槍を拾う。

――生きてる。

それだけで、胸がいっぱいだった。

隊長は、最後に一言だけ言った。

「距離は壊れてない。

 上出来だ」

夜。

新兵は教本を開いた。

実戦の項に、線を引く。

「勝ったかどうかは問題ではない。

生きて戻れたかが、結果だ」

今日の戦いは、派手じゃない。

だが、確かに“終わった”。

新兵は、余白に書いた。

――実戦でも、同じだ。

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