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四宮
公募の結果が届いたのは、雨の朝だった。
郵便受けにそっと置かれた白い封筒を手に取ったとき、心臓が小さく跳ねるのが分かった。
これが僕の詩の評価だ。この手帳に詰め込んだ、結果が、この中にある。
教室で誰にも気づかれないように封を開けた。
中には「不採用」の文字。
それ以外の文章はほとんど頭に入ってこなかった。
大丈夫、自分に言い聞かせる。
「詩を書くのは好きだから続ければいい」
「宮沢賢治だって最初から認められたわけじゃない」
でも、その声はどうにも弱々しかった。
手の中の紙が湿っているのが気になり、静かに畳んで机の中にしまった。
あぁ、才能が足りない。才能が才能が才能が、決定的にない、佳作にも引っかからなかった。
「これ以上、書いてどうする?」
答えは見つからなかった。
頭の中で繰り返し浮かぶのは「もういいだろう」という静かな声だけだった。