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EP-2星1 N ブレイズナイト

「オレは確か……」

頑張って頭を振り絞り、何があったかを思い出そうと記憶を探るが

「ダメだ。何も分からない。」

どれだけ頑張っても、フレイラプトルの口が見えた所からの記憶がない。突如、ブレイズナイトの姿になっていたのだ。


「やっぱこれ異世界転生ってヤツ?」

少なくともそうとしか考えられなかった。ゲームや漫画、アニメや小説でお馴染みになった異世界転生というヤツなのだろう。

「いや、待てよ?」

「アルティメイトゥルース」縮めて「ウルトゥル」は異世界ではなくゲームだ。だからコレは異世界転生ではなくゲーム転生と言うべきか。ってそんな事はどうでもいい。


「….……まず状況確認だ。」

大体こういうので元の世界に戻れるなんて都合の良い展開はありゃしない。こうなった以上、この世界でブレイズナイトとして生きていくしかないのだ。その為に辺りを辺りを見回して今の状況を確認する。

「ここは……クロヴァス平野か?」

広大な緑の草原。そして、向こうに見える雲のかかり雪の乗っかっている大きな山。ここは「ウルトゥル」のゲーム内モードの一つ。ステージをクリアして世界を冒険していく「ロードモード」の最初の地点である「クロヴァス平野」だ。


固有名詞ばかりの説明は一旦置いといてとにかく先に進む。すると、

「やいやいやい!そこの鎧さん!」

「ここは、オイラ達のナワバリだぞ!」

「そうか…そうだった!」

とうの昔にクリアしたステージなのでうろ覚えだったがロードモード最初の敵は風属性のヒューマクラスのモンスター「風の子フータ」2体だった。


「ひとっ飛びでやっちゃうよ!」

風の子フータが言った後に

「燃え盛る闘志と剣技で、敵を倒す!」

(え?えぇ?何もしてないのに!)

勝手に体と口が動きいつの間にかオレはカードスキャン時のセリフを言いながら剣を構えていた。どうやら勝負は避けられないらしい。

「いくよ!」

早速相手が攻撃を仕掛けてくる。

「フーーーッ!」

フータは口から吹いた風で強力な突風を発生させる。

「うわあっ!」

オレはどうする事も出来ず風邪で空中に持ち上げられたのちに地面に叩き落とされる。幸いケガは無かったが背中を思い切り強打し、痛くて仕方がない。

「オレだって……!」

剣を振りかざしフータに向かって走るが

「フーーーッ!」

また風を起こしてきたのでオレは一目散で近くの岩陰に逃げる。


(ダメだ、また行ってもさっきの二の舞だ。でも近づかなきゃ攻撃出来ない………どうすればいいんだ!待てよ?)

オレはある事に気づく。

(オレは今、異世界じゃなくてゲームの中に転生したんだ。つまり今の戦いも言ってみればロードモードをプレイしているような物。だからその要領で….…)

その瞬間オレの脳裏にはウルトゥルの筐体の前に立ちブレイズナイトを使ってプレイする神谷圭二の姿が!

「よし………いける!」


オレは岩陰から飛び出すと剣を構える。脳内には筐体に備え付けてある3色のボタンが写っていた。

「フーーーッ!」

相手の攻撃が来る。脳内でオレは赤いボタンを押した。すると体が勝手に動き、身を屈ませ斜め方向に前転し攻撃を避けたのだ。

ウルトゥルでは相手が攻撃してきた際タイミングに合わせてボタンを押すことで攻撃を避けることが出来る。さらに追加で画面内でのキャラのモーションに合わせたボタンを押すとことで

「ハアアッ!」

「ワァッ!」

カウンター攻撃が可能だ。


もう一体が攻撃してきたのでまたオレは避けてカウンターの斬撃を入れる。

「やるじゃん、でもそんなんじゃ」

「オイラたちには敵いっこな〜い!」

その通りだ。カウンターでは大したダメージは入らない上に相手は風属性でこっちは火属性。属性相性は相手が有利だ。

「まだ終わってない……ラウンド2だ!」


ウルトゥルはラウンド開始時にバトルカードとは別にスキルカードで相手の妨害、自身の強化が出来る。

「でも、ある訳ない」

流石にスキルカードは無いだろうとオレは腰部分に付いている小袋に手を入れると

「あった?………………あったーっ!」

何故か一枚だけスキルカードが入っていた。何故入ってる考えたらキリがない。

「おおっ!『火災旋風』か。今の状況にドンピシャじゃん!」

そのカードの効果は


「自チームの火属性のSP50アップ。相手が風属性のスロットSP50ダウン』


まさかの星3のスキルカード。ノーマルカードにはオーバースペックすぎる協力カードだった。

「これならセンコウ取れる!」

ウルトゥルではスロットポイント縮めてSPの高い方がセンコウをとる事が出来る。今回のスキルカードの効果のおかげで簡単にセンコウを取れた。

「こっから反撃だ!」

攻撃の際には画面に写る3色のボタンをタイミング良く押す事で攻撃できる。脳内でボタンを押すと同時に体が勝手に動き出し攻撃を与えていく。

「すげぇ、この調子ならいけるいける!」


そして最後の攻撃はクリティカルでダメージが上がりトドメとなった。

「ひぇーー!キミ強いんだね!」

「オイラ達負けちゃったから、道は譲るよ。」

風の子フータ達は負けを認め、道を開けてくれた。


オレは快くその道を進んでいると突然体が動かなくなりバッタリと倒れる。

「い、今になって疲れが………」

どうやら脳内麻薬が出ていただけで肉体は相当無理をしていたようだ。


やっぱゲームじゃなくてホントの異世界転生?








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