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第21話 EP4-4 プライベートで会う

自分が読みたい物語を、趣味で書いてます。

オリジナル小説のみです。

 この世界《せかい》の隣《となり》には、『狭間《はざま》』と呼《よ》ばれる世界《せかい》がある。

 狭間《はざま》には、『狭魔《きょうま》』と呼《よ》ばれるモンスターが出《で》る。

 狭魔《きょうま》を倒《たお》す、『魔狩《まかり》』と呼《よ》ばれる人間《にんげん》がいる。


   ◇


 オレは、遠見《とおみ》 勇斗《ゆうと》。十四歳(さい)の中学生《ちゅうがくせい》で、冴《さ》えないメガネ男子《だんし》である。腰《こし》に廉価品《れんかひん》の長剣《ロングソード》をさげる、一応《いちおう》、駆《か》け出《だ》しの魔狩《まかり》である。

 学校《がっこう》から帰宅《きたく》して、着替《きが》えてきた。普段着《ふだんぎ》のT(ティー)シャツジーパンスニーカーだ。


「やっぱドキドキするなぁ」

 夕刻《ゆうこく》にセミの声《こえ》が聞《き》こえる。夕刻ったって、明《あか》るいし暑《あつ》い。

「桃花《ももか》が同伴《どうはん》してくれて、助《たす》かったぜ」

 オレは、住宅地《じゅうたくち》の入《い》り組《く》んだ道《みち》を歩《ある》きながら、隣《となり》にいる桃花《ももか》に声《こえ》をかけた。


 絢染《あやそめ》 桃花《ももか》は魔狩《まかり》である。オレの幼馴染《おさななじ》みで、十四歳(さい)の中学生《ちゅうがくせい》で、桃色《ももいろ》の長《なが》い髪《かみ》で、華奢《きゃしゃ》で、胸《むね》が小《ちい》さい。

 いつもの私服《しふく》、ノースリーブにミニスカートにスニーカー姿《すがた》で、腰《こし》に自身《じしん》と同《どう》サイズの両刃《りょうば》の大剣《たいけん》をさげる。


「いいわよ。ちょっとでも関《かか》わっちゃったし。知《し》らないところでやられる方《ほう》が気《き》になるわ」

 桃花《ももか》が照《て》れて頬《ほお》を赤《あか》らめた。

 桃花《ももか》は、ちょっと頼《たよ》られると簡単《かんたん》に喜《よろこ》ぶ。将来《しょうらい》が心配《しんぱい》になるほどチョロい。

 チョロいと知《し》ってて利用《りよう》したみたいになるのは不本意《ふほんい》なので、あとでアイスでもご馳走《ちそう》しよう。


   ◇


 状況《じょうきょう》は、単純《たんじゅん》であり、複雑《ふくざつ》でもある。

 秋葉《あきは》先生《せんせい》にアプローチを試《こころ》みた。快《こころよ》くコンタクトのお誘《さそ》いがあった。

 プライベートで会《あ》ってお話《はなし》しましょ、程度《ていど》ではあるが、思春期《ししゅんき》の男子《だんし》には嬉《うれ》しい。


 秋葉《あきは》先生《せんせい》は、背《せ》が高《たか》く巨乳《きょにゅう》の、保健《ほけん》体育《たいいく》の臨時《りんじ》の女《おんな》教師《きょうし》である。


「でも、わざわざ接触《せっしょく》する意味《いみ》あるの? あれも、市販《しはん》のラムネだったんでしょ?」

 桃花《ももか》が不服《ふふく》げにオレを睨《にら》んだ。

「犯人《はんにん》だったとして、無警戒《むけいかい》に危《あぶ》ないクスリを渡《わた》してくるわけないだろ。接点《せってん》を持《も》ってから、ちょっとずつ距離《きょり》を詰《つ》めるんだぜ」

 オレは得意《とくい》げに答《こた》えた。魔狩《まかり》ギルドの大人《おとな》たちの受《う》け売《う》りだけど。

 犯人《はんにん》でないなら、秋葉《あきは》先生《せんせい》と仲良《なかよ》くなるチャンスである。オレには得《とく》しかない。


「えっと。あの建物《たてもの》だよな」

 いよいよ、待《ま》ち合《あ》わせ場所《ばしょ》、秋葉《あきは》先生《せんせい》の暮《く》らすマンションが近《ちか》い。高層《こうそう》で真新《まあたら》しくてオシャレで、大人《おとな》の女《おんな》のイメージにぴったりだ。


 さらに緊張《きんちょう》してきた。

 何《なん》と挨拶《あいさつ》するか、どんな話《はなし》をするか、事前《じぜん》に考《かんが》えておいたセリフを頭《あたま》の中《なか》で繰《く》り返《かえ》す。黒白《くろしろ》の見極《みきわ》めと会話《かいわ》の分岐《ぶんき》で、結果《けっか》は大《おお》きく変《か》わる。

 黒《くろ》、つまり犯人《はんにん》なら、戦闘《せんとう》もあり得《え》る。


「今日《きょう》は、あの人《ひと》、いないのか?」

 オレは不安《ふあん》から、後《うし》ろを振《ふ》り返《かえ》った。電柱《でんちゅう》から大《おお》きなハンマーが生《は》えてたり、しなかった。

「最強《さいきょう》の人《ひと》なら、アンタが見《み》たっていうヤバい狭魔《きょうま》? それの調査《ちょうさ》に引《ひ》っ張《ぱ》りまわされてるみたいよ。ってメールが来《き》たし」

 桃花《ももか》が素《そ》っ気《け》なく答《こた》えた。

「メアド教《おし》えてたんだ?」

「教《おし》えるわけないでしょ」

 桃花《ももか》が素《そ》っ気《け》なく答《こた》えた。


   ◇


「遠見《とおみ》君《くぅん》! こっちよぉ!」

 マンションの半《はん》地下《ちか》駐車場《ちゅうしゃじょう》から、秋葉《あきは》先生《せんせい》の呼《よ》ぶ声《こえ》が聞《き》こえた。

 駐車場《ちゅうしゃじょう》の奥《おく》の暗《くら》がりに、いる。背《せ》が高《たか》くて、巨乳《きょにゅう》で、持《も》ちあがったブラウスの裾《すそ》からお臍《へそ》が見《み》えて、短《たん》パンから長《なが》い脚《あし》が伸《の》びる。

 腰《こし》に、革《かわ》のベルトで纏《まと》めた鞭《むち》をさげる。廉価品《れんかひん》の剣《けん》じゃないから、きっと魔狩《まかり》でもある。


「秋葉《あきは》先生《せんせい》! お待《ま》たせして申《もう》し訳《わけ》ないっす!」

 オレは浮《う》かれた返答《へんとう》で応《こた》えた。駐車場《ちゅうしゃじょう》の入《い》り口《ぐち》の下《くだ》り坂《ざか》を軽《かろ》やかに駆《か》けおりた。

「あらあらぁ。遠見《とおみ》君《くん》は真面目《まじめ》なのねぇ。保護者《ほごしゃ》同伴《どうはん》で来《き》ちゃうなんてぇ」

 暗《くら》がりにいるせいか、秋葉《あきは》先生《せんせい》の雰囲気《ふんいき》が学校《がっこう》と違《ちが》う。どこか暗《くら》く、鋭利《えいり》で、悪意《あくい》みたいなものを感《かん》じるような錯覚《さっかく》があるようなないような気《き》がするけどきっと気《き》のせいに違《ちが》いない。


「勇斗《ゆうと》ってば往生際《おうじょうぎわ》が悪《わる》すぎ。気《き》のせいじゃないわよ」

 巨乳《きょにゅう》と睨《にら》み合《あ》いながら、胸《むね》の小《ちい》さい桃花《ももか》がオレの隣《となり》に立《た》つ。

 桃花《ももか》は脳筋《のうきん》である。野生《やせい》動物《どうぶつ》めいて鼻《はな》が利《き》く。雰囲気《ふんいき》で敵《てき》と味方《みかた》を嗅《か》ぎ分《わ》ける。


「でもぉ、気《き》にしなくていいのよぉ。だぁってぇ、想定《そうてい》の内《うち》だからぁん」

 秋葉《あきは》先生《せんせい》が、指《ゆび》で摘《つ》まんだ小石《こいし》を突《つ》き出《だ》した。狭魔《きょうま》を倒《たお》すと落《お》ちてくる小石に似《に》ていた。



マカリなのでハザマでキョウマとタタカわされます

第21話 EP4-4 プライベートで会《あ》う/END

読んでいただき、ありがとうございます。

楽しんでくれる人がいると、書く励みになります。

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