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第2話 EP1-2 桃花は友だちが少ない

自分が読みたい物語を、趣味で書いてます。

オリジナル小説のみです。

 この世界《せかい》の隣《となり》には、『狭間《はざま》』と呼《よ》ばれる世界《せかい》がある。

 狭間《はざま》には、『狭魔《きょうま》』と呼《よ》ばれるモンスターが出《で》る。

 狭魔《きょうま》を倒《たお》す、『魔狩《まかり》』と呼《よ》ばれる人間《にんげん》がいる。


   ◇


「オーッス」

「オッス、勇斗《ゆうと》。バトロイの新《しん》スキンゲットしたから、見《み》に来《こ》いよ」

「おっ、いいな。家《うち》帰《かえ》ったらすぐ行《い》く」

 オレは、遠見《とおみ》 勇斗《ゆうと》。十四歳(さい)の中学生《ちゅうがくせい》で、冴《さ》えないメガネ男子《だんし》である。一応《いちおう》、駆《か》け出《だ》しの魔狩《まかり》である。

 魔狩《まかり》だけど中学生《ちゅうがくせい》だし、ゲーム友《とも》だちのクラスメートくらいはいる。


「何《なーに》よ、勇斗《ゆうと》。どうせ、エッチなヤツなんでしょ? これだから男子《だんし》は」

 絢染《あやそめ》 桃花《ももか》は魔狩《まかり》である。十四歳(さい)の中学生《ちゅうがくせい》で、桃色《ももいろ》の長《なが》い髪《かみ》で、華奢《きゃしゃ》で、胸《むね》が小《ちい》さい。オレの幼馴染《おさななじ》みで、クラスメートで隣《となり》の席《せき》である。


 中学生《ちゅうがくせい》が学校《がっこう》にいるのだから、制服《せいふく》を着《き》ている。男子《だんし》は黒《くろ》の学生服《がくせいふく》、女子《じょし》は赤《あか》いスカーフのセーラー服《ふく》である。

 一般人《いっぱんじん》は廉価品《れんかひん》の剣《けん》、オレは廉価品《れんかひん》の長剣《ロングソード》、桃花《ももか》はオーダーメイドの両刃《りょうば》の大剣《たいけん》を腰《こし》にさげる。


「そいつは勘違《かんちが》いだぜ、桃花《ももか》」

 桃花《ももか》は、一般人《いっぱんじん》の友《とも》だちがいない。そのせいか、オレが誰《だれ》かと仲良《なかよ》くしてると、僻《ひが》みの口調《くちょう》で絡《から》んでくる。

 桃花《ももか》は魔狩《まかり》である。狭魔《きょうま》との近接《きんせつ》戦闘《せんとう》をこなす『ウォリア』に分類《ぶんるい》される。

 身体《しんたい》能力《のうりょく》の人間《にんげん》離《ばな》れした桃花《バケモノ》を前《まえ》に、一般人《いっぱんじん》は委縮《いしゅく》してしまう。まともな会話《かいわ》なんて成《な》り立《た》つわけがない。


 だから、気持《きも》ちは察《さっ》する。でも、僻《ひが》んで絡《から》んでいい理由《りゆう》にはならない。桃花《ももか》の今後《こんご》のために、ここは心《こころ》を鬼《おに》にして、ビシッと言《い》ってやらねばなるまい。

 オレは、コホン、と一《ひと》つ咳払《せきばら》いをする。

「いいか、桃花《ももか》。確《たし》かに、露出《ろしゅつ》の多《おお》いエッッッなスキンではあるが、それはパッと見《み》で顧客《こきゃく》の興味《きょうみ》を惹《ひ》くためであって、バトロイの本質《ほんしつ》は仲間《なかま》との協力《きょうりょく》で芽生《めば》える絆《きずな》と強敵《ライバル》たちと競《きそ》い合《あ》うことで生《う》まれる向上心《こうじょうしん》の両立《りょうりつ》という崇高《すうこう》な志《こころざ》しが高《たか》い次元《じげん》で融合《ゆうごう》した」

「あっ、あのっ! おはようございます、遠見《とおみ》君《くん》! 絢染《あやそめ》さん!」

 一人《ひとり》の女子《じょし》が、勇気《ゆうき》を振《ふ》り絞《しぼ》ったような赤《あか》い顔《かお》で、オレたちに勢《いきお》いよく頭《あたま》をさげた。


   ◇


「おう。おはよう、真奉《しんほう》さん」

「おはよ、琴音《ことね》」

 オレも桃花《ももか》も軽《かる》く挨拶《あいさつ》を返《かえ》した。

 真奉《しんほう》 琴音《ことね》は、桃花《ももか》の友《とも》だちである。そう、つまり。


 真奉《しんほう》 琴音《ことね》は、魔狩《まかり》である。十四歳(さい)の中学生《ちゅうがくせい》で、銀縁《ぎんぶち》の丸《まる》メガネをかけたメガネ女子《じょし》で、灰色《はいいろ》の長《なが》い髪《かみ》を三《み》つ編《あ》みにして、小柄《こがら》で胸《むね》が大《おお》きい。腰《こし》に、赤《あか》いハートと白《しろ》い翼《つばさ》で飾《かざ》られた片手《かたて》サイズの杖《つえ》をさげる。


 魔狩《まかり》は、能力《のうりょく》の種類《しゅるい》で分類《ぶんるい》される。

 身体《しんたい》能力《のうりょく》が高《たか》く近接《きんせつ》戦闘《せんとう》をこなす『ウォリア』、弓矢《ゆみや》での遠距離《えんきょり》戦《せん》に秀《ひい》でる『スナイプ』、攻撃《こうげき》魔法《まほう》を使《つか》える『ウィッチ』、みたいな感《かん》じだ。

 希少《きしょう》な特殊《とくしゅ》能力《のうりょく》持《も》ちも、細《こま》かく分類《ぶんるい》される。この世界《せかい》から狭間《はざま》が見《み》えるオレは『スコーパ』、霊体《れいたい》を祈祷《きとう》で倒《たお》す『セイント』、などなどである。


「聞《き》いてよ、琴音《ことね》!」

 桃花《ももか》が、ガタンッ、とイスを鳴《な》らして、勢《いきお》いよく立《た》ちあがる。琴音《ことね》の手《て》を掴《つか》み、顔《かお》を寄《よ》せ、力説《りきせつ》する。

「勇斗《ゆうと》がさ! いつものバトなんちゃらってヤツでさ!」

 友《とも》だちの少《すく》ない桃花《ももか》は、経験《けいけん》の少《すく》なさゆえに、人付《ひとづ》き合《あ》いの距離感《きょりかん》がおかしい。数《かず》少《すく》ない友だちに、無造作《むぞうさ》に抱《だ》きついたりもする。

「あっ、あっ、絢染《あやそめ》さんっ! 近《ちか》いです! 近いです!」

 琴音《ことね》が、恥《は》ずかしそうに顔《かお》を真《ま》っ赤《か》にした。強《つよ》く目《め》を瞑《つぶ》って、迫《せま》る桃花《ももか》の顔《かお》から真っ赤な顔を逸《そ》らして、それ以上《いじょう》は近《ちか》づかないように両手《りょうて》でブロックした。


 琴音《ことね》は琴音《ことね》で、人付《ひとづ》き合《あ》いが苦手《にがて》な雰囲気《ふんいき》がある。内気《うちき》で、引《ひ》っ込《こ》み思案《じあん》で、オドオドして、いつも俯《うつむ》き気味《ぎみ》である。

 桃花《ももか》と仲《なか》が良《い》いのは、そういう共通点《きょうつうてん》からかも知《し》れない、とオレは思《おも》う。



マカリなのでハザマでキョウマとタタカわされます

第2話 EP1-2 桃花《ももか》は友《とも》だちが少《すく》ない/END

読んでいただき、ありがとうございます。

楽しんでくれる人がいると、書く励みになります。

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