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第87話

 家に着くと、まずハナザワさんに今日起こった事の顛末を説明するメッセージを送った。


数分後に返信が来て、事の顛末に驚いたが、今日用事ができて自分が図書室に行かなくて良かった。という内容だった。俺はすぐに、ハナザワさんの意見に同意しつつ、またハタケが俺を疑って図書室までついてきた時の対策に、今後は図書室の前ではなく、図書室の中で待ち合わせをして、俺が誰かと一緒だったら声を掛けないという方向で行こうと提案する返信をハナザワさんに送った。


すると数秒後に、「分かりました。」と返信が来た。


かなり失礼なことを頼んでるのにもかかわらず、文句も言わずに同意してくれたハナザワさんにすごく申し訳なく感じた。このままこのやり取りをやめると、もっとハナザワさんに対して失礼だと感じたので、俺は何か別の話題を振ろうと考えた。


そういえば、明日はハナザワさんと一緒に県立図書館に行く予定だったな。その話題を振ってみるか。


「話は変わるけど、明日は駅前に10時に集合でいいかな?」とメッセージを送ると、10分以上待っても返信が来なかった。


まだ用事が終わってないのかな?と考えた俺はスマホを机に置いて制服から部屋着に着替えた。その後はタブレット端末で漫画を読んでいると母さんに、「晩ご飯ができたからリビングにきなさい。」と呼ばれたので、リビングへ向かい、晩ご飯を食べた。晩ご飯を食べた後、風呂に入って自分の部屋に戻り、メッセージが来てないかスマホを確認すると、20分くらい前にハナザワさんからメッセージが来ていた。


「返信が遅れてすみません。駅前に10時ですね。分かりました。明日はよろしくお願いします。」という内容だったので、「返信ありがとう。こちらこそよろしく。」と返信を送った。


その後、スマホのアラームを午前8時にセットして、キョウヘイに、「明日は俺と一緒に遊んでいることにしておいてくれ。」とメッセージを送ってから、タブレット端末で1時間ほど漫画を読んだ後、ベッドに横になった。


次の日、スマホのアラームで時間通りに起きることができた俺は朝ご飯を食べ終えると、身だしなみを整え始めた。ナツキやカジワラとのデートの時よりは遅く起きたので、母さんは俺が朝ご飯を食べてる時には何も言ってこなかったが、俺が入念に身だしなみを整えているのを見て、「今日出かけるの?」と聞いてきた。


俺は髪を整えながら、「うん。キョウヘイと遊ぶ約束してるんだ。」と答えた。


「そうなの?キョウヘイくんによろしく言っておいてね。」と言うと、母さんはそれ以上何も聞いて来なかった。


何も聞いて来ないのは身だしなみを整えるのには楽だったが、心中は決して楽ではなかった。

さすがに2週続けて日曜日にキョウヘイと遊ぶというのは嘘くさかったかな?でも、日曜日に遊ぶほど仲のいい友だちなんてキョウヘイぐらいしかいないもんなぁ。キョウヘイと口裏も合わせているから大丈夫だよな?いや、ここまで来たら大丈夫だと思おう!


何とか自分を納得させて身だしなみを整え終えると自分の部屋に行き、スマホと財布と学生証をポケットに入れて玄関に向かった。


俺が玄関で靴を履いていると、母さんがやって来て、「いってらっしゃい。」と言ってくれたので、「いってきます。」と答えて、玄関のドアを開けて外に出た。


玄関のドアを閉める時にちらっと見えた母さんに対して心の中で、これは浮気じゃないんだよ!いつかきっと本当に好きな人を彼女として紹介するから許してください!と叫びながら玄関のドアを閉めた。


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