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第71話

 母さんの質問攻めから逃れるため、俺は晩ご飯を食べ終えるとすぐに風呂に入って、さっさと自分の部屋に行った。部屋に入るとすぐに机に向かいノートを広げた。この日のナツキとのデートでカジワラとのデートに参考にできそうなことや改善すべきことをノートに書き始めた。


駅に9時に着いたのは良かったな。水族館に向かうバスにすんなりと乗ることができたから。カジワラとは9時に駅に待ち合わせすればいいかな?


あと、カジワラにも学生証を持ってきてもらわないと。


イルカショーを見る時、カジワラも前の席に座りたがるかもしれないから合羽を2つ用意しておかないと。


ナツキとは午後3時まで水族館にいたけど、カジワラとは午後3時まで水族館にいるかわからないよな。もっと長く滞在するのは一向に構わないんだけど、ナツキよりも早く切り上げられたらどうしよう?


あー何で俺は水族館のあとにナツキとどこかの店に入ってお茶をしなかったんだ⁈そうしとけばカジワラと過ごせる時間を長くすることができたのに!これは今後気を付けなきゃいけないな!


フー。まあこんなところかな。


俺はノートを閉じてスマホを手にした。カジワラにデートの約束を取り付けるためだ。


まだ午後8時前だし起きてるよな。


俺は、「今日ナツキとデートしたから、カジワラも都合がいい日にデートしてくれるか?」とメッセージを送った。ずっとスマホの画面を見ていると、数分後に既読になり、さらに数分後にカジワラから返信が来た。


「へー。ヒナタさんとデートしたんだ?」


「それなら私もデートしてあげるよ。」


立て続けに2件のメッセージが送られて来た。俺が2件目の「デートしてあげる。」というメッセージで喜んでいたら、「どこに行ったの?」と次のメッセージが送られて来た。


「水族館だけど。」と答えると、「へー。悪くないね。」「次の日曜日は予定ないから、その日でいい?」とまた2件メッセージが送られて来た。


ハタケに相談しといてよかったぁ。ハタケありがとう!と俺はハタケに心の中で感謝しながら、「俺も予定ないから、次の日曜日で全然構わないよ。」と返信した。


「了解。それじゃあ、次の日曜日ね。」


「うん。次の日曜日な。それじゃあ、おやすみ。」


「おやすみ~。」


カジワラとのラインでのやり取りを終えると、俺は小躍りするほど喜んだ。(実際に少し小躍りしていた)


よーし!これでやっとカジワラとデートができる!それもこれも俺の形だけの彼女になってくれて、デートまでしてくれたナツキのおかげだ!ナツキには感謝しないとな!


まだ午後8時半を少し過ぎたくらいだったので、俺はナツキに「まだ起きてるか?起きてるなら通話してもいいか?」とメッセージを送った。


数十秒後に「OK」という意味のスタンプが送られてきたので、通話をかけた。


「セイ、どうしたの?こんな時間に?」


「ごめんごめん!ナツキにお礼が言いたいから通話をかけたんだ。」


「お礼?何の?」


「今日俺とデートしてくれたことだよ。そのおかげでカジワラが俺とデートしてもいいって言ってくれたんだ。いや~、これもナツキのおかげだよ!ありがとう!」


「へー。そうなんだ?良かったじゃん。」


「ああ、ホント良かったよ!あ!でも、今後もカジワラとデートする前にはナツキとデートしなくちゃいけないから、部活が休みの日とかあったら教えてくれよな。」


「……うん。了解。話はそれで終わり?それじゃあ、私そろそろ寝るから通話切るね。おやすみ。」


「ああ、おやすみ~。」


ナツキとの通話が終わったあと、何だかナツキの元気がなかったことが気になった。


まあ、そろそろ寝るって言ってたし、眠かったのかもしれないな。と深く考えずに結論を出してしまったが、もう少し深く考えておけばよかった。と後々俺は後悔した。


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