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第7話

 「2万本⁈1週間で2万本なんて無理だろ!……あ!もしかしてこの前、貸してくれた『スラ〇ダンク』の真似してボケたんだろ?あんまり笑えないボケするなよな。」

俺はキョウヘイの発言が俺を笑わせようとしたボケだと思いツッコミを入れた。


ちなみに放課後漫画の話をしている4人の内、キョウヘイ以外は裕福でも貧乏でもない家庭の子だったので(今の日本だとそういう家庭も十分恵まれていることは理解しているが)、それほどひと月にもらえるお小遣いは多くなかったので、漫画をそんなに買えなかったため(おしゃれや他の娯楽にお小遣いを使うこともあったため)、漫画を読むとしたらスマホのアプリとかで無料で読めるものを読むくらいしか方法がなかった。


俺とカジワラとハタケはそれでも十分だったのだが、キョウヘイは自分が買って読んだ漫画の話をしたかったため、俺たちに「面白いから読んでみてくれ。」と自分が買った漫画を貸そうとしてくれた。

最初、俺たち3人はキョウヘイの背後に見えたキョウヘイの親の財力に甘えるのはいかがなものか?と考えて、その提案を断った。無料で読める漫画の話でも十分俺たち3人は楽しかったからだ。

しかし、キョウヘイは自分が読んで面白かった漫画の話を俺たちとしたいと食い下がって来たので、俺たちは最後には「お金の貸し借りはしない」、「俺たち3人からキョウヘイに読みたい漫画の話はしない」という約束を取り決め、キョウヘイから漫画を借り始めた。

「スラ〇ダンク」は映画を見に行ったあと、原作が気になったキョウヘイが買いそろえた物を借りて読んでいたため知っていた。


しかし、キョウヘイは真面目な表情を一切変えずに、「ボケ?俺は本気だぞ。セイには1週間で2万本のシュート練習をしてもらう。そして1週間ごとにシュート位置を遠くして、最終的には3ポイントシュートが入るようになってもらう。」と返答してきた。


俺はボケにしては悪質だと思い、声を荒らげて「だからそんなの無理だって!『スラ〇ダンク』の桜〇花道がやったっていう1週間で2万本のシュート練習は現実には無理だってネットに書いてあったぞ!それに俺たちが使える時間は大体夕方6時から夜8時までの2時間で作中の桜〇花道よりも短いんだぞ!」と反論した。


「時間はこれから球技大会まで、放課後4人で集まって漫画の話をする時間を削ればいい。そうすれば1時間半はプラスできる。それにセイ、お前はやるって言ったよな?」


「それは1週間で2万本のシュート練習をするという目標を聞く前だ。勝手にそっちから条件を足してきたんだから、その約束は反故にできるはずだ。」


「反故にするのは勝手だが、いいのか?『愛人にしかなりたくない。』と言うカジワラを振り向かせたかったんじゃないのか?現実にはできそうにないと言い訳して、好きな女子を振り向かせるために努力することもできないのか?お前は?」


立てた目標が高すぎるという問題点はあるが、キョウヘイの言ってることはもっともな気がした。好きな女子を振り向かせるために努力もできないのか?俺は?それになかなか振り向いてくれない好きな女子を振り向かせる方法を考えてくれて、振り向かせるために特訓する場所や設備を提供してくれるだけでなく、特訓に付き合ってまでくれる友だちの思いを無駄にしていいのか?いや、良くない!


「分かった!俺やっぱりやるよ!1週間で2万本のシュート練習!」


「そうか。分かってくれたか。俺だって何もできるとは思ってない。それでもやろうとすることが大事だと思うんだ。とりあえず今6時40分過ぎだから、今から30分間、セットシュートの練習をしようか!」


「ああ、分かった。」


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