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第68話

 「ハッ!」


俺はベッドからがばっと起き上がった。しばらく何で布団をかけずに寝ていたのかを考えていると、昨夜ベッドに横になっているうちにいつの間にか眠ってしまったことに気が付いた。


「ヤバッ!今何時だ?」


カーテンの隙間から陽の光が差し込んでいるので、恐らくもう朝になっているのだろう。俺は慌ててスマホで時刻を確認した。


「なんだ、まだ7時前かぁ。」


俺は寝坊したわけではないので少しホッとしたが、あと1時間半で準備しなくちゃいけないことに気付き、すぐにベッドから立ち上がり部屋を出てリビングへ向かった。


「母さん!朝ご飯できてる?」


「あら?セイ、おはよう。今日は休みなのに早いわね?」


「うん。母さん、おはよう。で、朝ご飯は?」


「あとパンを焼くだけだけど、どうしたの?何か用事でもあるの?」


「うん。今日はナツキとデートなんだ。8時半に迎えに行くことになってるから急いでるんだよ。」


「そうなの?それは急がないといけないわね!ちょっと待ってて。今、パンを焼いちゃうから。」


母さんはそう言って食パンをトースターにいれようとしたが、俺はパンが焼けるまで待つ時間がもったいなかったので、「焼かなくていいよ!そのまま食べるから!」と言って、母さんから食パンを受け取って朝ご飯を食べ始めた。


10分ぐらいで朝ご飯を食べ終えると、次は洗面所へ行って身だしなみを整えた。身だしなみを整え終えると自分の部屋へ行き、この日着る服を選び始めた。


うーん?どうしよう?迷うほど服の種類が豊富にあるわけではないけど、ナツキと付き合い始めて初めてのデートの約束をしてからのデートなので、気合を入れた服装をするつもりはないが、あまりにもラフすぎる服装も良くない。ちょうどいい加減の服はないかな?


この日着る服を20分ほど悩み、まあこれでいいか。と思えるような服をなんとか選んで着替えて部屋の時計を見ると、もう8時近くになっていた。


ヤバいヤバい!急がないと!あとは忘れ物をしないようにしないと!


財布とスマホをポケットに入れて部屋から出たが、あ!あれ持ってかないと!と忘れ物に気付き、部屋に戻り制服のポケットから学生証を取り出した。


これがないと学割が受けられないからな。学生証を財布と同じポケットに入れて、今度こそ忘れ物はないことを確認して部屋を出た。


最後の身だしなみチェックをするために洗面所へ行き、鏡の前で髪や顔、服装がおかしくないか入念にチェックした。


「セイ!そろそろ時間だけど大丈夫?」


母さんが心配して声を掛けてきたので、腕時計で時刻を確認すると、もう8時20分になっていた。


ヤバい!そろそろ家を出ないと!


俺は身だしなみチェックを切り上げて玄関へ向かい靴を履こうとしていると、母さんがやって来て、「セイ、ちょっと待って!」と呼び止めてきた。


「何?どうかした?」と時間がないので、ちょっと苛立ちながら聞き返した。

母さんは俺を上から下までじっくり見ると、「うん。まあ悪くないわね。気をつけていってらっしゃい。」と俺のファッションチェックをしてきた。


母さんのファッションチェックの結果を聞いて、ホッとするようなイラっとするような気持ちになったが、時間がないので、「いってきます。」と挨拶して家から出た。


8時半まであと5分ほどあったが、まあ大丈夫だろうと思い、ナツキの家のチャイムを鳴らした。

チャイムを鳴らすとすぐに玄関のドアが開きナツキが出てきた。


「セイ、おはよう。」


「おはよう。ナツキ。ちょっと早いけど、もう行けるか?」


「ちょっと待って!」


ナツキはそう言うと、玄関のドアを閉めた。それから1分ほど待つとまた玄関のドアが開いて少し大きめのバッグを肩にかけたナツキが出てきた。


「もう大丈夫だよ。」


「そっか。あ!ナツキ!申し訳ないけど学生証持ってきてるか?」


「うん、大丈夫。持ってるよ。」


「悪いな。それじゃ行こうか?」


「うん。」


俺とナツキは水族館に行くために、まず駅へと向かって歩き始めた。


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