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第59話

 帰宅する間はずっと後悔してばかりいた。


ハナザワさんに冷たくし過ぎたかな?ちょっと話すくらいだったら大丈夫だったんじゃないかな?学校内でハナザワさんと話すわけではないし、ナツキは今日も部活中だからハナザワさんと一緒にいるところに出くわすことはないだろうしな。


……いや、でもそういう甘い考えは良くないかもしれない。ナツキは俺なんかと比べて交友関係が広いから、どこでナツキの知り合いにハナザワさんと話しているところを見られるか分かったものではない。やっぱり、ハナザワさんには悪いがあの対応がベストとは言わないがベターではあったと思う。もうこのことを考えるのはやめよう!後悔しても時間は戻らないんだからな!


なんとか自分を納得させる理由を考えているうちに家に着いてしまった。家に着くとすぐに自室へ向かい、市立図書館で借りてきた推理小説を読み始めた。読み始めた時は、まだハナザワさんのことが頭にちらついたが、読み進めていくうちに小説の内容を理解しようとすることに集中していき、ハナザワさんのことは頭の隅に追いやられていった。


しばらくすると母さんがお昼ご飯ができたと俺を呼びに来たので、リビングへ行ってお昼ご飯を食べた。お昼ご飯を食べている時にリビングの時計を見て、家に帰ってきてから1時間以上経っていることを知った。お昼ご飯を食べ終えるとまた自室へ行って推理小説を読み始めた。実際にどれだけいるのかは分からないが、俺は推理物の小説や漫画を読む時に自力で犯人を当ててやろうと考えながら読む人間ではないので、サラーッと1冊を読み終えてしまった。それでもお昼ご飯を食べ終えてから4時間以上経っていて、外は暗くなり始めていた。


このまま2冊目も読もうかな。と考えたが、フッと来週から期末試験が始まるんだった。ということを思い出した。カジワラと2人で試験勉強するためにキョウヘイと仲直りしたんだから(弁明させてもらうが一番の目的はそうだが仲直りした理由は他にもいろいろある。)、キョウヘイに勉強を教えてくれるように頼もう。


すぐに俺はラインのメッセージでキョウヘイに、「明日から試験対策の勉強を教えてくれ。」と送った。メッセージを送って数分後にキョウヘイから、「了解。」と返信があった。それに対して、「サンキュー。」と返信を送ったら、2冊目の推理小説を読み始めた。外が暗くなってきて小説を読むのが難しくなってきたので電気をつけて読み始めて少し経った頃、母さんが晩ご飯ができたと俺を呼びに来た。そこで小説を読むのをやめて部屋の時計を見ると、少ししか時間が経っていないと思っていたが2冊目を読み始めて1時間近く経っていることに気が付いた。


リビングへ行って晩ご飯を食べて、また自室へ戻ってくるとナツキからラインのメッセージが来ていた。


「期末試験で部活が休みになったら、また勉強を教えて。」とあった。


ナツキと試験勉強を2人ですれば、カジワラもきっと2人で試験勉強してくれると考えていたので、ナツキから誘ってくれるとはありがたいと思いながら、「了解。」と返信を送った。

すると、すぐにナツキから、「え?いいの?」と返信があった。何で驚いてるんだろう?と思いつつ、「全然いいよ。ナツキと2人で試験勉強すれば、カジワラも2人で試験勉強をしてくれるはずだから。」と返信を送ると、「分かった。そういうことね。」と返信があった。


特に絵文字が入っているわけではないので、ナツキの感情は分かるはずがないのだが、何となくがっかりしている感じがメッセージから見て取れた。何にがっかりしているんだろう?と不思議に思ったが、俺の勘違いかもしれないのでナツキに尋ねることはしなかった。


よし!明日から試験勉強頑張るぞ!と決心して、この日はベッドに横になった。


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