第38話
次に俺たちのクラスが当たるクラスは1-4か2-7のどちらか勝ち上がった方だ。
その試合模様を見ていると、どちらもうちのクラスと同じで1人の背の高くてガタイのいいチームメートにボールを集めて点を取るスタイルのチームだった。そのため試合はどちらかがシュートを決めたら、相手もシュートを決める、点の取り合いになった。そんな点の取り合いを制したのは18対16で1-4だった。
「次の相手はうちのクラスとスタイルが似てるな?これはもしかしなくても今の試合みたいにうちのクラスも八木にボールを集めまくるんじゃないか?てことは俺がボールに触れられる可能性は低くなるよな?」
俺が絶望的な状況に悲観していると、キョウヘイが、「大丈夫だとは言えないが、次の試合は俺も出て、しっかりとセイにボールを回すから、そんなに落ち込むなよ!」と言って、俺を励ましてくれた。
「ありがとな。キョウヘイ。」
俺はキョウヘイの励ましの言葉に少し救われたような気持になった。
1-4対2-7の試合の次の試合とその次の試合まで観戦し終えるとキョウヘイが、「そろそろカジワラとハタケの試合が始まるから応援しに行こうぜ。」とカジワラたちの試合が始まることを教えてくれたので卓球の試合が行われている体育館に向かった。体育館に着くとちょうどカジワラとハタケの試合が始まるところだった。キョウヘイの言った通り、同じクラスの人たちはほとんど応援に来ておらず(もしかしたらまだ試合中の人たちもいたかもしれないが)、応援に来ていたのは俺とキョウヘイを含めて4人だけだった。
試合は応援に来ていた4人全員が思った通り、カジワラとハタケのストレート負けという結末だった。卓球のマナーなので、お情けで1点取れたが、あとは全然いい所がなく負けた。カジワラとハタケも試合が終わって俺たちのところに来るとき、自分たちの成績の悪さが情けないのかぎこちない笑顔を浮かべながら、「あはは……。負けちゃったよ。」と暗い声で言ってきた。俺は、何か言わなきゃ!と思い、「ドンマイ!ドンマイ!仕方ないよ!相手かなり上手かったしさ。かなり健闘した方だと思うよ!な!キョウヘイ?」とカジワラとハタケを慰めながら、キョウヘイに同意を求めた。
「あ、ああ!セイが言う通り、相手が強かったよな!カジワラとハタケは頑張ったと思うぞ!」
「あはは……慰めてくれてありがとう。」
「カジワラとハタケの試合も終わったから、俺とキョウヘイは男子のバスケの試合を見に行こうと思うけど、カジワラとハタケはどうする?」
今こんなことを聞くのは申し訳ない気持ちになったが、俺はできるだけ早く男子のバスケの試合を見に行きたかったので、このあとどうするかカジワラとハタケに尋ねた。
「私たちも一緒に行くよ!ね!ミーちゃん?」
「うん!トツカくんとイチノミヤくんの試合ももう少ししたら始まるしね!応援したいもんね!」
「分かった。それじゃあ、行こうか。」
俺たちはバスケの試合が行われている体育館に移動した。俺たちが体育館に着くと男子のバスケの2回戦の最後の試合が始まるところだった。観戦してると分かったが、どちらのクラスもうちのクラスとは違い、誰か1人にボールを集めるのではなく、全員で点を取りに行くスタイルだった。しかしシュートはお互いあまり決まらず、最終的には6対4で3-1が勝利した。
観戦してる最中に気が付いたのだが、3-1と戦うとしたら、お互い勝ち進んで決勝戦まで行かなきゃいけないので、3-1と戦う可能性は低そうだな。ということに気が付いた。でも、できれば決勝戦まで行ってカジワラにカッコいい所を見せたい!と思っていたので、最後に当たる可能性があるクラスの試合を見れて良かった。と思うことにした。
そして次は俺たち2-3対1-4の試合となった。