第34話
次の日の木曜日、この日も昼休みにハナザワさんと話をするために図書室に行った。
もちろん、キョウヘイには内緒でだ。図書室へ行くとすぐにハナザワさんを見つけられた。話しかけて図書室から人気のない特別教室に移動した。
今までだったらすぐに本の話をしていたのだが、この日は中間試験の順位が発表された次の日で、来週には球技大会が迫ってきていたということもあり、まずは中間試験の順位の話になった。ハナザワさんの中間試験の順位は15位だったらしい。高校に入って初めての定期試験で15位とはハナザワさんはかなり勉強ができるみたいだ。俺なんかは高校での初めての定期試験で進学校の定期試験の難しさに打ちのめされたというのに。その次に球技大会の話になった。ハナザワさんの球技大会の出場種目は卓球らしい。ハナザワさんのクラスの女子はバスケとバレーに出たがる人が多くて、すんなり卓球に出られることが決まったらしい。「ハナザワさんは運動神経はいい方?」という俺の質問に対してハナザワさんは、「あまりいい方ではないです。」と恥ずかしそうに答えていたので、卓球を選んだ理由はカジワラとハタケと同じく消極的な理由だろう。
結局ほとんど本の話をしないまま、昼休みが終わってしまった。ハナザワさんは今回も名残惜しいといった感じの表情をしていたので、次また図書室で会ったら話をしよう。と約束してしまった。次の約束をしたらハナザワさんも納得してくれたらしく、表情も明るく自分のクラスに戻って行った。
放課後、4人で漫画の話をし終えたあと、キョウヘイの家の庭でバスケのシュート練習をした。この日からゴールのボードの正面から90度の位置でシュート練習を始めた。ボードの正面の位置からや斜めの位置からのシュートと違い、ボードに当ててボールをリングに入れることができず、リングに直接ボールを入れなきゃいけなかったので最初は全然シュートが成功しなかった。それでも今までのシュート練習のおかげか、最後の方は3,4本に1本は成功するようになった。この日のあとも球技大会の前日までシュート練習を続けて、何とか2本に1本は入るくらいまで上達した。