第27話
土曜日、授業の間の休み時間にカジワラと話したが、昨日俺がハナザワさんと話していたことや俺に「私とは付き合わない方がいいよ。」と言ったことをまったく気にしていない様子で接してきた。
こうなると昨日の夜、眠りにつくまでに考えていたことが頭をよぎる。俺を振った時にカジワラが言った、「私愛人志望なの。」という理由は、俺と付き合いたくないからでっち上げた嘘なんじゃないのか?それなら大体のことに説明が付く。もともと俺のことをなんとも思っていないから、今まで通り接することが出来るし、俺が他の女子と仲良くしていても気にならないのではないか?だけど、できればそうは思いたくない。それに月曜日に「いつまでも待つつもりはない。」と言っていたが、裏を返せば今のところは待っててくれているということになるのではないか?しかし、猶予はあまりないことは確かだ。だからと言って、カジワラと付き合うためにもう一人誰かと付き合うなんてことはできそうにない。やっぱりキョウヘイに言った通り、まずは中間試験の結果と球技大会の活躍で振り向かせられるように頑張るしかないか。
そう結論付けた俺は午後になるとカジワラのいる図書室には行かずにキョウヘイと一緒にキョウヘイの家に向かった。この日は朝から天気があまり良くなくてキョウヘイの家に着いたら雨が降り出した。俺はシュート練習ができなくてがっかりしたが、キョウヘイが、「あと1週間後には中間試験が始まるんだし、試験勉強に集中できて良かったと考えようぜ。」と慰めてきたので、それもそうだなと考え直すことにした。
7時までキョウヘイの部屋で試験勉強をした。キョウヘイの部屋の中にいたため、キョウヘイの、「夕飯食べて行けよ。」という提案を断れず、キョウヘイと一緒に豪華な夕飯を食べた。本来はナイフとフォークで食べるような料理だったが、箸が用意されていたので箸で食べた。キョウヘイも俺に気を遣ったのか箸で食べていた。料理の名前は説明されてもよく分からないものばかりだったがどれもおいしかった。
夕飯を食べ終えて車で俺の家まで送ってもらっている道中、キョウヘイに、「明日は用事があるので一緒にシュート練習や試験勉強をすることはできない。」と言われた。俺が、「用事があるなら仕方ないよ。」返答すると、キョウヘイはホントに申し訳なさそうにしていた。
日曜日、朝から天気が良くて、今日だったらシュート練習がいくらでもできそうだな。と思ったが、すぐに考えても無駄なことを考えるのはやめて、中間試験の勉強を始めた。先週の日曜日と同じく、集中力が切れたら別な科目を勉強してできるだけ長い時間集中して勉強するようにした。あと1週間で試験だという焦りもあったからか、自分でも驚くぐらい集中して勉強ができた。