第20話
次の日の日曜日、天気は雨だった。
キョウヘイの用事がなかったとしてもシュート練習はできそうになかった。
俺は自室にこもって中間試験の勉強をしていた。キョウヘイがいないと難しい問題は解けそうになかったので、教科書や資料集、辞書などを見れば答えが何となく分かる古文や漢文、英語や歴史などの文系科目の問題集を解いていた。といってもスケジュールを管理してくれるキョウヘイがいなかったので、俺が得意な(好きな)科目の歴史ばかりやってしまった。
さすがにヤバいと思って英語の問題集を開いたが15分もやると集中力が途切れてしまって、気付いたらベッドに横になってスマホで漫画を読んでいた。俺って誰かに見てもらっていないと勉強できないタイプなのかなぁ?キョウヘイと一緒に勉強している時はちゃんと集中できていたのになぁ。と自分で自分に呆れてしまった。スマホを手放して天井をボーっと見ていたらあることに気が付いた。キョウヘイと一緒に勉強していた時はシュート練習もしていたので平日は30分、土曜日は1時間しか続けて勉強していないが勉強する科目を2,3度変えていたことに気が付いた。しかも俺の集中力が途切れてきた時にキョウヘイが「別な科目やるか?」と提案してきていた。そういえば、キョウヘイが「集中力が途切れたら別な科目をやるといいぞ。」と言っていた気がする。よしっ!試してみるか!俺はベッドから起き上がり、机に向かった。
それからは集中力が途切れたら別な科目を勉強するようにした。ずっと同じ科目を勉強するよりは勉強時間が続いているような気がした。この日は他にやるべきこともなかったので、ほとんど自室にこもって勉強していた。
次の日、朝のホームルームで6月にやる球技大会の出場種目を決めるので、午後のホームルームまでに出たい種目を決めておけと担任に言われた。俺は当然バスケ一択だが、競合相手は多そうだった。
2時間目と3時間目の間の休み時間、俺とキョウヘイとカジワラとハタケは球技大会で何に出たいか話した。
「俺とキョウヘイはバスケに出たいと思ってるけど、カジワラとハタケは?」
「私とミーちゃんは卓球にしようと思ってる。バスケとバレーは私たちの運動神経じゃ、他の人たちの迷惑になっちゃうからさ。ねっ、ミーちゃん?」
「うん。あ!もちろん、卓球に運動神経がいらないって言ってるわけじゃないよ!でも運動神経がない私たちじゃ、団体競技は無理かなって思ってさ。」
「そっか。全員出たい種目に出られるといいな。」
「そうだね。そろそろ3時間目始まるね。席につかないと。」
そこで会話は終わり、俺たちは自分の席に戻った。
3時間目、4時間目の授業が終わり、お弁当を食べた後、俺とキョウヘイはカジワラがカウンター係をやっている図書室へ向かった。