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夢憑依Ⅳ(蟲化人誕生、進めこの世界のために)  作者: 夢未太士
第4章 第一部 蟲化人の矜持
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ジュディはお嬢様?

ジュディはお嬢様?


(さてとこの国が変わるまでまだ何か月かある、それまでは又誰かの家に居候でもさせてもらおうか)


バイロはそう考えると空港の帰国便の乗客の中から綺麗な女性を見つけ魅惑の魔法を使い気を引く。


「お荷物を持ちましょうか?」

「有難う♡」

「これからどこへ?」

「所属している音楽事務所よ♡」

「一緒に行ってもいい?」

「どうしようかな~ウフ良いわ♡」


彼女についていくと空港の駐車場には真っ赤なポルシェが止まっていた。

荷物をボンネットの収納スペースに積み込みドアを開けシートに座ると。


ジュディ・クウォン

「シートベルトを締めてね♡」

(4点シートベルトかよ)


そう言うといきなりアクセルを踏み込みタイヤからスキール音を鳴らしながら空港から市街地への道を走り抜ける。

(う~わ強烈…誘う相手をまちがえたかも)横Gが半端ない。

まあ事故ったとしてもこの体には傷一つ付かないが彼女が傷つかないとは限らない。

とりあえず気功を車体に限定して気功防御術を展開した。

ジュディは歌手でしかも今年のこの国のヒットチャートトップ10入り現在27歳独身、3年前に歌手デビューその前はレースクイーンをしていて見る方から運転する方へ転身、去年は電気自動車のF1と言われているロードレースで表彰台に立っていると言う。

歌手そしてレーサーという異色の才能を持っている。

道は全て熟知しているらしく自動取り締まりや警官にも止められることなく平均時速150kで走り続ける、何回かの交差点を曲がり大きな建物のタワー駐車場の前で止まると荷物を下ろし係員にキーを渡す。


「車はたのむわね、ついてきて♡」

「うん ああ…」


建物の1階ホールには受付嬢が2人いてジュディはその受付嬢と話している間、自分はと言うとこういう雰囲気にはあまり慣れてない為、きょろきょろと周りを見渡してしまう。

そうこうしているうちに受付嬢との話が終わり今度は俺の手を掴みエレベーターに乗りこむとこのビルの34階を押す、そこは確か入り口の説明版にタワ〇レコードとあったが、まじか?


「あなた名前は?♡」

「バイロ・ミスイです」

「今からあなたは私の付き人よ良いでしょ、大丈夫よひどいことはしないわ、つまみ食いはしちゃうかもしれないけどウフフ♡」

「は?い?…」


ビビりながら返事をする、どうも女性から積極的に迫られるのには慣れない。

ジュディはこちらを見つめながらウィンクをすると手のひらを俺の手のひらに絡ませてきた。さらにこちらへ体重を掛けて目を閉じる。

指定した階に着くと手を離し背を伸ばす、これが彼女のいつもの姿なのだろうか?

観客の前ではその美貌で妖艶な歌手を演じるデビュー3年目でヒットチャート急上昇中の歌手ジュディ・クウォン。

34階にあるレコード会社の控室のソファに座りやって来たプロデューサーと担当の宣伝企画部の社員を前にこれから出るアルバムの制作打ち合わせ、俺なんかがいてもいいのかと思うが。何故か一緒にいてくれと言われ現場にしかも彼女が座わる後ろに立ち、なぜかサングラスをかけ仁王立ちしている。

プロデューサーも俺の方をチラチラ見ては落ち着かなそうに話を進める。

どうやら仕事に緊張感を持たせるためのパフォーマンスに利用されたらしい。

チャームの魔法が効いているはずなのでこの状態はまさか効き目が解けたかと思っていたがそうでは無かったらしい。

後で質問したら。


「いつも一人だと相手が女だと思って見下すのよね、でもあなたがいればそんなことにならないし、聞かれたら彼氏だと答えるつもりよ♡」


今まで噂だけはしょっちゅう立てられてはいたが週刊誌に書かれた事は全部でたらめで、歌手と言う人気商売を大切にしているせいで反論も出来ず、車で憂さ晴らしするしかなかったが。

どうやら俺が来たせいでジュディが仕事上自分に足りないと思っていたパズルの一コマに、俺がバチッとはまってしまったらしい。


「そいつは良かった」

「今日の仕事はこれで終わり、明日は朝からレコーディングだから♡」

「これからどちらへ?」

「私の家よ 当然一緒に来てもらうわネ♡」


ジュディの家それはこのビルからほんの少し歩いたマンションのペントハウスだった。

都会のど真ん中にそびええ立つ超高級高層マンション、フロントにはコンシェルジュが2人居て常時住人の対応をしている。

徹底した管理態勢と完全セキュリティーの70階建てマンション、もちろんそこに住む住人は金持ちばかり。

彼女が住むのは最上階のペントハウスらしい、しかも最上階のマンションには彼女しか住んでいないと言う。

ビルの敷地面積は縦50m横50m=2千5百平米、エレベーターが着くとすぐ廊下が有り左右をガラスで囲まれた庭園が造られていてさらに進むとガラス窓から上海の町が遠くまで見渡せるリビングダイニングその右側にウェイトトレーニングルームとボイストレーニングルーム。左側が衣装室と寝室バス・ジャグジー&プール。

プールと言っても10m×5m深さ1・2mだけど、後で聞いたがあまり泳げないらしい。

プールはウォーキングが使用目的だと言っていた、なるほど。

そして彼女はおもむろに着ている服を全て脱ぎだした!。

(ワ~~オ)

空港からも見ていたがバランスよく鍛え上げられた肉体、程よくついた筋肉そして程よい大きさの乳房、足も長く均整の取れた体にウエストも細い方だ、お尻はさすがに欧米人と比べれば少し小さいがレースクイーンをやっていただけの事はある。

そして俺にも脱げと進める、あまりお勧めしたくはないのだが・・。

今の俺の体は人化の魔法であそこはあるように見えるが機能はしない、まあそれでもなるようになれだな、もちろん最後まではしない方向で調整する。

全部脱ぐといきなりジュディは俺に飛びついてきた、俺の胸に顔を付けて唇を胸に這わせる、このままにさせておくのもいいが。なんか慣れてないのかぎこちないので、こちらから攻撃に出ることにした。


ジュディの顔を手で挟み顎を抑えると片手を背中に回し引き寄せ唇を奪う。

何分たっただろうか濃厚なキスが数分間、クチュクチュと音が出るぐらい続けると、彼女の体がいきなり脱力した。おそらくは軽く失神したようだ。

それから彼女を抱き上げベッドルームへ今季2回目の昇天タイムである、バイロ(60歳美容師)のテクニックでその後彼女は5回ほど昇天した。(マッサージのみで)

彼女をベッドに残し久々のパーソナルジャグジーを味わう、2020年の60歳おじさんだが温泉スパに行った時にジャグジーに一度だけ入ったことがある、だが個人宅では初めてだ。

温水ジャグジーの中でぼーっとしているとようやく目を覚ました彼女もジャグジーに入ってくる。


「バイロはいつまでいられるの?」

「半年ぐらいかな」

「何故かなあなたはいつかどこかへ行ってしまう気がしてるの」

「今は本当のことが言えないけど別れるときは君に全部教えるよ」

「・・・あなたは救世主?」

「う~んどうかな?悪魔かも」

「あなたの様な悪魔なら私は全てをささげてもいいわ」

「俺も本当の姿なら君に夢中になれたけどね」

「本当の姿・・・本当に悪魔なの?」

「まさか悪魔じゃないよ、どちらかと言うと天使に近いかも」

「ウフ そうねさっき天国が見えた気がしたもの」

「じゃ天使から言づてがあるんだけど聞くかい?」


「ハイ聞きます」と手を挙げる


「この国は3か月後クーデターに見舞われ国民の大部分が命を落とす可能性がある、クーデターは成功するけどね。それともう一つ今この町では何事も無かった様に皆は暮らしているけれど、地方都市は壊滅状態で軍や警察が非常事態宣言を発して国民に弾圧を加えている」

「いつもの事だわ」

「弾圧だけならまだましだ、その理由が殺人ウィルスが蔓延してるからとは知らないでしょう」

「TVで一回見たけどインフルエンザと同じじゃないの前回のウィルスもその程度だったでしょう」

「今回はそんな程度では済まない、もうすでに北部の町は全滅している、発症すると70%死ぬと言われている、軍部からの情報だから確かだ」

「それ本当なの?」

「本当だ、但しこれを知ったからと言って人には言ってはいけないよ、君が逮捕されてしまう。仕掛けはもう済ませたから後は待つだけでいい」

「どうしてそれを私に教えるの?」

「防ぐ手段があるんだよ、見ていて」


そういうと気功術初級をはじめ中級を操作して光を自在に動かす。


「なにそれ?手品?」

「これは気功術と言って誰でもできる事なんだ、これを君にもしてもらう」


そういうと気功術初級を手取り足取り教えていく。


「面白いわこれ、確かに誰でも出来たら手品でもなくなるわね、でもこれとウィルスの関係は?」

「この気功術はもうすでに日本とアメリカそれからヨーロッパ各地で進められていてウィルスに対抗する効果があると発表されている」

「香港では聞かなかったけど」

「インターネットでの検索は厳しい情報統制が敷かれているから外国の情報は見ることはできないよ、国民に知られると弾圧しにくくなるからね。気功術を訓練すると体力が数倍になるんだ、試しにさっきの初級をしながらプールを歩いてごらん」


ジュディは引き締まった体からしずくを滴らせながらプールへと向かうと水を掛け中へ入っていく、一回深呼吸したあと気功術初級をはじめるとプールの中を歩きだした。


「ほんとだ軽いわあんなに運動した後なのに(笑)」

「この気功術を上級まで上げると拳銃の弾もはじくぐらい防御力が高くなる。但し魔素は都会ほど少ないからすぐ切れる可能性が高い、できるだけ緑が多く自然が豊富なところで補う必要があるけどね」

「面白いわ、これ毎日続けるわ」

「続けるのは良いけど下手に知られると売国奴に見られるから自然に行うかもしくは、太極拳の一つとでも言っておくといいよ」

「解ったわ有難う、やっぱりあなたは運命の人だわ」

「それで、頼みたいことがあるんだけど」

「何?」

「たぶんちょうど何か月かするとクーデターが始まるが、その時TV出演ってないかな、しかも生出演で」

「有るわ確か3か月後の土曜日かしら」

「たぶんその前後から一斉にクーデターが始まる。その放送に出させてほしい、君の顔をつぶすようになってしまうが、暴漢に襲われた風を装うようにすれば大丈夫だと思う。その時国民にクーデターの話それから始まっても騒がないでと、TVを通して皆に協力してもらえるように魔法をかけるから」

「解ったわでも・・でもTVを通して魔法をかけるなんて大丈夫なの?」

「昔超能力者がTVを通して時計を直したりスプーンを曲げたりした番組あったでしょ、あれより少し強力だけどね」

「ユリ・〇ラーの超能力ねもう300年以上昔の話よ」

「君よく知ってるね」

「子供のころ超能力欲しくてパパに頼んでみたことが有るわ、頼んで出きる様になんてならないんだけどね♪」

「そういえば君のパパは何の仕事をしてるの?」

「軍人よ海軍の将軍をしているわ」


神のいたずらなのか、この時ほど自分が見えない何かに操られているのを感じた事は無かった。全て繋がっているのだ、この先に行けと運命が告げている、すぐに彼女の父親に会う事を選択し後日席を設けてもらった。

さすがに軍のトップと言いう立場ともなれば娘のちょっとした我儘ぐらいでは会う事すらできない、赤の他人が会うのならばいくつかのステップを踏まなければいけないのだが。

今はそんな時間的な余裕もない、ならばどうするのか。

俺はジュディと口裏を合わせ一つ芝居を打つことにした、俺とジュディが婚約すると言う芝居を。

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