表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢憑依Ⅳ(蟲化人誕生、進めこの世界のために)  作者: 夢未太士
第4章 第一部 蟲化人の矜持
19/75

バイロと一体化(西暦2300年)

バイロと一体化(西暦2300年)


バイロが眠りについたその後、ゆっくりしか動かせなくなった老体に鞭打ち、多賀はこれから同化の儀式を始めようとしていた。

どうしてもこれをやらなければならない、これは自分に課せられた使命の様なものだから。

すでに340歳と言う人類史上最高齢となった現在、今さらこの歳で幕を閉じるのもらしくない話だ。

どうせなら行く所まで行ってやろう的な乗りだが、正直この先の未来を見てみたいと言う欲も出てきたのも一つの理由だろう。

それにはこの儀式は絶対はずせない、バイロを乗せたベッドの横には同じようなベッドが置かれていて、下に敷いたシーツには幾何学模様と英数字それから漢字も書かれている。

この魔法陣が2人を一体化させる魔法の一部であり、床にも様々な魔法陣が描かれていて。

後は隣のべッドに自分も同じように体を横たえ最後の呪文を唱えるだけとなった。


「我の時を彼の時と同化し我が肉体と彼の肉体の同化を望まん天地神明の理に法り全ての同化を成功させん」

「パーフェクトフュージョンコンプレーション」

「・・・」

ピカッ!


室内がはまばゆく光り出し2つの肉体が一度分子ごとに分解していくと、また一つに纏まって光り出す数分続いた光が徐々に薄まり出すとそこには一人の若者の体が現れた。

皮膚の色は黄色人種そのまま体つきはやや筋肉質身長は187センチ髪は黒く立派な青年にしか見えない。

目を開けると自分の体を触り確かめる、肌は若返り髪はふさふさそして立派なあそこを見て多賀は涙を流した。(やった 成功した)ひとりでにガッツポーズをとる。

多賀は200年かけて西洋呪術や日本の陰陽術など特に魔法による文字や文献を研究した。全てこの日の為にあらゆる祝詞や魔法陣の研究をしてきた、少しでも不安を取り除くために成功するために。おおよそ必要の無い魔法まで下支えになれば可能性が良くなれば幾つの魔法でも構わない片っ端から取り入れる。

そうして完成したたった一回一度きりの魔法陣、数えてみればなんと108つもの魔法陣が書かれていた。

成功したのは魔法陣のおかげだけでは無かった、340歳までに彼が成した善行が魔法陣と同じ108つあった、そうこの物語の彼の夢旅の回数だここまで来るのに後104回2020年の多賀は夢旅をしなけりゃいけないのだが。

それは2300年の多賀本人にもわからない事である、彼はここまでの魔法陣や作った魔法と自身の魔力だけが成功に結び付いたと思っているからだ。

平成2年に戻った彼もそのことは知らない、あと104回夢旅に行くことを。

多賀はバイロが着てきた服を着て一応合わせてみる、サイズはバイロとほぼ同じだった今は気功のみ纏っている人化の術は掛けていない。思い出したように冷蔵庫へ行くと昨日買っておいたケーキをペットボトルのジュースと共に取り出し食べてみる。

蟲の体の時は食べることもできなかったが、今はしっかりエネルギーとして摂取できる。


(もぐもぐ)

「やった・・・問題なし」笑顔


虫との同化のため内臓器官がちゃんとできたか不安だったが、どうやら思い道りに作り替えることができたようだ。

そしておもむろにPCパーソナルコンピューターのスイッチを入れてため込んだAVからエロ系の作品を数点チョイスし反応を確かめる。


「スパシーバ YESYES」

「オージーザス」


完璧だったそれはそれは素晴らしい感覚そして感触も若い頃以上だった、これから訪れる春が目の前を彩る明るい未来が、まるでそこら中に花が咲き乱れる様に高まる興奮を抑えきれない。

その日彼は20代の頃に戻ってやりたいことをした。

それは300年ぶりの一人Hだった。


(いや普通皆そんなもんでしょ)


マンションのカギはディンプルとカードのダブルキーだこの時代は指紋と音声が一般的だが、多賀は古いタイプを使用していた。

指紋も音声もこうなれば使えないからだ。

寂しく一人Hしたその後は丁寧に跡片付けを始めた床の魔法陣をふき取りシーツを洗濯機に入れベッドの一つを別の部屋にしまい何事も無かったかの様に、端に寄せたトレーニングマシーンを元の場所へと並べていく。

少し汗をかくがそれは気持ちの良い汗だった、これからは三簾秀樹としての人生が始まる。

出生届の再発行が完了するのは明後日だ、実はミスイと言うのは俺がこの地区に引っ越して来た時世話になったおばちゃんの苗字だ。

そのおばちゃんは一人暮らしで農家をしていたが年であまり動けなくなり、たまたま俺が始めた気功術にはまり親しくなった近所のおばちゃんである。

天蓋孤独ではなかったが息子が2人いて孫が一人いた、だが息子は2人共ウィルスで亡くしたらしい、だからなおさら俺の事が気に入ったのかもしれない、親しくなってからは気功術だけではなく美容師として頭を整えてあげたりもした。

だがミスイのおばちゃんは気功術を覚えたのが75歳だったからそれから30年後寿命で亡くなった。


死ぬ前におばちゃんは家と財産を俺にくれるための遺書を書いた、当然孫にも連絡したけど。孫と言っても30歳は過ぎていて残った遺産は全てお金に換えると言ったので俺は残りの財産を孫から買い取ることにした、ほとんどが土地だったからね。

宝くじで得たお金もあったから問題なかった、孫はまだ独身で親をウィルスで亡くし自分も病気を患い苦しんでいた。

そこに祖母の死が追い打ちをかける、可哀そうで色んな相談にも乗ってあげた。

俺は彼女にも気功を教えその後は病気もかなり改善できた、今後の為にもそして俺の為にも彼女に養子縁組の話をした。

彼女の戸籍に入る形で進めたがこれがかなり厄介で申請書がなかなか通らない。俺の歳が300歳を超えていたからだ。

市役所の職員にも頭の固いやつがいて何度も書き直せと言われたが、嘘は書けないし仕方がないから最後には彼女が出産したことにして嘘の出生届を出し受理してもらう形をとった。

普通は出来ないがこちらには魅惑の魔法や隷属の魔法があるからね、最後の手段を使ったわけだ、書類がちゃんと書いて有れば役所も後は受理の判子を押すだけ。

その申請書が受理されて効力を発するのがあさってからになる。

ちなみにそのお孫さん今は110歳になる、俺が教えた気功術と魔術で年齢は30代ぐらいにしか見えない。たまに食事したりもする、そう今は日本気功術協会の湯沢支部で講師をしている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ