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夢憑依Ⅳ(蟲化人誕生、進めこの世界のために)  作者: 夢未太士
第4章 第一部 蟲化人の矜持
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その時バイロは

その時バイロは


まだ付き人をしていた。


予定では後ひと月後だが知っているのとその通り計画が進むのとは別問題。

昼間はジョディの付き人として荷物や邪魔者の排除、殆どはファンやストーカーだが中には○産主義派のスパイも居てボディガードとしても一役買っている、もちろん夜は彼氏として最低1回は夜を共にした。

その間にもウィルスは確実に進みウィルス感染の検問は現在この町のすぐそばまで来ている、この町では現在外出禁止令が出ていて外には警察と軍関係者しか道路にはいない状態だ。暇を見つけては近場にいる軍関係者や警察の人間に隷属の魔法をかけているので、ジュディの我儘で外へ出ても怪しまれることはない。

まあポルシェでのドライブは現在お休み中だけどね。

俺がいればストレスが発散できるらしくて、部屋にいても何とか我慢できるらしい。

今の状況でポルシェを走らせるのも気持ちよさそうだが、道には車もほとんど走っていないので逆にスピード出しすぎて事故を起こすのは勘弁してほしいから、現在は2人してストレス発散の為ルームランナーを使用して自らの足で走っている。

外出禁止令によって完璧に体はなまっているから現在は朝昼晩と合計3時間のトレーニングを設定している。気功術を使用するとルームランナーも時速70kで30分は当たり前でこなせる。彼女も最近は慣れてきて時速30k1時間とか、このままマラソンの選手でもなれそうな身体能力だ。

彼女の気功術も現在4級になりお忍びで訪れる将軍の気功術も3級と2人共才能があるのには驚いている。あれから以降は敵からの接触はない、逆に不気味ではあるが。俺がクーデター設定した各検問所からの交戦情報もなさそうなので、特に表立った戦闘もなく事は着々とXデーへと進んでいると言っていいだろう。


現在ジュディの仕事はレコーディングがほとんど来月発売するアルバムの制作で忙しい、そのアルバムにはオリジナルの楽曲も何曲か入る予定だが、トレーニングの合間に俺にも1曲書いてくれとせがまれた。

60のおっさん趣味は多い確かにギターもアルペジオやスリーフィンガーあたりまで弾けるが、作曲はしたことがない。音符は読めるが音符についているあのふにゃッとした線と音の間隔やおたまじゃくしの位置がよくわからない、5線譜に書かれた歌を歌う事は出来ても4分音符とか2分音符とかいう音の間をどう書いたら良いのか分からないのだ。なので5線譜へ書くより鼻歌で録音した方が早い。

若い時作曲しようとしてもその面倒くささから諦めていたのだが、なんとこの時代では鼻歌がそのまま曲として作成できるだけでなくバンドやオーケストラの楽譜迄設定できるらしい、何とも便利な時代だ。

だからレコーディングと言っても歌う本人のみがレコーディングするだけでバンドやコーラスは全部機械(ソフト:アプリ)任せで出きてしまう。

ジュディに是非とせがまれて仕方なく鼻歌作曲してみました、そしたらその曲が気に入ったらしく。ジュディは自分で詩を付けてアルバムの中に加えることになった。曲調はバラードしんみりとした曲調が妖艶な彼女の声によく合う、愛に迷う男の無様な物語の歌だ。

他の歌にも俺の声をサンプルでとられてバックコーラスの1人に入れられてしまった。

まあジュディが喜んでいるので結果オーライだが、この年で作曲家デビューできるとは思わなかったよ。

もしも俺がこの時代に生きているのなら著作権は手に入るのだろうか?西暦2300年俺の歳は280年後なので340歳、まあ普通に考えれば死んでいて当たり前だな。だがこの国からでも俺は自分と同じような気を遠く東の空を見ると感じる。

俺がこの時代に生きていると・・・・


ジュディのアルバムが出来上がり全12曲が入ったそのアルバムは来月1日に発売予定となった、そのための番宣で1週間後MⅤ(みゅーじっくビユー)番に生出演することになっている、おりしもその日は国会で会議が始まる日でもあった。

その数日前 予定通り各検問所で暴動が発生していたすでに民主派と政府派に分かれて戦闘状態の地区が増えており外は軍の戦車や兵の輸送車でかなり騒々しくなっていた。

時折ジュディの部屋を抜け出し民主派の加勢に出かける、と言っても人を殺しに行くわけではない。政府派をかたっぱしから民主派にするため隷属の魔法をかけまくるだけだ。

実はほとんどの兵士が守るべき国民に対して殺意を抱いているわけじゃない、当然の事だが彼らもまた操られているのだトップにいる強欲な者達に、だから隷属の魔法で少しこちら側へ戻してやればアーラ不思議その地区は戦闘行為を止めて手を取り民主化を進める兵士たちに早変わり。

若干の死人は出るがそれは命令通り戦った証拠になり政府派は単に戦闘が終わり自分たちが勝利していると錯覚する。

報告は全て政府派の勝利と司令官に嘘をつかせるのだ、そうしなければ又意味のない殺し合いが始まる。

ウィルスのせいでただでさえ戦える兵も国民も減り続けているのにこれ以上国民同士を傷つけ合わせるわけにはいかない・・・・

ここが日本では無くても見て見ぬふりは出来ない少しでも罪のない人が助かれば俺のやっている事にも価値はあるだろう。

結局テコ入れした戦闘地区は10数か所以上に及んだが、戦闘が終わった後は大人しくしているようにしてある、但し数人の司令官には最後の詰めとしてこの国の国会や黒幕の住む館へ出動してもらうように隷属魔法を追加使用した。


この国の裏にいる3人の内1人は民主側に寝返り済み、残る黒幕である2人も名前は割れて軍の秘密資料の中からすでに顔や住まいまで割れている。

最後にはこの2人のところへ軍や警察が攻め込んで国家反逆罪で捕まえれば民主化の第一関門は突破したことになる。

この国の国会も現在両派閥が激戦を繰り返している、昔なら一党独裁の為議論の白熱など無かっただろうが今国会はいつもとは違っていた。

民主化を唱える議員が半数以上いたからだ。今までの悪行三昧もまるで無かったかのように寝返った議員が民主化を唱える、今まで一緒に国民を食い物にしてきた旧友がいきなり反旗を翻すのだ、一蓮托生ではないかとたかをくくっていた政府派はまるでキツネに化かされたように唖然としていた。

ここまで来ると波は民主派に傾く、政府派の人間も今起こっている状況を知らないわけではない、中には今すぐにでも国外へ逃亡したい議員も数十人おりウィルスに対するこの国のやり方に賛成をしても一緒に死にたいわけではないのだ。

8時間の議論の末反対派も少なくなり今国会で民主化の第一歩である、長年続いた〇産主義を廃止する法案が可決する。

その後も民主化に向けた追加の法案を次々に申請し多数決で法案を通していく、議員のほとんどが民主化の波に乗り、次の日は黒幕の逮捕を進める為の法案を中心に通していく。黒幕二人の命令で悪事に加担させられていた事にしてしまえば自分たちはそれほど大きな罪を追わなくて済むからだ。

そう考えた議員たちは黒幕2人を逮捕する法案を異例の速さで承認した。

軍と警察はすでに2人の館に派遣されており法案可決と共に逮捕状の発行を待っている。

黒幕2人は当然別々の家にいるが一人は地下道を通り逃げようとしていた。


ハクオウ・チャン

「なぜこんなことに、早く逃げなければ」


ハクオウはこの国の広〇市から40k離れた丘の上にある高級住宅地に大きな屋敷を構えていた。建坪500坪 庭は千ヘクタールはある親族も皆この広い土地に居を構えており逮捕状が出ているのはハクオウとその親族数名。

屋敷の地下倉庫からは地下道を通るとこの町の汚水処理場へと出る、今地下道を歩いているのはハクオウと親族5人それとハクオウが雇っている護衛が4人。

屋敷には替え玉を置いてきている、替え玉が偽物とわかるまでは時間が稼げるだろう。地下道から出たらトラックに乗り二手にわかれ逃げる予定だ一つは香港からフィリピンへと海路を使った逃走経路、もう一つは陸路を南寧市からベトナムへ入るルート。各地に自分の支配するファミリー企業が有りうまく行けば二日で国外へ出られるだろう。


「あと少しで地下道から出ます、様子を見てきますので皆さんはここで待機してください」

「はあはあ 頼む・」


ソジン・チャン

「兄さん残してきた妻や子は本当に大丈夫なのか?」


「ああ妻も子も何も知らなければ大丈夫だ」

「そうか良かった」

「良くはないぞ、もう下手すると一生会えないからな」

「それは困るぞ、俺は引き返したい」

「お前は何を言っている、捕まれば死刑は免れないのだぞ」


ソウシズ・チャン

「全くとんだ外れくじひいちまったもんだ」


「いままで良い思いをしてきたつけだ、こうなると知っていれば何とか手を打てた物を。・・・」

「オヤジなんで分からなかったんだよ」

「さっきタオフクから電話で聞いたところリュウシンが裏切ったらしい」

「まじかよ」

「あのリュウシンが、あれほどの〇産主義者がどうして?」

「ウィルスの猛威を見てビビったんだろう、どちらにしてもこの国はもう終わりだ、早く逃げるに限る」


彼らの一部は途中で捕まり逃げおおせたのはほんの1人か2人、民主化に伴い近隣諸国と条約を結び犯罪者や政治犯の引き渡し条約を締結してからほとんどの逃亡犯が数年のうちに本国へ送還されることになった。

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