すろーらいふのうた
きょうも あしたも あさっても
ずっと ずっと おなじ まいにち
きのうは はたけを たがやして
あしたは かちくの せわをする
まいにち まいにち おなじことの くりかえし
たいようが のぼるまえに めをさまし
ひがくれるまえに いえへかえる
おなじことの くりかえし
つちと わらと たいようの におい
こうばしい ぱんの やけるにおい
ぐつぐつとにたつ なべのなかの すーぷ
まいにち おなじ しょくじ
しょくじは あさとばんに にかいずつ
たべて ねて はたらいて
まいにち まいにち くりかえし
よるになったら ふうふで あいしあい
きづいたら こどもが できている
こどもたちは びょうじゃくで
ちょっとしたことで しんでしまう
だから なんにんうまれても いきのこるのは すこしだけ
おんなは おとなになったら とついでいく
おとこは ちょうなんが いえをつぎ
おとうとたちは ほうこうにでるか むらのそとへ はたらきにいく
ねんに なんかいかの おまつりのひ
そのひだけは みんなが たのしそうに はしゃいでいる
おとこたちが ほかのむらから あそびにくる
きょうせいが あちこちから きこえる よる
くりかえされる いとなみ
こどもがうまれ おおきくなって
いきのこったものだけが かぞくをもつ
はたらいて はたらいて たべて ねむって
まいにち おなじことの くりかえし
せんそうがはじまったら おとこたちは たたかいにいく
もどってくるのは ひとにぎり
いきのこったおとこたちは まいにち はたらく
おんなたちも まいにち はたらく
おなじことの くりかえし
まいにちが くりかえし
それでも ちっとも ふしあわせじゃない
いきていることが よろこび しあわせ
むらのそとに むげんのせかいが ひろがっている
どこまでいっても はてがみえない むげんのせかい
そらをみあげれば はてしない むげんのくうかん
たいようも ほしぼしも ひとがてをふれられぬ ばしょにある
とおくにみえるやまも ここからはみえないうみも
ふれられない みちのとち みちのばしょ
でも たしかに そんざいしている
むらびとたちは やまと うみを しっている
そらもまいにち みあげている
むげんのせかいに かこまれて どこまでも どこまでも じゆうな
ちっぽけな にんげんたちは きょうもせかいのはてゆめみて
ねむる ねむる ぐっすりと ねむる
あしたが くることを うたがわずに
ねむる ねむる ふかく ふかく ねむる
おやすみなさい