家
「あの、最初から分かってました?」
『うん、武器店の時から分かってたよ』
「おうふ、、、。」
『少し、悪戯しようと思って』
「マジですか?」
『まあ、でも、あれ位オッケーだよ?
卑屈雰囲気イケジョでもイケジョはイケジョだし、んふふ』
「何と言っていいやら」
『まあ、とりあえず、これからもよろしくね』
「こちらこそよろしくおねがいします」
『名前とかある?』
「吾輩あんまり武器店以前の記憶が無いんで名前も分かんないんですよ」
『そうなんだ、じゃあどうしよ?
格闘の武器だし、ナックルとかどう?』
「まんまじゃないですか」
『えーじゃあ、どんな名前がいい?』
「吾輩、自分を呼ぶときは吾輩としか言わないもので、どんなのがいいかなぁ」
『じゃあ吾輩君とか?』
「あー、はい、もうそれで」
『じゃあ、吾輩君で』
『で、何で吾輩君は意思というかそんなのがあるの?』
「それが、吾輩にも分からなく、気付いたらセール品の中にいました」
「でも何で、あーと、何と呼んだらいいですか?」
『私のことはサーナタリア、サーナって呼んでもいいよ』
「じゃあ、サーナタリアさん、何で吾輩と話せるのですか?」
『それは、私、前世が武器だったからかな』
「は?マジですか?」
『うん、女神イシリスがもってた短剣サーナタリア』
『で、何かイシリスがいきなり、そうだ、あなた超越者の見込みがあるから、
冒険してみたらって言われて、軽い感じでうんって言ったら、
この家に住んでる、サーナタリアっていう二十歳女子なってて、、、』
「え~と、どこから突っ込んでいいのか」
「とりあえず軽くないです?女神様」
『んー、そんなことないと思うけど、今回はそうとられても仕方ないかな』
「はあ」
『あなたももしかしたら、私とは逆で前世が特別な人だったりして』
「もしかしたらあるかもしれませんね、今の話聞いてたら」
『まあもう寝る時間だし、積もる話は追々ってことで、
明日からは改めてよろしくね。おやすみ。』
「おやすみです」
そう言ってサーナタリアは吾輩を道具入れの中にしまったのである。
プライバシーの観念があったらしい。惜しい次第である。