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雰囲気イケジョと格闘武器

吾輩は格闘武器のナックルである。

とある武器店の中古セールのまとめ売りの内の一つである。

中古であるからには、店でセールに出される前の記憶があるはずなのだが。無い。

今日も甲斐甲斐しく、手にとってもらえるのを待つのである。

久方ぶりだろうか、今日は数ヶ月ぶりに手にとってもらえる予感がする。

「チリンチリン」

その予感のする音が聞こえた。

年は二十だろうか。雰囲気イケジョっぽい、優柔不断そうな若い女みたいだ。

どうやらこの人が予感の人らしい。一人である。

早速こっちにやって来た。

中古のセール品に一目散にやってくるとは、そういうことだろう。

セレブが良かったなんて思っていない。

その雰囲気イケジョがしばらくセール品を物色していると、

吾輩に視線が移った。

買ってもらえるかどうか分からないが、存分に見ていってくれ。

これでもセール品の中では自身があるほうだ。

雰囲気イケジョが手に取ってくれた。

「どーよ?!」精一杯アピールする。値札を見てくれている。

どうやら少しは気に入ってくれたらしい。

『うん!』

雰囲気イケジョはそう言って、財布を取り出し吾輩を会計のところまで持っていった。

どうやら、吾輩のご主人様と言っていいだろうか、相棒と言っていいだろうか、

この雰囲気イケジョと共に歩むことになりそうだ。

「チリンチリーン」「ありがとうございましたー」

吾輩の外の生活が始まる。


ここで、吾輩のスペックであるが、小手つきの薄い金属製の、

拳を痛めないように中に毛糸が詰められた、初心者も安心な設計の

攻防こなせるナックルである。

こんなことを言っている内に、雰囲気イケジョ、いや相棒が町の外へ出ようとしている。

どうやら早速、吾輩を試すらしい。

幻滅されないように頑張ろうと思う。

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