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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者と一緒に世界を救う旅に行く…………はずだったんだけどどうしてこうなった。

作者: デューク

まだまだ、稚拙な文章なので感想やポイント評価をいただけると励みになるので時間がある方はおねがいします




「ルイン様、お慕いしております」


今、僕は告白されている。みんなきっと羨ましいと思うだろう。

なんでそんなに今にも吐きそうな顔してるかだって?

うん、僕もね、嬉しいよ?これがね女の子なら。

だってこいつは―


「あなたこそ、真の勇者です。この偽勇者を下僕にしてください」


こいつ、偽勇者の正真正銘の男である。

ざけんな!俺には幼馴染と義妹と王女が今同行してんだぞ!

見ろよ!このうわ………って顔!俺は男色の趣味なんかねぇ!お前たちの方が好きだよ!

うん?王女さんやなんで顔が赤いのかな?うん?


なんでこんなことになってるかを説明しなければならない。

交流して愛が芽生えたとかじゃないからな!










最初に勇者と会ったのは信託の日である。

僕と幼馴染のアーシャと義妹のシフォン3人で神託に行っていたのだ。

神託はスキルや称号をもらう儀式みたいなものである。

称号は複数のスキルを持つことができる。


「アーシャ君は断罪者のスキルだ。これは物事や人物の善悪を判別し、悪に対して相応の罰を与えるスキルだ」


「ふぅ、そうか。剣聖とか神弓とかじゃないのか。断罪者って……」


すっげー、嫌そうな顔してんな、アーシャ。勇者パーティに参加できるのは名誉だがまぁ気持ちはわからなくもない。うん、僕もおんなじ顔してると思う。ドンマイ。

次は義妹の番だ。


「シフォン君は傀儡士だな。人工物や加工物を自由に操る事が出来る。そして、指から糸を出し足りも出来る」


「かわいくない………やだ……」


露骨だな。マイシスター。君は可愛くないもの嫌いだもんね。でもね称号だよ?もっと喜ぼうよ。

あ、やばい。次は僕だ。うん、待って?二人とも称号だよね?

これで僕がスキルだけだったら超恥ずかしいんだけど。

やめてよね、二人とも称号持ちなんて。彼女たちが評価されるのは僕も鼻が高い思いだ。


「ふむ、最後はルインズ君か。鏡者きょうしゃ………うん?このスキル見たことないぞ。………試しにスキルを使ってみてくれないか」


えぇ~何それ。反応に一番困るやつじゃないですか。

見てあの二人、ちょっとかわいそうなものを見る目をしてるよ。

やめて!そんな目で僕を見ないで!


「はい、……………『ミラー!』」


…………、うっすーいなんか透明の板みたいなのが出てきた。

僕の顔が映る。うむ、何とも言えない顔をした中性的な顔だ。

誰が男女だ!怒るよ!


ゴホン、取り乱してしまい申し訳ない。でも許してほしい。

だってこのスキル何ができるか全然わからんのだよ。

使えるのはこのミラーだけ。でも呼び方が違うから恐らく称号なのだろう。


「ふっ、ふふ……おにぃ………ドンマイ………ムフ」


「いや、これすごい!朝の支度に助かる神スキルだ!」


何が悲しくて朝の支度のためだけにスキル使わないかんのよ。

しかも僕は男だから全く使わないし。


「まぁ。その………なんだ。どうやら称号みたいだし、一応王都に陛下に謁見してもらおうか」


泣くぞ?終いには泣くぞ?この上さらに王城で恥を晒せって言うのですか。

ちくしょー!断罪者wとか傀儡士wとか思ってた自分をぶん殴りたくなってきた。


「よし、これから身支度しよう!神スキルもあることだ!」


「だね、……カワイイ、おにぃ………ムフフ」


「い、嫌だ、僕は男だ。いやだー、やめろー、離せ―!」


二人に腕を組まれ無理矢理に連れて行かれる。

この二人、こういう時、尋常じゃないくらいに強くなる。

助けて!神父様ー!たす…………いや、羨ましそうにこっち見ないでくれない?

あんた、聖職者だろ。仕事しろー!!!!












金髪ロングに長い睫毛、目はパッチリのエメラルドの二重で透き通る白い肌に薄く化粧がされており端正な顔立ちをしているまるで物語から出てきたような幻想的な女性にしか見えない人がいる。………のだが、


「何が悲しくて自分の女装姿なんか見なくちゃいけないんだよ!しかも、自分のスキルまで使ってさぁ!」


ちなみに、髪はウィッグある。義妹の無駄に心血を注がれ(スキルまで使って)仕上げられた。至高の逸品である。イラナイ。とはいえない悲しき義兄である。


「………(無言のサムズアップ)」


「いやー、やっぱり素敵だ!二人揃うともうあれだ!…………言葉にできないよ」


「アーシャ、君は本当に変わらないね。僕への挑戦状だよね?」


それはなぜか。

アーシャは僕より背が高くキリっとした睫毛でルビー色ショートヘアに同じく情熱の炎のような紅の瞳。超絶腹立たしくらいの男前の顔立ちである。しかもこのハスキーボイス。まじで交換してほしい。


「おにぃ………かわいい………大好き」


おぉ、義妹よ。抱き着くのは勘弁してくれ。君のその優れた容姿で抱き着かれると色々とツラい。

黒のさらさらとしたストレートの髪と黒の瞳に僕と同じくシミ一つない白の肌。まるで東方の国の「ニンギョウ」のような精巧で魅力的かつ、女性であることを感じさせる甘やかな匂いは理性が飛ぶかもしれない。


「好いてくれるのは嬉しい。が離れてほしい。これでも男だからね」


「大丈夫………おにぃ………シィにヒドイこと……しない」


やめて!そんな純粋な目で見ないで!裁かれちゃうから。

そこにいる超イケメンの幼馴染に断罪されちゃうから!


「ゴホン、仲がいいのは良いことだがそろそろ迎えが来る時間だな。確か………勇者が来るんじゃなかったかな?」


「ご苦労なことだよねー。何でも今回の勇者は格好良くて人気が高いらしいね」


「………おにぃのカワイさ……最強………そいつ………いらない……」


うん、今日もかわいい義妹である。なでなでしてあげよう。

まじでシフォンの方が最強にかわいい。


「よし着替えるか」


「すまん、それはできないかもしれない」


…………嫌な予感がしてきた。ま、まさかね。そんなまさかね。


「あぁ、楽しみ過ぎて時間を忘れていた。もう宿場で待ってる時間だろう」


「…………つまり?」


「このまま行くしかないだろう。これ以上待たせると何があるかわからん」


「やった………このおにぃと………旅行……」


「よし、いっそのこと女性のふりして話そう。すこしきな臭い話も聞いたからな」


え?待って?女性のふり?あかん、この流れはあかん!

だって、この姿何回口説かれた数えきれないからね。

しかも村の奴らは僕が男だと知りながら。毎日後ろが怖い思いしてたんだからね。

でもー


「あのー、拒否権はー」


「「ない」」


ですよねー。













いやーサイコーだわ。勇者。うんまじで。

転生したことに気が付いたのが数日前。

聖女様に触れようとして払われてバランスを崩し頭から落ちたら


んで、目を覚ますと前世の記憶と封印されたスキルが使えるようになった。

『魅了』前は異性だけだったのだが勇者になったおかげで男の好感度もいじれるみたいだ。

陛下も軽く魅了を使い試して俺が動きやすいようにさせた。

前世では女を魅了しすぎたせいで処刑されたから手を打ってたのだ。

これなら国なんて目じゃないくらいの支配ができる。


だが慎重にする。

幸いにも俺は勇者で俺が寝てる間に有力な称号持ち二人の美少女がでたらしい。

ただゴミ称号持ちの男がいるらしい。くそ忌々しい。


いいぜ。ゴミ称号持ちに二人の美少女なんて割に合わねぇからさ。

俺がもらってやるよ。んで、魔王なんてとっとぶっ飛ばして豪遊だ。

うーん、選ばれた勇者ってのは気分がいい。


しかし、おっせぇな。早く王都に帰って王女も落とさなきゃなんねんだよ。

聖女なんて言ってるからパーティに入れていけ好かない生まれただけで美少女に囲まれた運だけの奴に見せつけやるぜ。


おぉ、今入ってきた三人組やばいな。

絶対あれだわ。ふむふむ、聞いてた通り美少女二人とおれと同じくらいのイケメンか。

くそ、まじで腹立つな。あの金髪とか王女と同じくらいかわいいじゃねぇか。

しかも、ちっこいのは…………かわいいがまぁ後回しだ。


決めた。

俺は俺と同じイケメンってやつが大っ嫌いだ。

絶対あの金髪の美少女を寝取って泣かしてやるぜ。

挨拶がてらに魅了かまして宿で楽しませてもらうぜ。


「やぁ、君たちがこの村から僕の勇者パーティに入ってくれる3人かい?よろしく」


そういって、金髪の美少女に握手をする。

やっば、この白い肌王女より上かもしれん。

目を合わせる。『魅了』だ


ドクンッ。俺の中で心臓が跳ね上がる。

これは………嘘だろ。『魅了』掛けたのは俺だ。

なのに、なんで俺はこいつのことから目が離せなくなってんだ?

やばい、他の奴も少しずつ『魅了』かけていくつもりだったが予定変更だ。


イケメンとかちんまいのなんて後回しだ!

何が何でも手に入れてやるぜ!











ふう、とうとう着いてしまった。

神託の日以来災難だ。アーシャは自慢の義妹のせいで王都顔負けの礼装でイケメンになるし、僕にはウィッグから小物まで女性向けの品ばっか作ってくるし、おかげで義妹の誘惑ハグも増えるし……

まぁ、お義兄ちゃんハグは嬉しいけどね。


しかも、女装して勇者に会うとかそしてこの酒場、村の連中もいるだろう。

つまり視線が集中する。もうね、帰りたい。ここが故郷だけどもう帰りたい。

酒場のドアを開ける。


案の定、視線が集まる。おまえら俺の事男だって知ってんだろ!

なんだよその視線!しかもやたらニヤニヤして近づいてくるイケメンがいる。

………アーシャに負けてるのはツッコんじゃだめなんだろうな。


「やぁ、君たちがこの村から僕の勇者パーティに入ってくれる3人かい?よろしく」


さっきの顔とは全く違う、さわやかな顔でこちらに手を出す。

僕に向かって。うぇ~いやだな~。

まぁ、握手しないわけにもいかない。


「よろしくです。勇者様」


そして握手をする。ふいに目線が気になり勇者の顔を見る。

すると、一瞬光った気がした。

なんだかよくわからないがなにかされたのだろう。

特に身体に変化はない。


ゾゾゾッ、体中にミミズが這いまわったかのような悪寒が走る。

なんか勇者の顔がキラキラしてる気がする。

………この顔見たことあるわ。

うん、あれ。女性がアーシャを見て声をかけるときの顔と同じ。

ははっ、お父さんお母さんアーシャ愛しの義妹よ。

タスケテ。




馬車に乗って王都に向かっている。なぜか勇者は僕の目の前にいる。

僕は奴と目を合わせないようにしている。

なんか、あの瞬間からこいつの様子がおかしい。

尻がきゅっとなってしまう。


「いやはや、ここまで奥ゆかしく立派な淑女があんな偏狭な村にいるなんてもったいないことだ」


「は、はは、あ、ありがとう、ございます」


「おにぃ……大丈夫……シィが守る」


マイリトルシスターよ、やはりおまえは天使だ。俺の心のオアシスだ。

君がいなければ「探さないでください」と置手紙をしてさるところだ。

あそこでニコニコしてる幼馴染はくじょうものと大違いだ。


「そうだろ、自慢の幼馴染だ、私の誇りでもある。かr……彼女の為に頑張るつもりだ」


「おに……おねぇ………控えめで……最高」


「二人とも羨ましいよ。王女に匹敵する美女とずっと入れたのだから」


………うっぷ、気持ち悪なってきた。

男なんかに口説かれも全然嬉しくないんだよ!

義妹てんしを見て癒されよう。


王都まで3日はかかるのである。

僕はこの3日の事をもう覚えていない。

気が付いた時はやたら豪華なベッドの上だった。

お尻はいたくないです。








ふふふ、いい、じつにいい。

ここまで奥ゆかしく素晴らしい淑女は見たことがない。

『魅了』を食らって僕に誘惑してこない女性は初めてだ。


馬車での移動時にさりげなく前に行き目を合わせようとしたのだがこちらを向いてはくれない。

その横顔も愛おしい。王都に着くまで彼女の姿をずっと追っていた。

今なら『魅了』された女たちの気持ちがわかる。


これからいくらでもチャンスがあるのだ。焦らずじっくりとだ。

彼女が俺を求めるまで、そう慎重にだ。

次のチャンスは陛下との謁見の時だ。

僕の運命の人よ。










王城の一室にて


「まぁ、お父様。もうすぐ謁見ですわね」


「あぁ、一つの小さな村から3人もの称号持ちが出てきた。そして勇者もいる。お前もいる。勇者の仲間として世界を任せるぞ」


「ふふふ、勇者様は私の好みではなかったのですが3人の情報で楽しみなのがいますわ」


「聞いたこともない称号のことだろう」


「えぇ、そう、わたくしは自分より美しい物しか愛せないんですもの」


「ふふ、悲しいな、我に愛情がないというか」


「ごめんなさいね。尊敬はしております。感謝もしております。ですが血のつながりがあっても愛せないのです」


「くっくっく、これはこれは。彼には責任を取ってもらわねばならぬな」


「さすがお父様です。話が分かるのは好ましい限りです」











ゾゾゾッ、あれおかしいな。勇者がいないのに寒気がするぞ。

王城に着いた時、占い師にこれからの事を聞いてみたのだ。

女難の相が出ている。


うん?女難の相?待って。これからの事で女難。

僕、まだ女装してるんだよ。

これから会うのって王女だよね?まさかね?


そして謁見の時間になる。

陛下と勇者と王女がいた。

おっかしいなー、初対面なのに熱い視線を感じるんだが。


「この度はお招きいただきありがとうございます陛下。」


「ご苦労である。面を上げよ」


そういって、陛下の顔を見る。なんでだかすっごいにっこりとしている。

ちなみに目の前にいる3人とも熱い視線を感じる。


「ふふ、素晴らしいよね。まるで女神が降臨したみたいだよ」


うっわー、きっしょいはー。俺男やからさー。

嬉しくないんだよねー。

そして奴に向かって侮蔑の目線を向けた。

目が合う。…………あ、やべ。緊張とけて油断した。

また奴の眼が光る。


「………」


あ、あれ。なんか勇者の目がすごいことになってるんだが。

心なしか呼吸も荒くなってる。

正直生命の危機を感じる。


「ん………」


「あまり幼馴染を怖がらせないでくれないか」


やばいよ、この子たちすっごく頼もしい。なんだかすごく落ち着いた。

あれ?僕は男の子だよね?なんでこんなことになってんの?


「ルイン様、お慕いしております」


ふぁ?!ルイン様!いやいや、そんなに愛おしい人を見る目やめて。

女難じゃなくて男難じゃねぇか!あの占い師!


「あなたこそ、真の勇者です。この偽勇者を下僕にしてください」


爆弾が落ちた。場が固まる。

に、にせ?いやいや、まさか聞き間違いだよね?


「勇者様?にせとはどういう……」


「すいません。僕には勇者を語る資格などないのです。確かに勇者の称号はあります。ただ、転生者なのです」


………聞いたことがあります。転生者。それは前世の記憶を何らかの形で思い出してしまった人。

称号持ち以外で複数スキルを使えるらしい。ただそのかわり、前世での人格やそれを反映したスキルに今の自分とぶつかり合いひとりの人格として統合されるらしい。


「僕は前世で大罪を犯しました。女性を誑かし処刑されたのです。『魅了』のスキルがあるのです」


「………それは真か?」


「陛下………はい。」


ということは、あの目の光って『魅了』だったの!

………あれ?なんで僕に効かないの?


「さて、どうしたものか」


「陛下、そこでお願いがあります」


「………」 


「『魅了』使わないことを神に誓う代わりにルイン様に魔王討伐の旅に参加したいのです」


え、嫌なんだけど。むしろ視界にすら入れたくないんですけど。


「ふむ、腐っても勇者なのだな。ただ………その………ルインズは男ではなかったかな?」


あ、陛下。知ってたんだ。


「男………ですか………」


陛下ありがとう。やっぱり一国の王は違うね。最高だよ。


「大丈夫です。問題ないです」


いや、あるよ!大問題だよ!僕の溢れる気持ちが満杯だよ!


「いや、僕は女性がいいので」


「ふむ、やはりそうか」


陛下がうれしそう。そして王女もにっこり。

あれー、おっかしいなー。

まだ嫌な予感だ終わらないんですが。


「まぁ、あなたの美しさに心打たれましたわ。魔王討伐の暁には一緒に生きていただけませんか?」


「「「はっ?」」」


田舎者たちの声が重なった。


「ダメ………おにぃ………渡さない」


「王女様、それは頷けません。彼は私と婚約しているので」


ここにきてアーシャさんの口撃。しかも婚約なんて覚えないんですけど?!


「ちがう………おにぃ………シィとずっといっしょ………言った」


「シフォン、私にも譲れないものがある。ルイは6の頃に〈アーシャを絶対に幸せにして見せる〉と言っていた。これはもはや婚約。父と母にも了承を得ている」


「そう………でもおにぃ………最初に会ったとき……〈君を絶対に見捨てない永遠の君の味方だ〉……だから……アーにも譲らない」


あぁ、占い師のおばちゃんあんた凄腕だよ。

だれかーたすけてー!


ガタン


一人の兵士風の男が入ってきた。

よし、ナイスだ!一般兵士さん。


「陛下、一大事です。ま、魔王が王城に侵入しました」


「なに!」


なんでこうなるの!魔王早いよ!最初からクライマックスだよ!


「皆の者、緊急事態だ」


クックック、

声が響く。まさかもうここまで。


「ここまですんなりうまくいくとはな」


そこには人間とは思えない。ひどく醜悪な笑みを浮かべる一般兵士さんの姿が。

そして、体が縮んで………え、小さくんなるの!

そこには紫色のポニーテイルで紅い瞳のこれまた「ニンギョウ」のような白い肌のシフォンを一回り小さくしたどうみても子供にしか見えない幼女の姿をしていた。


「にんげんなどかんたんにほろぼしてくれる」


しかも声めっちゃかわいいやつ。本当に魔王か?


「まずそのよわそうなやつからだ」


自称まおうの手から深淵のような塊が飛んでくる。

あ、まずい。あまりに色々ありすぎて体が動かない。


「ルインズ様!」


そういって偽勇者が僕を庇った。

塊が偽勇者の体にぶつかったと同時に彼が倒れる。


「王女様、偽勇者の手当てを」


「はい。偽勇者は任せてください」


3人でやるしかない。魔王というだけありやはり強いみたいだ。

でも3人なら何とかなるかもしれない。

アイコンタクトなんとなくわかる。


「ふむ、いちばんつよいやつがよわいのをかばうとやはりおろかな」


アーシャが突っ込む。僕はシフォンを隠しながら反対の方向から詰める。


「よいれんけいだ。じゃが」


そういって、僕とアーシャに向かって手をかざす。

アーシャはしゃがみ、僕はシフォンを抱き寄せた。


「まだまだたのしませてくれ」


「軽口もここまでだ」


いつの間に魔王の懐に潜っていたアーシャは隠し持っていたナイフで切りかかる。

反応に遅れた魔王に刺さる。


「いた!ないふのくせにすごくいたい!」


そういって、慌てたのかアーシャの方を警戒する。しかし、それは僕とシフォンに背を向けることだ。僕はしゃがむと僕の頭の上を何かが通ったようにビュンと音がする。

パチッと魔王の背中から鋭い音がした。


「いたい!いたいのじゃ!すごくいたいのじゃ!」


シフォンの操る糸で鞭のように叩かれたのだろう。

涙目になる魔王。

すこし、悪いことをしてる気がしてきた。

しかし、うちの者たちは容赦なく攻撃する。

僕も合わせる。


「『ミラー』!」


「な!いれかわり!だれじゃこのびじょは!」


魔王の目の前に板を出す。いきなり自分の姿を見た魔王はアーシャがいきなり消えたのと目の前には見たこともない人物に動揺する。しかし、自分の容姿はしっかりとほめていた。

余裕があるのかないのか。


僕は魔王の足元に金貨を投げつけた。その音に反応し見る。

そして、アーシャはナイフを6本ほど天井に向かって投げる。

しかし、急降下して魔王に刺さる。シフォンと連携したみたいだ。

ざくざくと全てのナイフが魔王という名の幼女に突き刺ささる。


「う、う、うわ--------------ん」


いきなり魔王が泣き出したかと思うと魔王のいた場所から衝撃波が出る。

まずい!と、咄嗟にシフォンを抱きしめる。


辺り一面は廃墟のようにところどころに穴が出来ていた。

板のおかげでアーシャは致命傷にはならなかったみたいだ。

しかし、体はボロボロで今にも倒れそうである。


そうやら俺も同じみたいだ。背中がすごいひりひりする。そして破れているのだろう。

外気に触れている感触もある。シフォンは僕の体重に耐えられなかったのか白目をむいていた。



「もういやじゃ!ぜんぶこわれてしまえ!」


そう言って、魔王は手を上に上げる。そこには最初にみた深淵の塊が周囲を飲み込むように肥大していく。あれはまずい。下に打ち込めばまず間違いなく王城が崩れてしまう。


「ルインズ様、あの板は跳ね返す力があります」


いつのまに王女様が近くにいた。吹っ飛ばされたためか王座の方に寄っていたみたいだ。

彼女が指をさすのは魔王の右肩。そう板の前にあったほうの方が破れていた。

ナイフは衝撃で消し飛んだみたいだ。赤い血が痛々しかった。


「私は触れた相手の能力を上げるスキルがあります、偽勇者は次のスキルの効果を上げるスキルがあり今はかけた状態のようです」


よく見ると偽勇者がこちらに手をかざして動かないようだ。最後の力でスキルを託してくれたみたい。

よくみると王女も顔色が悪い。フラフラとしてて今にも倒れそうである。


「わたくしも支援のスキルを使えばおそらく気を失うでしょう。あとは………お願います」


そういって、淡い光が包む。本能で理解するが次の一回スキルで決めるしかない。


「よわそうなおまえ!おまえが!」


………なぜか近くのアーシャよりこっちを恨みがましく見つめている。

いやいや、まてまて。ほかに行っても困るんだけど僕そこまで恨まれるか?

あ、どうやら許してくれそうにないや。


王女がいるから、このまま攻撃されると王女が巻き込まれる。

右に逸らす。陛下、偽勇者に直撃。

左に逸らす。天使が死ぬ。

正面、魔王にダイレクトアタック。

魔王がこちらに手を振り下ろす。


目の前に分厚い透明な板が出る。自分はボロボロだ、ところどころ服が破けている。

深淵の塊が板にぶつかり鈍い音がする。ぴきぴきと音を立て壊れそうになる。

今にも崩れそうになったその時、板をはみ出すほど大きかった塊は半分ほどの大きさになり跳ね返る。

板が崩れた後に見えた魔王は前のめりに倒れていた。

その体すれすれを塊が通る。塊は壁をぶち破り進んでいき、最後に見えたのはぽっかりと剥げてしまった山が見えた。

ちなみにアーシャも倒れていた。


意識があるのは陛下と僕だけだ。


「ふむ、初戦が魔王でしかも勝利するとはな」


「ははは、ボロボロですけどね」


「生きているだけでも幸いですよ」


「魔王か心苦しいが始末せねばならんな」


「………そう…………ですね」


なんだか勝ったはずなのにあまり嬉しくないのはやっぱり彼女の涙のせいなのだろう。

あの悲痛な叫び声も今になると胸が締め付けられる。

しかし、彼女は魔王である。


僕の懐にしまっていたナイフを取り出し魔王に近付く。

そして足元の魔王を見る。

こころがミシミシと音を立てて痛みを訴える。


―仕方ない。

―魔王だから。

―これが戦うという事


そんな言葉が頭をよぎる。ナイフを降ろす。

しかし震えていたため外してしまった。

今度は外さない。膝で両肩を挟み背中から胸の中心になるであろうところにナイフあてる。

そして上に振り上げた時―





「おとう……さま」







持ち上げたナイフを








振り下ろせなかった。








恐らく間違いなのだろう。

人として。

選ばれたものとして。

勝者として。


彼にはもう魔王を手にかけることが出来なくなっていた。

その姿を見ればまるで惨敗した弱兵みたいであった。


コツコツコツっと音が鳴る

陛下がそばにいた。


そして、廊下からガタガタと走ってくる音が聞こえる。

王都の兵士と陛下に囲まれた僕。


「殺せぬのか」


「………はい」


「兵に任せよう」


「………いえ、それもいやです」


「それはできない」


わかっている。100人いれば100人同じことを言うくらいには明白である。

僕も他人事であればそういうだろう。


「ならば一緒に僕もお願いします」


「………なぜそうなる」


「彼女が今ここで死ぬと僕はきっと後悔するでしょう」


「魔王だぞ?人の敵であるのだ」


「わかってます。でも、彼女を今殺すと心が死にます。そして誰かを助けるとききっと今日このことがよぎると思います」


「沢山の民が犠牲になってもか」


「…………アーシャも……シフォンも………僕に命の選択を迫られた時があります」


「………」


「そして今は亡き母ですが、こう教えられました。〈助けたい、そう思ったのなら手を伸ばしなさい。掴むまで絶対に全力で努力するのよ〉と。なので、陛下。一度だけ機会をくれませんか」


「ふぅ、断れば君が死ぬ。そうなれば勇者パーティーは解体だ。まったく、断れない選択など出さないでほしいものだ。一度だけだ。それ以上は譲歩できない」


「陛下、ありがとうございます」


そして、魔王を抱えて今日通された客間に向かう。

軽い。そして柔らかい。ここで初めて気付いたのだ。

そう、魔王もまた義妹てんしと何ら変わらない少女であるということに。










「っは!われはいったい!」


あ、起きたみたいだ。一時間もたってないのに早いな。ついでに客間に着くまでに血は止まっており傷口もほぼふさがっていた。恐るべき魔王スペック。


「ふかふかじゃ、しあわせじゃー!…………?!きさまいつまにそこに!」


「いや、最初からいたから。とりあえず戦う意思はないよ」


そういって両手を上げる。流石に不安だろうしせっかくの一度きりの機会がきたんだ。何とかものにしなくてはならない。


「………うそはついとらんの。しかしなぜこうそくせぬ?こわくないのか?」


「怖いよ、滅茶苦茶ね。本当なら逃げ出したい。味方も欲しい」


「ならよべばよいではないか。じんぼうもないのか?」


そういって顔を斜めに上げる。見下されてるようだ。

…………少し腹が立つがまあいい。


「何でここに攻めてきたんだ?」


「ん?せめる?なんのことじゃ?」


「は?いやこれって魔王の襲撃だろ?」


「わしはまおうじゃよ。しかしあそびにきただけじゃよ?」


なん………だと………。あれが遊びだと?めっちゃ死闘してつもりだったけど遊び相手だったのか。


「いやいや、まおうのぶかのしてんのうにてーさつ?してきてっていわれたからここまできた」


魔王を威力偵察に使ってんじゃねぇよ。四天王やべぇな。

あと、お遊びで偵察させんなよ。

いかんいかん、あまりにひどい話で言葉が荒くなってしまった。


「………なあひょろいの、ひとつきいてもよいか」


「(微妙に腹立つ言い方するよな)………いいよ」


「なぜきさまはまおうをころさなかったのじゃ」


「君を助けたいと思ったから」


「?!ふざけるな!まおうをぶじょくするきか!」


違う、そうじゃない。僕はただ。

僕の大切な人との約束を守りたいのだ。


「おとうさまと言っていた」


「!!!」


「ごめんね、それを聞いたらね。駄目だったよ。ナイフを真下に振り下ろす。そんな事さえできなかったんだ」


「………」


「僕は大切な人に別れを言えないことも。大切な人を失う悲しさも知っている。君と僕は違う。でも、そんな人がいる君を僕にはどうしても殺す事が出来ない」


「おまえはひとのだいひょうじゃ。そのことばに……」


「二言はないよ。これは僕の………勇者側の総意だ。そして僕の決意には人も魔族も関係なんてない。僕は僕の助けたい人の為に戦う。助けたい人を守る。そして、守れない約束はしない。だから―」





「君を助けさせてほしい」





沈黙が流れる。魔王は下を向いていて表情が見えない。

肩を震わせている。怒っているのか泣いているのか。

いや―

笑っていた。


「はっはっは、おまえは一番傲慢な人よ。認める認めるよ。その傲慢さまさに人間だよ。きっと初めてさ。そんなことを言ったやつは」


さっきのような話し方ではない。はっきりとそう話す。


「………叶わぬ願いと諦め、誰にも話せぬと自棄になっていた。勇者にこんなことを言うのはおかしいが。おねがい、助けてほしい。お父様を助けたい。」


「喜んで」


僕は即答した。彼女の願いを。助けたい、そう思ったから手を伸ばした。掴むまで絶対に全力で努力する。



ここから先の魔王の話は置いておく。また長い旅路である。
























そして今、ここは王城。

僕の周りに傾国美女とも呼べる女の子がいる。

幼馴染、義妹、勇者、王女、魔王、

…えっ?なんで勇者は男だろって?


うんそうだよ。いや正確にはそうだったよ。

あの魔王の攻撃はスキルを使った一撃だったらしい。

何かというと『性質変異』。形を根本から変えるスキル。


普通なら体を丈夫にしたり、強くしたり、短所を消したり、長所を伸ばすために使う。

が、あろうことかこの偽勇者は性別を弄りやがった。

魔王にも不可能なのだが、スキルで力を増大させたらしい。

曰く、「もう私は心も体もあなたの所有物です」

しかも、やたら美少女になりやがったので始末に困るんだ。


「幼馴染の私が正妻になるべきであろう」

「かわいい………おにぃ………私…………一番」

「私は末席でいいので」

「王族など関係ないです。わたくしの一番はルインズよ」

「まおうがつよい。よってみなゆずるがいい」


ちなみに魔王のしゃべり方が幼いのはなんでも二重人格?というやつで、真剣な場面では時々出てくるみたいだ。


「「「「「よし、」」」」」


「「「「「ルインズ(おにぃ)((ルインズ様))(おぬし)一番は誰!」」」」」


………もう何度目かわからない。この問いかけ。









勇者と一緒に世界を救う旅に行く…………はずだったんだけどどうしてこうなった!
















本編では書かなかった設定


鏡者のスキルについて

精神干渉系のスキルの反射があります。

判定としてはこちらに悪影響があるスキルを受けると自分の精神力と対抗して勝てば反射します。

これは常駐スキルで本格的に鑑定しなけばわからないです。


勇者も精神向上があります。そして、魔王は魔力増幅です。





おまけ

本編で書いたのですが長くなったので後書きで紹介します。

彼はなぜこんな優しく強い少年なのか。

その理由のお話。






これは過去のお話。ありきたりでよくある話。


あるところに仲睦まじい夫婦がいました。


旦那様は冒険者、


奥様は貴族令嬢、


喧嘩したり、


泣いたり、


笑ったり、


そんな夫婦は町での人気者でした。


ある時王都から呼び出しが。


「旦那様は絶対に帰ってくる」と言っていました。


奥様は言う。


「子供がいるの。だから帰ってきてね。」


しかし―。


その約束が果たされることはなかった。


悲しみに暮れる奥様。


旦那様ともう会えないことを。


旦那様の愛しき子は旦那様の温もりを知ることはないと。


村のみんなは心配しました。


しかし奥様は強くまた清らかであった。


新たな旦那様を迎えることもなく。


ひとりでちいさな男の子を育てます。


まるで少女のような愛らしさのある少年です。


奥様と一つの約束をいつも大事にしていました。


村には同い年の女の子がいました。


自分よりも弱い男の子。


けどどうしてだろう。


彼には最後には勝てないだろうと。


その子は彼の為に強くなりたいと思いました。


しかし―、


ある時、女の子は悪魔に襲われます。


それを見ていた少年は村一番の強い男に助けを求めます。


そして、駆け付ける。


少女は磔にされて目隠しをされていました。


「助けて」と声を上げながら。


悪魔が現われ言う。


「この子は生贄だ。


強く幼い魂はよき血肉になると。」


少年は言いました。


「なら僕と代えるべきだ。


僕の方が女の子より強いからと。」


悪魔は了承します。


そして、村一番の男は片腕を無くし。


男と少女は帰ることになる。


男の子は拷問を受けた。


来る日も来る日も。


彼は悲鳴を上げることはありませんでした。


そんなある日。


一組のカップルができた。


カップルは悪魔を倒し。


少年は解放される。


そして少年はもう一人の少女と出会う。


その子は弱く自分より幼い女の子でした。


女の子は思う。


この人が兄なら嬉しいなと思う。


その願いはかなう。


大きな代償をともないながら。


そう仲睦まじいカップルは忽然と姿を消した。


1枚の紙を残して。


私たちは戦いに行かなくてはならない。


君を連れてはいけない。


君を愛してる。


それと隠していてすまない。


君は魔族の孤児だ。


信頼できる者に君を託した。


君が幸せなのを切に願う。


愛しい我が子へ。


少女は村を飛び出した。


大好きな二人に。


ありがとう、大好きというために。


しかし、見つからない。


三日三晩探して。


身体はもう動かなかった。


あぁ、もう誰にも会うことがないのかなと。


少女は眠った。


あの素敵な男のにも。


大好きだと言えないのなら。


これを永遠の眠りのしてほしい。


目覚めることのないように。



少女は眼を開ける。


そこにはあるはずのない屋根がある。


そこにはあの男の子がいた。


目がしらが熱くなる。


本当に嬉しかった。


でも、


「もう構わないでいいよ。


私は魔族で。


きっとあなたを傷つけてしまう。」


男の子は悲しい顔をする。


ごめんね、やっぱり大好きなんて言えないや。


立ち上がろうとした時。


彼に抱きしめられた。


頭が真っ白になる。


しかし男の言葉ははっきりと聞こえた。


「君を絶対に見捨てない。


永遠の君の味方だ。


だから。


そんな悲しい顔しないでと。


君は僕の大事な家族。


大切なひとだから。」


彼女はこの日初めて涙を流した。


父と母がいなくなった時。


その時ですら出なかったのに。


少女は決意する。


自慢の兄を。


助けるようになると。


次が最後の話。


そう、独りの奥様のお話。


彼女は次第に弱っていく。


まるで、旦那様の所へと。


身体が導かれるようにと。


次第に枯れていく彼女。


男の子は笑顔を浮かべる。


彼女が安心できるようにと。


沢山の愛情をもらったから。


その恩返しにと。


とうとう別れの時がやってくる。


彼女は言う。


「あなたは自慢の息子よ。


いつまでも愛してるわ。


最後にお願いよ。


手の届く範囲でいい。


君の気に入った子だけでいい。


助けたいと思った子を助けてねと。


そして。


守れない約束はしないこと。」


これが彼女が送った最後の言葉。


そして彼は、


「ありがとう。


僕もいつまでも愛しているよ。


本当に手をかけてくれて。


嬉しかったよ。


ここでお別れだけど。


お土産を一つあげるよ。


お父さんには内緒にしてね。」


そういって彼は初めてキスをした。


目を丸くした彼女は。


旦那様と別れたあの日から忘れていた。


愛される喜びを思い出し。


安らかに眠るのでした。


彼女は知らない。


彼が彼女を見送った後。


一日中彼女に縋り付いて泣いていたことを。


少女たちはそんな彼を。


泣き疲れて眠るまでそばにいたのだという。


この世界ではよくあるそんなお話。













うん、長いね。もっと短い予定だったんです!六千文字くらいになるかなと思っていたら後書き込みで二万文字て。

仕方ないですよね。書きたいのがどんどん出てきて止められない。


悪役令嬢系も短編だったり、連載だったりしてますが気長に待っていただけると助かります。





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